「ドコモのエコノミーMVNO」によるOCNモバイルONEなどとの連携は新プランは端末購入の踏み台になるか

格安SIMの競争の中で、今まで蚊帳の外に置かれていた感のあるドコモが、いよいよ動いてきました。当初から、関連会社である「OCNモバイルONE」を運営するNTTコミュニケーションズとからんでくるのではないかと思っていたところ、まずはそのOCNモバイルONEが新たに2021年10月21日から出す新プランおよび、同年12月からフリービットとも連携し、新プランを出してくるとのことです。さらにこの二社のプランを全国のドコモショップで取り扱うということです。

先行するOCNモバイルONEの新プランは、データ通信0.5GBに無料通話10分/月が付いて税込550円と、料金だけ見るとかなりpovo 2.0の5分間の通話定額トッピングを意識しているような感じがします。ただし、こちらの方はあくまで月トータルの無料通話が10分間付いているだけで、さらに通話回線は電話番号の前に特定番号を入力するタイプの「OCNでんわ」を利用することになります(特定番号の入力自体は、専用アプリからの発信でなくても自動的にOCNでんわからの発信になります)。

通話料金は無料分を超過した場合、30秒11円とプレフィックス番号を付加するタイプの電話サービスなので安いですね。ちなみに、通話定額を付けるとオプション料935円(10分定額)、1,430円(かけ放題)が上のせになるので、通話定額を目的とするならpovo 2.0の方が5分でも無制限でも安くなるでしょう。

ただ、データ通信の仕組みについては格安でもそれなりに使える可能性があります。550円のプランは従来のプランに新設ということになるので、専用アプリから高速と低速の切り替えができ、低速の場合は最大200kbpsで利用できると仮定すると、低速でもそれなりに使おうとしている人にとっては、povo 2.0よりは、低速でもそれなりに使える場面は増えると思います。各種決済処理が低速で問題なくできるなら、それはそれで価値があるでしょう。

さらに今回の注目は、OCNモバイルONEは契約と同時にスマホを購入すると、かなり安く購入することができるということでしょう。私自身もgoo SimsellerでOCNモバイルONEの契約紐付きのスマホの価格を見るたびに、安く買えて羨ましいと思っていたのですが、通話がほぼ5分以内で収まるような使い方をしている方なら、まずは今回の新プランに加入してスマホをゲットし、恐らくSIMフリーだと思うので頃合いを見て別のサービスの方が良ければ移ってスマホを使い続けるというのが賢い使い方ではないかと思っています。

それと、やはりドコモはdポイントでの決済を増やそうと思っているようで、今後OCNモバイルONEでは使った料金がdポイントの対象になるということもあるので、auPayではなくdポイント中心に使っているなら、その点についても有難いのではないでしょうか。この辺はdポイント・auPay・PayPayの中でどれを主に使うのかということもからんでくるでしょう。

ただ、こうなっていくと、数あるドコモの回線を利用してサービスを提供しているMVNOの中でも「ドコモのエコノミーMVNO」として連携していくのか、それとも独自の道を歩んでいくのかによってサービスの差が出てくるようだと、これはこれで公正取引委員会が動くような事にもなりかねず、今後の動きが気になります。具体的に言うと、ドコモ回線を使って格安な通話回線を出してきている日本通信はどうなっていくのかという事がありますね。その他、大手三社全てのSIMを用意しているMVNOでは、ドコモとだけ提携するようなことになると、他社回線を借りているサービスが割高に感じるようになれば、結果としてドコモがMVNOを囲い込みするような形になってしまいはしないかとも思えます。

とりあえずは今回の発表を見ると、スマホの料金を見直しさらにスマホ自体も安く買いたいという人にとっては今回のOCNモバイルONEの新プランはそれなりに魅力的なので、今後のgoo Simsellerでの端末販売価格を見ながら自分の欲しいスマホが安く売られたタイミングで加入するというのも十分ありですね。個人的には格安で回線を維持して使う選択肢が広がった事は良いことだと思いますが、初めてスマホを使う人が高速データを使い切ったらかなりのストレスになると思うので、全般的にドコモショップの負担は大きくなり、現場は疲弊しないかその点も心配だったりします。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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「ドコモのエコノミーMVNO」によるOCNモバイルONEなどとの連携は新プランは端末購入の踏み台になるか」への4件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    OCNはまだしもトーンモバイルも取り扱うと言うのは疑問に感じました。正直トーンモバイルはMVNOとしての評判は良くないです。
    一部の記事などからトーンモバイルは子供やシニア向けの見守りサービス「TONEファミリー」を提供していると言う事でこのサービスに特化するのではないかと考えて居ます。
    トーンモバイルを将来OCNが買収してOCN自体は先か後かはわからないが、NTTの完全子会社化する。子供の場合は成長に従ってOCNかキャリアに誘導すれば良い。
    NTTグループとしてはOCNと言うブランドがあるのでUQモバイルやワイモバイルのようなブランドを立ち上げる事は二重投資になるとも言える。
    NTTの接待問題で動きが悪いですが、元々OCNの完全子会社化も既定路線。
    玉石混淆のMVNOの淘汰は今後進むとは思います。買収して規模の利益を求めるか。売却して撤退するMVNOも多いとは思います。
    確かにドコモショップの現場(原場は変換ミスですね?)は疲弊する可能性は高いですね。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメント及び誤字の指摘もありがとうございます。

    今回のドコモの発表は、単にOCNモバイルONEを子会社的に扱うというのではなく、多くのMVNOを取り込んで様々なサービスをドコモショップで売ろうということなのかな? とも思ったりします。確かにトーンモバイルの品質というのはあまりいい話は聞きませんし、OCNモバイルONEの低速にしても3日間での二重制限があるので、電子マネーの決済には使えても、不満に思ってドコモショップに突撃するビギナーのユーザーによってお店は色々大変なことになるような気しかしません。

    もしかしたら、大手家電量販店のように、MVNOの社員を出向させてお店の業務にも携わらせるつもりなのか? という風にも思えてしまいます。そうなると社会の潮流とはまったく違うところでビジネスを行なう事にもなってしまう気がします。

    povoの方はスマホアプリからの申し込み及び問い合わせしかないので、こうしたNTTの対応とは対照的です。ユーザーとしては冷静にこうしたサービスを使い、SIMフリーのスマホを安くOCNモバイルONE加入時に購入し、しばらくしたらしれっと本当に使いたかったサービスへMNPするようなやり方が一番賢いと現状では思います。せめて550円プランに月間10分の無料通話でなく、3分以内定額くらいは付けた方が良かったのではと個人的には思います。

  3. T

    「OCNモバイルONE」の低速モードは複雑なようで、「低速(節約モード)での通信量が基本通信容量の半分を超えると、さらに通信速度を200kbps以下に制限する場合があります」とのことです。
    https://support.ntt.com/mobile-one/faq/detail/pid2300000nwc
    ネットの情報によると、60kbpsくらいに制限されるとか…。

    その代わり、12時台の通信速度などは、MNO並みに速いようです。

  4. てら 投稿作成者

    Tさん コメントありがとうございます。

    OCNモバイルONEの旧プランは200kbps近くで制限なく使えていたので、radikoや音楽をずっと流しながら使うことも可能でしたが、現在のプランでは速度は早いものの、低速でも使い過ぎるとpovo 2.0並の速度になってしまうというわけですね。

    ビギナーユーザーはアプリから高速と低速を切り替えて使うことはまずないでしょうから、0.5GBの高速分を使い切った後に速度が落ちたと思いつつ、それでも第一制限時でも動くサービスを使い続けていると、実用が難しいくらいさらに制限されてドコモショップへ直行しクレームという流れもありそうです。他人事とは言えドコモショップの方は色々大変でしょうね。

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