4Gまでの移動通信の進歩を辿る(1)画期的だったスカイメール

2020年は5Gのサービス開始により、世の中の様々な事が変わると言われています。実際、今までとどう変わるのかということは今後明らかになっていくと思いますが、ここでは改めて、これまでの世代の携帯電話はどのように進化してきたのかということを、私自身の体験に基づいて紹介していく中で、改めて現代の社会はどのように変わり、今後どういった方向に向かっていくのかということを考えていければと思います。

最初は、かなり古い話になりますが(^^;)、1970年の大阪で開催された万国博覧会で、当時の電電公社が展示して大きな話題になったのが今で言うコードレスフォンで、その当時は家の中だけでも線がつながっていない電話があるということが驚きだったように思います(当時は無料で全国に通話し放題だったことから大変な人気だったそうです)。しかしその技術が普通に利用できるには少々時間がかかったものの、電波を使って有線を省略できること自体が画期的であったことは確かです。その後、家庭用のコードレスフォンが普及する中でさらに広範囲を無線でカバーする自動車電話が登場します。

私たちが利用する携帯電話の第1号ということになると、日本で初めてショルダーフォンによる移動式の電話サービスが始まったのが1985年の事で、それまでの自動車電話を外に持ち出すことができるようになった事は、その後に登場した今から考えるとかなり大き目な「携帯電話」とともに主に日本国内を飛び回るビジネスマンには必携のツールとなっていきます。ただ、携帯電話を持つためには保証金も毎月の利用料金も高額だったので、その当時はまだ音声呼び出しだけのポケットベルを持たされてコールバックを公衆電話から行なうというのが通常の流れでした。

当時はまだ携帯電話を持たなくても、外にいて連絡を取るためには公衆電話はいたるところにあり、さらに小銭の用意やテレフォンカードの残高を気にしないで済むように、現在はありませんがクレジットカードを直接通して通話のできるNTT以外の電話会社が設置した電話があったりしました。また、緑やグレーのテレフォンカードが使える公衆電話限定ではありましたが、テレフォンカードの形状をしていて通話料金は自宅回線と同じタイミングで引き落とされるクレジット通話用のサービスに使える「カードC」(NTT)・「クレ・カード」(日本テレコム)という通話料後払いのサービスとポケットベル(NTT)を合わせて使うことで携帯電話の代わりとしてしばらく使っていました。

それまでの通話のみの携帯電話は第一世代(1G)でしたが、第二世代(2G)では通話の他にメールもできるようになりました。その当時は大手キャリアの中ではまだソフトバンクに買収される前のJ-PHONEのサービスだった「スカイメール」のサービスは、本格的にポケットベルのサービスを捨てさせるくらいのインパクトが有りました。

当時のポケットベルのサービスは、すでに音声による呼び出しだけでなく文字によるメッセージのやり取りもできるようになり、受信はポケットベル、送信は公衆電話というセットで通話しなくてもやり取りは可能で、その便利さで中高生に爆発的に普及しました。しかし私の中では、当時から全国を旅している中で、一つの不便さというものを感じていました。ポケットベルのエリアは広く、全国をカバーしていたのですが、関東・中部・関西のように地域をまたいで移動する場合には、メッセージを送信するエリアの変更を行なわないとポケットベルでメッセージを受信できない「圏外」表示になってしまうのです。自分の住むエリアだけで使っている分にはいいのですが、日本全国どこに行ってもポケベルでメッセージを受けるためには、移動してエリアをまたぐたびに設定変更(NTTのセンターに電話して行なう)が必要で、そのために公衆電話を見付けるのはめんどくさくなったわけです。

エリア変更の手続きが必要なく、さらに文字によるメッセージのやり取りができるものとして次に注目したのが私の場合「スカイメール」だったのでした。基本的には今も使われている「ショートメール」のサービスなのですが、Eメールのアドレスとしても使えるキャリアメールである「ロングメール」に送られたメッセージの表題および本文を半角128文字または全角64文字までなら無料でショートメールによる受信が可能であったのです(自動受信可能)。

無料分の限られた文字数のメールの続きを見たい場合にはキャリアメールであるロングメールの受信操作が必要で、それには追加料金がかかったのですが、「誰から」「いつ」「どんな感じの」メールが来たのかはリアルタイムでわかったので、当時パソコンで使っていたメールに届いたメールをJ-PHONEのキャリアメールに転送することで、全国のエリアでパソコン用の電子メールの着信通知用のような利用もできるようになりました。

これはかなり大きなモバイル通信上の変化で、まだ公衆無線LANもないような時代に全国をまたいで旅をしても、携帯電話を持っていてアンテナが立っている所なら、通話をほとんどしなくてもキャリアメールおよびパソコンメールの到着がわかるメール専用機のように活用することが可能になったのです。メールで連絡をもらってどうしてもすぐに連絡をしたい場合には電話をしてもいいですが、相手も携帯電話を持っていれば送信料の安いショートメールで返信するということもできたので、これでポケベルの出番は減っていくことになりました。世の中の流れとしても、時代とともに携帯電話の毎月の利用料金も安くなり、高額な保証金もなく、端末自体も0円での販売が当たり前になったことで一気に第二世代の携帯電話が普及していきました。そして、この第二世代の携帯電話ではもう一つ革命的な変化が起こったのです。(長くなったので次回に続きます(^^;))


カテゴリー: モバイル関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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