英語の学習と活用には様々なアプローチがあっていい

国会で大学入試の際に英語の民間試験を受けるようにする方針をどうするのかで揉めています。今回の流れというのは、いわゆる学校の授業から試験に出る英語では実戦的な英語力が付かないという答申があってのものなのですが、最近のテクノロジーの進化を見ると、そこまでして民間試験を導入しなくてもいいのではないかと、政治とは全く関係ない観点から思います。

というのも、今現在様々な企業サービスの窓口で日本語だけでない多言語対応が必要とされるものの、残念ながら英語をしゃべることができる人材が全国的に十分に行き渡っていないのは事実です。さらに言うと、こうした実践の場で必要なのは英語だけではないという事実です。

そもそも、英語だけを勉強していれば世界のどこに行っても自分の意志が伝えられるかと言えば全くそんな事はありません。中国へ行って英語で話したとしても都市でならまだしも地方に行けば全く伝わらないでしょう。むしろ日本語の書く力があるなら、漢字を使った筆談を利用した方がはるかに自分の言いたい事を伝えることができるでしょう。

英語以外の母国語を持つ国についても同様で、その言語の専門家になると言うなら別ですが、旅行で訪れる際にまるまるその国の言葉を使えるようにスキルを上げなければならないとなると、旅行すら難しくなってしまいます。

それこそ、「地球の歩き方」のようなガイドブックにある施設や乗り物、ホテルを利用する際に必要なフレーズを本を開きながらでも行なっていた方は多いでしょう。現在はそうした事よりも遥かに高度な事が、「自動翻訳機」を利用することで可能になります。先日、とある企業の窓口に自動翻訳機の一つである「ポケトーク」が設置されているのを見たことがありました。これだと細かな会話でも相手の母国語を使ってやり取りが可能になるので、ポケトークを使う人にとっては外国語を覚えるというよりもハードの使い方を理解するだけで外国人観光客相手の多言語対応が可能になるということになります。

差し迫った東京オリンピックにやってくる外国人とのコミュニケーションについては、このような専用の自動翻訳機や、スマホの翻訳アプリを利用することで何とかなる部分もあるのではないでしょうか。さらに、友人になった場合には、メッセージアプリを利用してお互いのメッセージをそれぞれの母国語に翻訳するシステムを搭載すれば(すでにLINEでは英語・中国語・韓国語に翻訳するシステムがあります)、リアルタイムでのメッセージ交換で日本語で送信したものが自動的に英語などに翻訳されて相手に届くようにもできます。

さらにこうした翻訳技術が進み、さらに5Gの圧倒的な高速通信が当り前になれば、いちいちポケトークを介してコミュニケーションしなくても、直接電話で話した内容が翻訳されて自動同時通訳状態にできるかも知れません。もちろん、大学で本格的に言語を学ぶことがダメということではなく、必要に応じて最先端の技術に頼ってコミュニケーションを取れるなら、大学の受験をする人全員に英語力を求めなくてもいいのではと考えるのはおかしいでしょうか。

ちなみに、私の場合は今も英語は流暢に喋ることはできませんが、それでも単語やお決まりのフレーズが頭に残っているのは、当時「洋楽」と言われた音楽の力によることは大きいと思います。まだカラオケもない時代にヒットしていた洋楽は何を歌っているのか知りたいということと、さらに自分でも歌いたいということで覚えた記憶は今も残っているので、そうしたフレーズを手掛りにしてコミュニケーションを取ったこともあります。それこそ、昔の安宿だったユースホステルは外国人旅行者も多く利用しており、そこでの交流は主に英語でということになりますので、そこで出会った人との話の中で世界的にヒットしている歌を双方で知っていれば、それだけでコミュニケーションが取れてしまうわけです。

そこには、政府が介在する余地はないわけなので、何が何でも学校や試験のカリキュラムの中で英語力を上げるという考え方もちょっと違うのではないかという気がします。現代はインターネットを使って自分の興味ある分野を調べることも簡単にできるので、学校の授業に加えて自分の興味あるところで英語を勉強して力を付けるのもいいのではないでしょうか。


カテゴリー: モバイル関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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