スマホでニュースサイトを毎日見るような生活が当り前になる中、昔のようにニュースを見たり聞いたりするメディアが新聞・ラジオ・テレビだけに限らなくなったということで、テレビで出てきた情報番組の内容についてクレームが入ることも珍しくなくなってきました。
そんな中、2019年8月13日にTBS系列で放送された「この差って何ですか?」で放送された内容について、その一部がかなり押しつけがましい常識ではないかという事が話題になっています。
その内容というのは、お盆のお墓参りについての常識ということで「(お墓の)上から水をかける」「たわしで磨く」という行為に☓印が付き、あたかもこうしたことをしない事が常識というように番組に出演した日蓮宗の僧侶の方が解説していました。
個人的には、テレビに出演された僧侶の方が、その宗派であるとかご自身のお寺でそのようにお願いするということについては問題ないと思うのですが、この内容をテレビで手短に伝える中で、その内容が十分に伝わっていないのではないかというところが気になりました。
というのも、テレビはスピーディーに物事を伝え、見る人の興味を引き付けておくためにそれなりにびっくりするような事をテーマとして出すことがスポンサーを持つテレビ番組にとっては至上命題で、今回のようにネットで取り上げられたりすることがあれば、してやったりという感じなのだと思います。しかし、だからと言って単に「お墓の上から水をかけてはいけない」ということを常識のように放送するということが、ネットを見られないでテレビの中だけで完結するような人にとってそのまま常識化してしまう可能性があります。そして、本当は「絶対墓の上から水を掛けてはいけない」とテレビでは言っているわけではないのですが、テレビではわかりやすくするために文字などを使って結果だけを大きく出してしまうようなことになるため、その印象が固まってしまうことになってしまうのが厄介です。
お墓参りをしばらく行なっていない状況の方が出掛けた場合、墓石の表面だけでなく字が彫られた中まで相当汚れてしまっていた場合は、やはり墓石に水を掛けて洗ってからお参りをしたいですし、使い終わった歯ブラシなどを使って彫った文字の中まできれいにしたいものです。ちなみに、私の家のお墓があるお寺では、墓地の中にたわしも用意されているので、恐らくテレビに出ていた日蓮宗とは宗派も違うのだろうと推測できます。もっとも、テレビに出演されていた僧侶の方も、ゴミやコケが付いていて、文字も判別できない墓石を洗うなとは言わないと思いますし、今回のテレビで出た内容についてはあくまで地方での違いもあり、作法についての考え方のうちの一つであるときちんと断わって出せばよかったのではないかと思います。
もし、今回制作にあたったTBSが炎上商法のような形を狙って今回の番組を作ったのならば、もう少し考えていただきたいですし、たまたまそこまで考えが及ばなかったというなら、きちんとしたフォローをお願いしたいところです。
ちなみに、上記のブログにも書いたのですが過去には違うテレビ局で、今回の事例よりひどいと思われる「もはや常識ではなく逆にやってはいけないのではないか?」と思われる過去の常識をそのまま放送していたこともあったので、個人的にそこまでテレビのバラエティで出されている「常識」についてはそのまま信じるということはないのですが、過去には常識を教えてくれたテレビの姿がよどんでいるような感じを受けてしまうので、その点は大変残念です。