ドコモの発表を受けて対抗プランを出して来たのは日本通信だった

かつて、ソフトバンクは他社が自社より安いプランを出したら、対抗措置として新たなプランを出すことを明言していました。今回のドコモの「ahamo」の発表を受けて、特に同社のサブブランドであるワイモバイルのプランを狙って出したような感じを受けたので、ドコモの発表から丸一日間はソフトバンクがどう対応するか注目していたのですが、今回のドコモのプランに明らかな対抗プランを出してきたのはソフトバンクでなく日本のMVNOとしては老舗の日本通信の方でした。

新たなプランは12月10日からサービスをスタートするという「SSDプラン」(仮称)です。ドコモのプランとの違いは、日本通信はドコモから回線を借りている関係から、スピードや安定性(特にお昼休みや夜のゴールデンタイム)に一歩劣るのではないかということと、高速クーポンを使い切った場合の低速制限のスピードが最大200kbpsと従来通りのものになるだろうとか、大手キャリアと比べてしまっては身も蓋もない部分はあるものの、そうした事も含めての価格設定が魅力的なプランです。

12月10日からスタートする新プランの高速クーポンは基本プランで月16GBあり、月間にこの容量を越えてしまった場合には、追加で高速データ通信を利用することもできます(1GBあたり250円で16GBを越えた部分については最大30GBまで設定できます)。普通に使うなら月16GBで十分でしょうが、ドコモが「ahamo」のサービスを始めた時から最低のデータ容量が月20GBに増量することになるそうです。

さらに、プラン料金には月70分までの専用アプリを使わない無料通話分が付いており、ドコモのプランのように一通話5分という区切りはないため、頻繁に電話はしないものの、制限時間が気になってうまく電話ができないような事もなくなります。

料金は無料通話70分にデータ通信16GBがセットで税抜1,980円と、少し前に同じ日本通信が出した「Wスマートプラン」(無料通話70分に基本データ通信3GBまで)の税抜1,580円と比べると破格の安さでぶちこんできた印象です。

「ahamo」にはオプションを利用すると24時間無料通話が1,000円追加でできるので、オールマイティーではあるのですが、必要な時だけ電話をしたり、電話のつながりやすさということのみで考えるとドコモ回線を使っている日本通信の新プランでも音声通話の品質という点では遜色はないでしょう。

さらに、自宅にブロードバンドを契約していて、自宅ではモバイル通信を使わないなら、たとえ低速制限時のスピードがドコモの最大1Mbpsと比べて格段に遅い200kbpsであっても、まず問題はないでしょう。ドコモの場合は海外へ出掛ける方にとってもデータ通信が使えるメリットはあるものの、今回の新型コロナウィルスの関連で、まだすぐに海外に出掛けられる状況にはないと思いますし、コロナ後の社会になったらドコモのプランを考えるという風に動いてもいいのではないでしょうか。

今回、ここまで日本通信を持ち上げることに違和感を持たれる方もいるかも知れませんが、最初に書いた通り、まさに業界のモンスターであるドコモが満を持して出してきたプランにすぐに対抗プランを出してきたMVNOというのは心情的に応援したくなるという点は正直言ってあります。他の大手が手をこまねいている中で日本通信が先んじたという形ですが、他のMVNOも刺激を受けて新たなプランで攻めていくことで、自分からネットで自由にプランを渡り歩くことができる人たちの利便性は今後上がっていくのではないかと思います。ドラマの半沢直樹さながらに、大手に真っ向から戦いを挑んだMVNOの今後に注目しましょう。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す