まだ日本では販売をしていませんが、通信衛星を使ったインターネットでは災害時の通信利用実績のある「Starlink」について、新たなハードの情報を最近見ることが多いです。こちらからはリンクは貼りませんが、「Starlink mini」で検索を掛けるとヒットすると思います。
ハード自体がコストコなどでも販売されるなど、かなり一般的になってきた衛星通信インターネットですが、現在日本で売られているセットは、アンテナとルーターが別で重量も10kg以上あり、いわゆる「ポツンと一軒家」とまでは言いませんが、モバイルインターネットでは心もとない方が固定インターネットの代替としたり、災害時に避難所に持ち込んで利用したりなど、今のモバイル通信が利用できない場合の代替といった感じで使うというイメージでした。車中泊の旅にも使えそうですが、小さな車だと一式を持っていくのは大変そうだなあと思っていたところ、アンテナにルーターが内蔵されオールインワンとなった「Starlink mini」というA3サイズの新しいハードが出たという話で、その内容に興味がわきました。
従来のセットと違って通信衛星の自動追尾といった機能は搭載されないものの、移動しながら使うなら小さなサイズのものなので、そこまで不具合はなさそうな感じです。大きさがとにかく小さく、バックパックにも入るということで、かなり機動性も上がり、小さ目の車で旅に出るような場合にぴったりという感じがします。小さくなったことで、単体で持って行っても地上からの携帯電波が届かない長距離フェリーで安定したネット通信用に使ったりできそうです。
ただ、一般的な利用方法を考えた時に気になる消費電力は、複数の紹介サイトに出ていたデータによると、だいたい25Wくらいということで、モバイルバッテリーでの長時間運用は難しいとは思いますが、小さ目のポータブル電源と組み合わせることで、野外でも普通に使えるのではないかと思います。
ただ、モバイル通信が使えない場所で使うことを想定すると、ポータブルバッテリーの充電についても考えなくてはいけないと思います。バックパッカーがこのセットを持ち歩く場合は、一緒にポータブル電源を持ち出す必要もあり、さらに充電のためにできれば100W前後くらいのソーラーパネルを同時に携帯する必要を考えるべきでしょう。すると、それだけで結構な重量になり、荷物のほとんどをStarlink miniを動かすためだけのものになってしまう可能性があるので、バックパッカーが使うというより、軽キャンピングカーに合わせて導入し、ポータブル電源を屋根に仕込んだソーラーパネルや走行充電などで充電しながら使うというのが良いだろうと思います。
日本ではどういうプランで運用が可能なのかはわかりませんが、アメリカでは月50ドルで50GBまで利用可能なプランがあるということです。国内を移動するだけならモバイル通信が使えない場所に限定して使うなどすれば、どんな秘境に踏み込んでも連絡や情報収集手段としてのネットが使えることになり、かなり使い勝手は良い感じがしますね。
今後、スマホ単体での衛星通信が可能なものも出てくるとは思いますが、地上基地局とのやり取りとは違うので、できることは緊急用通話やSMSだけという事も考えられます。そういう心配をされている方にとっては、Starlinkは魅力的に映りますが、厚い雲が上空にある時に衛星からの電波が弱くなるなど、衛星通信特有のディメリットもあるので、今のモバイルインターネットと合わせてお互いの弱点をカバーできるような使い方ができれば良いですね。
個人的には、日本では海外とは違って国内のモバイル通信のカバー率も高く、災害も多いので本体を購入してその契約を寝かせておき、いざという時にそれこそpovoのトッピングのように、使いたい時だけ限定的に使えるようなプランが出てきたら、もし地震の影響で長くモバイル通信が使えなくなった場合に備えて買うのもありかな? とは思っています。自宅にはポータブル電源もソーラーパネルもあるので、これがあればサブ回線をそこまで備える必要もないと思うので、現在使っているモバイル回線の再構成もあり得ます。そんな感じで考えている方もいると思うので、国内でのミニマムプランを望む人は少なくないのではと考えられ、ニーズは結構あるのではないかと思うのですが。