楽天モバイルのサービスについての発表の感想と今後に向けて考えなければいけない事

昨日、楽天モバイルが新しい発表を行ないました。新たなプランとして2023年6月1日からスタートするau網のパートナー回線5GBの通信制限をなくした「最強プラン」の発表、新たなデータ通信専用プランの提供、音声通話使い放題の「Rakuten LINK」デスクトップ版を2023年8月に発表するというようなことで、従来のユーザーからすると使い勝手は上がってくるのではないかと思っています。

個人的に興味があるのが、2023年6月末からの提供が案内されている、データ通信専用プランの内容と月額料金がどうなるのか、新プランの開始とともに、新たにeSIM対応のホームルーターやモバイルルーターが出るのかというところがありますね。「Rakuten LINK」はデータ通信を使ったIP電話ではありますが、恐らく使えないとは思うものの、その詳細が待たれます。

また、今まで月5GBを超えると最大1Mbpsに速度低下してしまっていたauのパートナーエリアで接続制限を無くした「最強プラン」は、LTE通信のみで5Gでの接続はできないものの、楽天回線を自宅のインターネット回線として固定化していた人にとっては、今後天候や電波状況で楽天エリアをつかまなくても、安定のau回線を無制限で利用できることになるため、かなり魅力的なのではないでしょうか。ちなみに、今回auと締結したローミング協定では、2023年6月から2026年9月までという話も出ています。ただ楽天としては今後プラチナバンドを使えるようになれば、徐々にauとのローミングを縮小していく予定だろうと思いますので、これから約3年間はしゃかりきに自社網を広げようとして社員にお金を使い込まれることもなく、比較的慎重にエリア確保を行なうことも可能でしょう。

ユーザーとしても、自分が払ったお金が個人のお金として高級車の購入費用になってしまうというのはちょっと許せない気もしますし、これでしっかりとした自社網を楽天モバイルが作っていく基礎になってくれれば、今後もしばらくau網に頼るというのは悪くない選択のような気もします。

ただ、今のところ、楽天のこうした発表を全て信じることができない自分もいます。それが、「Rakuten LINKデスクトップ版」についてのアナウンスです。このアプリはパソコンにインストールして楽天契約のある電話番号に紐づけされたIP電話をSIMカードの差さっていないパソコンから使えるようにできるソフトです。以前からすぐ提供するという発表を繰り返し、今だに実用化されていないという前科があるので、まずはこの8月までに本当にこのソフトが提供されて自宅のWi-Fi接続をしたパソコンから「Rakuten LINK」が使えるようになるのかということをまずはしっかり見ないと、先に発表した内容についても疑うことしか個人的にはできないですね。

あと、今回の発表にはありませんでしたが、今回も「Rakuten LINK」アプリで通話の他SMSも無料で利用できる(Androidスマホ)ということを強調していたものの、そろそろ他3キャリアと足並みを揃えて、「+メッセージ」を使えるようにしてくれないと、もはや自分のメイン番号を楽天モバイルでは使えない状況になってしまっています。

通話無料は素晴らしいものの、多くの人は以前のように音声通話でのやり取りは少なくなり、あってもLINE電話などのIP電話で代用している方も多いと思います。通話自体が相手に時間を取らせることになるので、メールやショートメッセージによる連絡が増える中で、LINEは知らなくても電話番号さえ知っていて、同じアプリをインストールしていれば、無料でメッセージのやり取りができる「+メッセージ」は使う頻度はそこまで多くはありませんが、没交渉になってしまっていて、携帯番号しか知らない友人と連絡を取る際、相手も同じ「+メッセージ」を使っていることがわかると(電話帳にマークが出ていると相手が同じアプリを使っていることがわかります)、今までのように一通3円(国内)の送信料金を掛けず、メッセージの長さも気にせずに連絡することができますので、その点は便利です。しかし、回線を楽天モバイルにMNPするとこちらからの電話番号へのメッセージは無料なものの、相手が送信する際に一通3円かかってしまうようになります。

細かいことですが、無制限・定額をうたうのであれば、ショートメッセージについて各社の垣根を超えた3キャリアに歩み寄る姿勢もあってしかるべきではないかと思うのです。そうした問題が解決した時、個人的には今利用しているメインの回線を楽天に移すことも考える余地が出てくると思っています。まずは発表したことを本当にしっかりやるのか、プラチナバンドを獲得できるのか、すぐに飛び付くのも良いですが、慎重な方はそうした動向も見ながら決めるのがよろしいと思います。

カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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楽天モバイルのサービスについての発表の感想と今後に向けて考えなければいけない事」への4件のフィードバック

  1. ahiru

    auの発表資料に寄ると、auのローミングは、大都市の繁華街や地下等に限る様に書かれている様ですので、全国どこでもau回線が使い報道と言う訳では無い様です。

    あと、今ガラホにpovoを入れて5分掛け放題トッピング運用で、Cメールは有料なので+メッセージを使用中ですが、相手が+メッセージを使っていないと有料になるのですね。忘れていました・・

  2. てら 投稿作成者

    楽天モバイルはしばらく基地局を増やすことはしなくなると思いますが、auのローミングと同時に、プラチナバンドが使えるようになるかが鍵になってきます。とにかく、こうした発表の通りに楽天モバイルが宣言したことを実行できるか? という基本的なところが何とかならないと評価のしようがないというのが正直なところで、今回の発表で+メッセージについて触れられなかったのも残念ですね。

  3. ケータイオタク

    パートナーエリアの5GB制限がなくなると言うのは楽天ユーザーとしてのメリットは大きいですね。
    データ利用量の大きなエリアは既に自社網でカバーされていると思います。
    地方などでエリア拡大を急ぐよりもローミング料を払った方が負担が少ないと言う事でしょう。
    自宅は近くに基地局があるので安定して楽天モバイルの電波をつかむことが出来ますが、別荘がいまだ楽天エリアの拡大予定が無かったのでどうするか悩んでいました。
    パートナーエリアではあるのですが、制限がなくなると言う事でメリットは大きいと思います。
    auの報道資料によれば従来のルーラルエリア(都市圏、郊外圏に対するいわゆる田舎圏)は引きつづきローミングサービスを提供すると言う事なのでほぼ全国と言っていいのではないでしょうか。

  4. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    実際に使ってみなければわからないものの、今まで電波が届かずに使えなかった場所でどのくらい使えるかどうかは興味深いですね。私も山間部など現状の楽天モバイルでは使えないところでもauの電波がつかめるかどうかというのがポイントになってくるでしょう。そうして、ローミング終了後には自社回線および、衛星通信でカバーできるようになっていれば良いのですが。

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