auが、新たにフィーチャーフォン用のプランを2022年6月1日から「ケータイプラン」で提供することを発表しました。まずはその料金について紹介しましょう。
これは、4G LTEフィーチャーフォン向けの料金プランで、スマホでの利用はできなさそうです。音声通話のみの場合の基本料金は1,265円で、月間300MBまでのデータ通信を利用する場合は、330円のLTE NET使用料と合わせて1,595円になるそうです。もし料金支払いを「au PAYカード」で支払う場合、「au PAYカードお支払い割」により187円が割引きされ、それぞれ1,078円と1,408円になるということですが、この金額は通話オプションなどは入っていない金額であり、別に「通話定額2」(かけ放題/月1,980円)「通話定額ライト2」(一回5分以内の通話が定額/月880円)の料金がかかります。ということは、通話のみでかけ放題のガラケーをauの契約で作りたい場合は3,158円/月、5分以内かけ放題なら1,958円/月となるでしょう。
ここで、冷静になって考えてみると、もしauの4G対応のガラホを持っているなら、同じauの回線を使ったpovo2.0に番号をそのままにして契約変更を行なえば、povo2.0のSIMをガラホに入れて使うこともできます。auのメールアドレスが使えなくなることを我慢すれば(そもそも通話のみだとネットが使えないので)、通話オプションを使わなければ月額0円でとりあえず6ヶ月契約を維持することができますが、急に解約されてしまうことに不安を覚えるなら、最初から通話オプションのトッピングを付ければ、自動解約の心配なくガラケーを使い続けられるだけでなく、スマホに変えたいような場合もSIMをそのまま差し替えれば、低速にはなりますが一応データ通信も使えます(ガラケーでもデータ通信設定をすればガラケーで低速ネットを利用可能です)。ちなみに、通話オプションはauのオプションと同じ「5分以内かけ放題」が月550円、通話かけ放題が月1,650円となっていて、auのスマホに入れ替えて使えないと思われる「ケータイプラン」の価格と比べても、同じauの電波を使いながらなぜこれだけの価格差が出るのか、普通に考えるとわけがわからないレベルです(その理由は後述)。
また、auのメールを使い続けたい場合も、au解約の際に「auメール持ち運び」という月330円という「ケータイプラン」のLTE NET使用料と同じ金額を毎月払えば、auメール宛に来たメールをpovo2.0のSIMを入れたガラケーからでも送受信が可能になります。
ただ、povo2.0を契約してガラケーで利用するには2つの問題があります。まず、契約は店頭ではできないので、自分で行なう必要があると言うことです。これは、ガラケーしか使えない人にとってはかなりハードルが高いものですが、家族や親戚に頼める人がいれば代行をしてもらう手はあります。
ただ、もう一つ重大な問題があります。povo2.0は専用アプリからトッピングをしたりサポートに連絡したりする必要があるので、SIMはガラケーに入れて使うにしても、別に専用アプリの使えるスマホ・タブレットを用意する必要が出てくるのです。申し込む際にもガラケーからはできず、auからの乗り換えの場合には、auIDをアプリで入力して申し込む必要があるのです。ガラケーでpovo2.0を使う場合でも、申し込むためにスマホを用意しなければならないというのは、初心者にとっては致命的ではあるのですが、良く通信や料金の事を知っている人が得をし、スキルも何もなければ、大手キャリアの専用プランを契約する代わりに、店舗での直接のアフターサービスが受けられるというような事になります。ですから、auとpovo2.0のコストの差というもののカラクリは、人件費および店舗なしの直接販売のため単純に移ることができないから、というところに尽きると思います。
個人的には電子マネーや各種生活情報を利用するためには、ガラケーからスマホへの機種変更は必要になってくると思うので、ガラケーを使うならガラケー(ガラホ)とスマホの二台持ちにして、スマホを別のMVNOのSIMを入れることでデータ通信や電子マネー(おサイフケータイが使えればさらに便利)に使うか、ガラケーにそこまで固執しないなら、auのガラケーからpovo2.0ではなくUQモバイルに回線を変え、そこでガラケーからスマホに変えるというやり方もあります。こちらの方は、auショップへ行けばUQへの移転は店頭でも可能になります。そこで改めてスマホを使ってみて、どうしてもガラホに戻りたいということであれば、UQで機種変したスマホからpovo2.0を自力で契約することは可能です。
今回紹介したように、ガラケー利用者は意志はあっても簡単に移ることのできないキャリアがあるということもあるので、ガラホは残しつつスマホと併用する事を考える必要が今後は出てくるのではないかと思います。ただ、その先には今までよりも安く便利にモバイル通信を使える世界が待っているわけですから、何とか多くの人が安くて便利な方向に行って欲しいと思っています。