今の日本では、誰の土地でもない場所というものはないので、車中泊をする場合には周辺の状況を見ながら、必要に応じて許可を受けるとか、帰る時には「来た時よりも美しく」の精神で行なうことが個人的には良いのではないかと思います。
そうした基本を踏まえつつ、安全に車中泊をするための場所について考えてしまうような「土砂崩れ」が何と私の住む静岡県内で起こっています。まず、行楽で私自身も出掛けたことのある川根地区の寸又峡温泉にある「夢の釣り橋」に向かう山道で土砂崩れが起こり、歩いて吊り橋に向かっていた人たちが一時孤立することになりました。これは、先日の台風の影響があるのか? と思っていたのですが、まだ寸又峡温泉の土砂崩れの復旧についての話も出ていない中で、場所は違いますが、今度は静岡市内の南アルプス方面へ登山に行く人たちの拠点である「椹島ロッヂ」付近の林道か崩れ、百人以上の人たちが孤立したとの報道がありました。
これも、先日の台風の影響による大雨の影響なのか? とも思えましたか、現地で孤立していた人たちは登山客だけではなく、リニア工事に携わる人がいるというのが個人的には気になりました。といっても、今回の土砂崩れをリニア工事の関係からリニア自体をどうこうという事が本稿の目的ではないことは最初にお断りしておきます。
最初に書いた通り、車中泊をする場所について考える時、「できるだけ同じように車中泊をする人たちに囲まれるような場所てしたくない」という人たちは、できるだけ人も車も通らない場所を目指して車中泊場所を探すという方もおられると思います。車両通行止が行なわれていなければ、基本的には車は入っていけるわけではありますが、このブログでは今まで、大雨などで土砂崩れの危険が高くなっているような状況で、あえて山中に分け入ってしまうと、車だけでなく生命の危険もあるのでやめるべきだというところまでは書いていたように思います。
しかし、今回の椹島ロッヂ付近での土砂崩れの場合、直近で大雨ということもないですし、恐らく孤立状態に陥った登山者たちも、まさか自分が家に帰れなくなるとは思わなかったのではないかと思います。山道はどこでも崩落の恐れのある箇所はありますが、今回の場所は特に山の上で道路やリニア新幹線の工事が行なわれているところなので、工事関係車両の出入りもあることだろうと思います。
幸いにも、今回の静岡県内における土砂災害は孤立者を生んだものの、人的被害は起こりませんでした。ただ、孤立した場合、天候が良い場合にはヘリコプターでの救出もできますが、ヘリが飛ばないとその場所から動くことができません。もし車中泊でどこか山の中で過ごしていてこうした土砂災害が起きた場合にどうなってしまうかということも考えた上で車中泊場所を探すことも大事ではないかと思います。
個人的には、それほど広くない林道などを工事用車両が行き来するような場所については、道路に対しての負担も出てくるように思いますので、安全ということを考えれば、そうした場所については近寄らないようにとも考えています。特に車中泊の旅というのは、全てにおいて自己責任の旅となってしまうので、何よりもまず無事に帰るということを考えながら、まずは安全第一に車中泊の旅を楽しんで来ていただきたいと思います。