「こねこ便420」と「レターパックライト」はライバル商品でも将来配達する人が同じになる?

ヤマト運輸が2024年8月26日から、専用封筒でA4サイズ相当・厚さ3センチまでの荷物を沖縄県を除く全国一律で420円という安さで、宅配便と同じ早さで自宅の郵便受けまで配達する「こねこ便420」という新しいサービスをまず東京都から開始することを発表しました。

セールスドライバーによる集荷や、営業所への持ち込みにより発送され、追跡番号による追跡も可能なので、私などはヤマト運輸と競合するあるサービスがまず思い浮かびました。それが、表題にある「レターパックライト」という商品です。このサービスもA4サイズ厚さ3センチ・重さ4キロまでの専用封筒で全国一律の料金(こちらは沖縄県もエリア)、自宅の郵便受けまで配達で追跡も可能です。現在は専用封筒が一枚370円ですが、2024年10月から値上げになり、一枚430円になることが決まっています。レターパックライトは郵便ポストに直接投函することができるメリットはあるものの、先に値上げを発表していたレターパックと用途を合わせて10円安く価格競争を仕掛けてきたという感じなのですが、個人的にはヤマト運輸の姿勢に「?」マークが付くというのが正直な感想です。

というのも、過去にヤマト運輸はメール便の大々的な拡販など、郵便事業に対してかなりシェアを奪おうと日本郵政に攻勢を掛けてきたものの、小さな荷物というのはどうしても人件費がかさむため、サービスとしては一部残っているものの(ネコポスなど)、仕分けや配達を担当する本社と契約した個人事業主の大幅なリストラを敢行し、現在小物の配達は日本郵政に委託するような業務提携を行なっています。

今回の「こねこ便420」についても、当初はヤマト運輸の方で配達まで行なうものの、サービスの内容を報じた日本経済新聞のニュースによると、ヤマト運輸では「サービス開始当初は自社のドライバーで運ぶが、今後は日本郵便への移管を検討している」ということなのです。今回の商品は先行する日本普便のレターパックライトに挑戦するような商品でありながら、配達はそのライバルに丸投げというのは、さすがにそんな依頼をする方もする方ですが、その依頼をもし日本郵便が受けるのだとしたら、今回の郵便料金の値上げに関係する点もあるのでは? と、まさに出来レースを見せられている気になって、何だかなあという気になるのは私だけなのでしょうか。

もし、ヤマト運輸が一斉に契約を解除した個人事業主との契約を見直す形でこの「こねこ便420」をやっていくというのなら応援したいと思うのですが、直接のライバルである日本郵便にお金を払って配達してもらって、商品自体の価格は安くするというモバイル通信のMVNOみたいな事を物流大手のヤマト運輸がするというのは、ここまで物流の世界は将来が見通せないのかとも思ってしまいます。

主にネットでの通販(フリマやオークション含む)を利用している側としては、今回のニュースは単に安く送れるようになって良かったという風になれば良いですが、運んだり配ったりするのは会社ではなく現場の人たちですから、最悪サービスが提供できなくなるような問題が起こらないか個人的には心配になります。個人的には今までレターパックライトの方はほとんど使ったことはなく、主に使っているのは厚さ制限なしで送れる「レターパックプラス」の方なのでどちらにするか悩まなくて済みますが、今後の成り行きはどうなるのか、一ユーザーとしては戦々恐々として眺めるしかないのかも知れませんね。

カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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