新型コロナウィルス脅威の中パチンコ店の行列に並ぶ人の心理

兵庫県のパチンコ店が県から休業指示を受けたにも関わらず、営業を続けていることかネットニュースでは大きく報道されています。テレビでもそうしたお店に取材に行き、お店に集まった大勢のお客さんの様子を報道しています。

基本的に今の日本ではいくら休業指示を出されていたとしても、営業を止める権限まではなく、パチンコ店の関係者も生活していかなければならないので、強制的にお店の営業を差し止めようとする行動には違和感を感じないわけではありません(お店が営業を続けることを完全に否定しない点については後で自分の考えを書きます)。この問題はむしろ、開いているパチンコ店に押し寄せて一日の中の多くの時間をパチンコに興じる来店客の方に問題が多くあると思うのです。

現状では緊急事態宣言を全国に政府が出した中で、「不要不急以外の外出は控えよう」というところから、人間が生きていくためには必要な仕事についてはそれを継続させ、必ずしも人が生きていくためには必要ないのではないかと思える仕事については、人の出入りをできるだけ抑えようと考えた上での「休業指示」であるわけです。

ではパチンコ・パチスロを打つという行為は不要不急の行為であるのかということになるのですが、少なくともテレビでパチンコ店に行列を作っている映像を見て憤っている方は、パチンコ・パチスロを打ちに行く行為というのは不要不急の外出だなんて全く思っていないでしょう。

しかし、今の日本のパチンコというのは単なる遊戯ではなく、やり方によってはカジノのように一財産をすってしまう可能性のある賭け事と見ることもできます。世界各地のカジノでは深刻なギャンブル依存症についての問題が起こっていて、日本のパチンコに限ってもパチンコ依存症という病名の「心の病」である可能性のある人がいます。

ただ、パチンコ依存症は覚醒剤・麻薬中毒やアルコール依存症のように明らかな禁断症状が目に見えるわけではありません。現在のように普通の社会と違うような状況でなければ、パチンコが好きな人は毎日パチンコ店に通うにしても、極端にパチンコ・パチスロに投資をして借金問題を起こしているような人でなければ依存症と認知されることはなかったと思います。

今回の事が問題なのは、今までパチンコ依存症だとは思っていなかったような人でも、実は隠れた依存症ではなかったかと思えるからです。そもそも心の病というのは新型コロナウィルスのように他人に伝染するわけではないので、もしそれで一財産なくしても自業自得で済むところ、例えば自分のお金でなく家族や友人からお金を拝借してまで遊戯に興じることで、周りの人が困るから「病気」として名前が付いていると言えます(そういう意味ではアルコール依存症借金問題や暴力が出たところで病院に周辺の人が連れていくので、パチンコ依存症と似たような感じがあります)。

今回、冷静に考えると不特定多数の人が集まってただじっと遊戯する室内の場所にとどまるわけですから、もしその中に新型コロナウィルスの症状のない陽性患者が紛れていた場合、一気に他のお客さんや従業員に感染が広がる可能性があります。元々陰性の人であっても、パチンコ店からコロナウィルスをもらってきた場合、家族や仕事の同僚、さらに買い物に行った先のお店の人やお客さんにも撒き散らす可能性があり、その責任はとても個人で償えるものではありません。

そうした事がわかっているなら、パチンコ店はまず行列の間隔を開けて並ばせ、入店時には検温して一定以上の体温の人は入店禁止にすべきです。中に入る際にも当然全ての台に座らせることはせず、必要と言われている間隔を離して座らせ、打てる台の両側にはビニールシートをセットして出した玉もすぐにカウンターにかけ、玉をすぐ消毒して玉からの感染を防ぐことも必要でしょう。

そうなると恐らく集まった人全員を店内に入れることは不可能になるので、外国のスーパーのように用意した席が満席になったら入場制限をかけて誰かが出たら待っている人を一人入れる(その前に台の周辺を全て消毒することも必要になるでしょう)ようにできるなら、ここまでパチンコ店に非難は出てこないのではないでしょうか。もちろんそこまでとてもできないから営業を止めた方がいいと判断するのは自由です。

そのような営業ができるパチンコ店があったとして、入店できなかったお客さんが強引に店内に入ってこようとしたり、並んでいる人同士で小競り合いになったとしたらそうした人はほぼ「パチンコ依存症」と考えて間違いないでしょう。残念ながら現在の医療機関は新型コロナウィルス対策でギャンブル依存の患者を診るのは難しいかも知れませんが、それだけパチンコ依存症になっている人がいるということを私たちも考えるべきでしょう。

そうした人はパチンコ店から足を遠ざけてもインターネット上のカジノサイトにはまり、家族のお金を全て使いつくして問題になってくる可能性もあります。大切なのは、自分の周りにそこまでパチンコに依存するような人がいた場合、もはや言って直るようなものでなく、専門的な治療と自助努力が必要になりますので、「しょうがない人達がいる」と笑って見ているような問題ではないと周辺の人も意識することが大切になるでしょう。

しかしながら、この新型コロナウィルスの危機が去ったとしても、実際に日本にカジノができてしまった場合、さらに射幸心をあおるギャンブル依存症が生まれかねないわけですから、カジノができる予定の場所周辺では爆発的な感染が起こる可能性を考えておくことが必要になるでしょう。何事も適度に行ない、できないと言われてもストレスを溜めずに他の事で解消できるような生活を目指したいものです。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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