月別アーカイブ: 2011年3月

手回しラジオの問題点と太陽電池ラジオの可能性

昨日の内容の最後にジャンク扱いで売っていた太陽電池ラジオのついて紹介しましたが、正直なところ、内蔵の電池の劣化だけでなく、作りもかなり雑だという事で音すら鳴らないだろうと思っていました。

念のため写真のように車のフロントガラスの所に放置しておいたのですが、日の出から夕方までこのままにしておいたところ、AM・FMともちゃんとスピーカーから音が出るではありませんか。とりあえずAM局を2時間半連続で小さめですがスピーカーから音を出して聞くことができ、まだ余力がある感じでした。ただ、本体の作りがかなり荒いのと、買ったもの全てがこのように動くとは思えないので、被災地援助用にはならないと思いますが。ちなみに、このラジオはマルツ電波の店頭で売られていたものです。ジャンク扱いという事で、全く音が出なくても文句を言えませんので、その点にもご注意下さい。このラジオの詳しい内容については、マルツパーツ館のブログで改造方法に至るまで紹介されていますので、興味のある方はどうぞ。

http://marutsuparts.blog74.fc2.com/blog-entry-482.html

地震が起こるまでは太陽電池で動くラジオなど全く興味の外だったのは事実です。しかし、車中泊の旅で走行中にシガーソケットから取れる電力には限りがあるため、ダッシュボードの所に放置しておくだけでも充電でき、夜に十分使えるポテンシャルを秘めたこうしたラジオは、災害だけでなく車中泊向きとも言えます。今売られている災害用ラジオはほとんどが手回しハンドルでダイナモを回し充電するタイプですが、それは携帯電話の充電も視野に入れてのものでしょう。

前にも紹介したSONYの災害用ラジオは全部入りで確かに色々と役に立ちそうではありますが、ハンドルの作りが弱いのが気になります。あまり力を入れて回しすぎると、ハンドルそのものが折れてしまいそうなのですね。ハンドルが折れてしまえば、折角のダイナモも使いものにならなくなってしまいます。更に、体力も気力も萎えるような状況の中、延々とハンドルを回し続けるのはなかなかの重労働です。ご高齢の方の災害用ラジオとして、ハンドルを回さなくても充電できる太陽電池を使ったラジオ(もちろん乾電池やACアダブタでも動く)を国内メーカーは出してくれないものでしょうか。

http://www.violetta.com/japanese/seihin/seihin_vs01.html

現状で太陽電池を使ってラジオを聞く方法としては、いろいろと調べたところ、上記リンクにある太陽電池から専用のニッケル水素電池を充電できる太陽工房の『バイオレッタ ソーラーギアVS01』を用意するのが一番手軽だと思います。ただ同時に消費電力の少ない、単三電池2本で動くラジオ(例えば、単三を単一電池を使うものでも使えるようにスペーサーを導入し、SONYの野外作業用ラジオICR-S71を動かす感じなら十分実用になりそうではあります)を用意するなど結構手間がかかります。やはり、一つのラジオで済むにこした事はありません。

今回の災害が起こるまでは、radikoを通じてインターネット経由で放送を楽しむ人たちが増えたとは言っても、ラジオそのものは新しい機種が出なくなり、それだけではなく既存の機種も廃番になるなど、一部の人たちにとっては終わったメディアだと思われていたかも知れません。なぜ多くのラジオが消えたかというと、地上波デジタルの推進と関係があります。お手持ちのラジオがあれば確認していただきたいのですが、FMワイドバンドの周波数の横にアナログテレビの1ch2ch3chの表示があるものがあります。アナログ波が停波されるのに伴い、こうした表記を残したまま販売を続けるのはおかしいという事で、メーカーは既存のラジオの整理を行なったのだと私は見ています。災害に必要だとはわかっていても、災害時に被災者へ届ける分だけ確保できればいいとたかをくくっていたのではないかとすら思います。

今回の事で直接震災に見舞われなかった地域でも、電力の不足という理由でラジオ以外に情報収集できる手段がなくなってしまう事が実にしみてわかったのではないかと思います。この状況を受けて、国内のメーカーには改めて多くのラジオを出して欲しいですし、その中で災害用ラジオとして、太陽電池を使ったタイプのものをぜひ出していただきたいと思っています。


サンワサプライ BTN-DC2BK

地震でさまざまな物流が止まる中、今週になって以前から注文を出していた単三乾電池4本使用のUSB出力ポータブルバッテリーBTN-DC2BK(黒)が届きました。普通に売っている乾電池使用のUSB出力ポータブルバッテリーでは携帯電話の充電はできても、スマートフォンの充電ができないものが多いので、その対策として震災前に注文したところ、発送が遅れて到着という事になってしまいました。

改めてお断りしておきますが、現在アルカリ電池が極端に品不足となっており、この製品はアルカリ電池が使えるものの、今のところアルカリ電池で運用するつもりは全くありません。しかし、アルカリ電池でも1000mA(Max)という出力が可能なので、携帯電話の急速充電および、スマートフォンの充電を停電時であっても電池さえあればできる事で、被災地において電池の供給がスムーズに行なわれる状況であれば、いざという時の役に立つのではないかと思われます。ちなみに、私は充電式のニッケル水素電池で使う事を前提にして購入しました。

使い方は、本体下にあるフタを開け、縦に単三電池を4本入れます。フタの部分は勢い良く外すと飛んで行ってしまうので、特に開ける際には注意する事が必要です。本体にはスライド式のスイッチがあり、使用可能の場合には写真のように青いランプが付きます。本体にはUSBケーブルは一切付属しませんので、自分でケーブルを用意する必要がありますが、携帯電話用や、ゲーム機用なら100円ショップで十分揃いますし、スマートフォン用にもUSB充電用のケーブルは多く販売されていますので、各自必要な分だけ入手してください。

個人的な動作実績として、日本通信のIDEOSはもちろん、Galaxy Tabでも以前紹介したUSB充電アダプタとの併用で、きちんと充電する事ができました。Galaxy Tabは小さなパソコンのように使えるという事を考えると、普通の電池で充電できるというのはこの上ないメリットだと思います。車での移動にあたってシガーソケットからニッケル水素電池の充電ができる環境が整えば、サブバッテリーシステムを組まなくとも、旅行中くらいなら何とかなるような気もします。ただ、高容量の単三電池の充電はどうしても2~3時間かかってしまいますので、電池を使うグッズを全て単三用にまとめずに、ライトやラジオには比較的容量の少ない単四電池で使えるものも併用して導入する事で、単三電池を携帯電話やスマートフォン充電専用にするなどして、最悪の場合でも使えるようにするのも一つの手かも知れません。

昨日は思い切りジャンク品の太陽電池付きラジオなるものを購入してきましたが、内蔵の充電池が駄目そうなので、あまり実用的なものとは言えないようです。太陽電池で家電製品を動かすのは無理としても、単三単四のニッケル水素電池を充電できるようなシステムが組めれば、こうした外部電源ボックスとの相互使用で、さらに災害にも強くなりそうです。現状ではあくまでも被災地の方優先でという事で、すぐにというわけにはいかないと思いますが、今後はいろいろと試行錯誤しながら、できるだけコンパクトにシステムが組めればと思います。


改めて携帯電話について考える

 このブログではさまざまなスマートフォンについて紹介とともにその便利さについても言及してきましたが、便利さを追求するあまり失うものも少なからずあるということを今回の地震に伴う状況の変化によって感じているところです。

 このブログで話題にしている車中泊の旅というのは、ある意味で言えば擬似キャンプ体験のようなものでした。常に燃料が用意され、いざという時にはコンビニに飛び込めば電池や食料も購入でき、トイレについてもあるところまで移動すれば心配ない状況の中で行動できることが前提とされています。それが、燃料がなくなり車からインバーターなどを使って家電製品を使えず、電池も全て売り切れという状況の中、それでも外界との連絡を取らなくてはならない状況についてなどさまざまな事を考えた場合、スマートフォンよりも普通の携帯電話の方が災害に強いと言えるでしょう。

 というのも、各社携帯電話を充電するものというのは、通常のACアダプタ以外にも、外付バッテリータイプは言うに及ばず、乾電池を使用するもの、手回し発電による充電を行なえるものなど、かなりの範囲で製品が出ています。充電用のコネクタが汎用であることから、100円ショップですら一通り充電用の道具を揃えられるのに対して、スマートフォンはmicroUSBコネクタであることが多く、新たに旅先で用意することすら難しいと言わざるを得ません。また、外部バッテリーについても、充電に必要な電流が普通の携帯電話より大きいものが必要になるなどして、それなりの用意が必要です。もちろん、しっかりと準備してから出掛ければスマートフォンのみの運用で問題が出るとは思いませんが、スマートフォンというのは全く通話していなくても、どうしても電池を消費しがちになるという点を見逃してはいけません。いざという時のために複数の会社で2回線契約することでいざという時のバックアップとしてはいいですが、料金負担がその分増えてしまいます。携帯電話の契約を一つにまとめるにしても、SIMカードを差し替えることによって同じ会社の携帯電話とスマートフォンなら両方使い分けることも可能になりますので、極力スペアとして普通の携帯電話が使えるペアリング体勢を作っておくというのも、これから車中泊の旅に出る方だけでなく、災害時の事を考えた時においてもいいのではないかと思います。

 ここからは私見になりますが、今まで、都市鉱山という風に言いながら、機種変更をした際手元に残った携帯電話についてエコの観点から販売店に返却し、解体し資源として活用するという流れがありました。しかし、SIMカードを差し替えれば自分だけでなく他に必要としている人があれば(故障や水没などで高いお金を出して買い換えなければならない状況に追い込まれる人たちは意外と多いように思います)そういう人たちに使ってもらえるのが今の携帯電話であることは疑いがありません。まさしく、今回の震災で津波に飲み込まれ、携帯電話が故障した人たちについて、個人の善意で救済ができる可能性があるわけです。SIMカードはありながら自分の電話が水没したり落下により壊れてしまい着信も発信もできない人がいたら、そうした人たちに使い古しでも良ければ日々の連絡用として自分の携帯電話を使ってもらいたいという人も多いはずです。携帯電話会社にはそうした援助の仕方についても考えてほしいと思っています。

 ただその場合残念なのは、情報を入手する事がなかなかできないような人たちに中古のワンセグ携帯を配布するような事はできないということです。来年廃止になる2Gと呼ばれた前世代の携帯電話(SIMカード差し替え可)では、テレビ付きのモデルについて、SIMカードを抜いたとしてもテレビを含む他の機能が問題なく利用できたのに対し、今の3GではSIMカードを抜いてしまったらテレビはおろか他の機能(音楽プレーヤーやカメラ、電話帳閲覧や電卓などいろいろ)さえも全く使えなくなってしまうのです。

 ここでも何回も話題にしてきましたが、被災地にラジオは必要だということはありながら、今新しくラジオを購入することは罹災していない私の近所でも不可能に近いです。となると、多少は都市機能が戻っているとはいえ、震災で被害を受けたところでは入手が限りなく無理ということだと思われます。しかし、今まであまたの数販売されてきたワンセグ携帯がSIMカード不用でテレビが見られるということになれば、ワンセグ機能付きの機種のみに限って支援物資として被災地に配ることで、それまで全く情報が入らなかった人たちにも情報の窓口を持ってもらえるということになります。全国規模で考えれば、今多くの家庭に眠っているワンセグ携帯の数はかなりのものになるであろうと予測されます。これも一旦携帯電話会社で集め、ダミーのSIMカードを挿入した状況でワンセグが見られ、電卓などのアクセサリが使えるようにした携帯電話が作れるような事はできないのでしょうか。ソフトバンクのプリペイドSIMが有効になれば携帯電話の機能は使えるようになるので、こうした方法も不可能ではないように思えるのですが、これらの方法はどちらもお金をかけずに直接困った人たちのためになる事だろうと思いますので、関係者の方々にはぜひ考慮をお願いしたいところです。


緊急地震速報について

テレビ・ラジオで情報を入手している被災地の方だけでなく、日本中でテレビを見ている人たちの多くは、緊急地震速報のチャイム音に恐れおののいているだろうと思います。特に、私のいる静岡や長野・新潟周辺の方でも大きな地震がありましたから、その点でも精神的に良くない事は確かです。

しかも、恐ろしがらせるだけ恐ろしがらせておいて、地震そのものが来ない時もあるという事ですから、あえて流さなくてもいいのではないかと思う方がいても不思議ではありません。

私の場合、今回の一連の地震ではありませんが、昨年八月の早朝に静岡中部を襲った震度5の地震では、飛び起きて階下へ下り、しばらくしてから緊急地震速報のチャイムが鳴ったという経験があります。全ての場合で正確なものでは必ずしもないのが週刊誌でも批判を受けているこの速報は、果たして多くの人たちの役に立っているのでしょうか。

大きな揺れが来る前に一報があるという事は、ちょっとの間身構える時間的余裕が生まれるという事でもあります。地震ではありませんが自動車事故における衝撃について考えてみると、事前にしっかり身構えてぶつかるのと、全く油断していてぶつかるのとでは、特にムチ打ちの場合体へのダメージはかなり異なります。地震の場合は上から物が落ちて来たり、家具が倒れて来たりする可能性があるわけですが、その際、自分の手やクッションなどで頭を保護する事で自分の身を守る事ができるようになります。

すでにチャイム音が精神的トラウマになっている方もいるかも知れませんが、自宅でくつろいでいる際には身の回りに座布団やクッションを置いておき、条件反射的に頭を守るように日々の生活の中で訓練するような感じで考えてみられたらいかがでしょうか。何よりも、こうした情報は、私たちの生命を守るためのものなのですから。


今は無理でも後で揃えたいもの

 

東京の秋葉原でも懐中電灯と単一、単二電のアルカリ電池が売り切れたという事ですが、懐中電灯はともかく、何故アルカリ電池なのか個人的には理解しがたいところです。東京は被災地ではあるものの、時間が区切られた停電であり、何もアルカリ電池を使わなくても充電式のニッケル水素電池(単三、場合によっては単四)を使い回しすればいい話だからです。手持ちの懐中電灯が単一や単二を使用するものであっても、写真のような単三電池にかぶせて使うスペーサーを用意しておけば済む話です。停電の時に使えるように毎日充電すれば、それ以上の電池は必要ない事は明らかでしょう。現在ではこうしたものも手に入りにくくなっているようですが、現在直接地震の被害がない方については、手に入りやすくなった時点で手に入れればいいと思います。とにかく今は、品物がないからといって、本来なら被災地で使われるべき一次電池のアルカリ電池や、今回紹介した品物を今の時点でを買い漁るような事はしないようにお願いしつつ、自分が直接罹災した時のための停電克服グッズについて考えてみようと思います。

今回の電池消失騒ぎは、今回以降の震災でも引き続いて起こるような気がしています。電池はともかく、明かりとラジオ、携帯電話充電グッズは事前に用意しておけばまずはあわてずに済みます。まずは、以上に挙げた全ての機能が入った防災ラジオを手に入れましょう。例えば、

・ソニー ICF-B02
・東芝 TY-JR10-W

のようなものです。手回しで発電でき、ラジオだけでなくライトや携帯電話充電ができるのがポイントではありますが、単四電池2本で携帯電話の充電以外の機能が使えるというのも大きなポイントです。今回の震災では、電池は単一、単二がすぐになくなり、単三も数える程という状態ですが、単四電池は残っていたりします。普段使いのものは単三電池の利用が便利ではありますが、アルカリ電池を使用する前提では単四電池を使えるものも並行して揃えておくと、充電した手持ちの電池が切れた時の頼みの綱になります。

また、LEDを使った単四電池使用のランタンおよびLEDライトも購入候補に入れておきましょう。

・GENTOS EX-547SR(単四×3本タイプ)
・OSRAM DOT-it

電池の事でいうと、リチウム電池を使ったヘッドランプの製品も、人の買わない電池を使っているという事で、主要な電池が全て売り切れたような場合でも電池を購入できる可能性はあると言えます。ただ、くれぐれも今すぐ購入しようと思わないでいただければ幸いです。今被災地ではそれこそ生命にかかわるほどの物不足が現実のものとなっています。ひととおり支援物資が被災地の方々に行き渡った時点でこうした事について考えてみてください。


不安が現実に

東北で地震があって、こちら静岡にも近いうちに来るのではないかと密かに思っていたのですが、案の定というか昨夜大きな揺れがありました。全く一連の地震とは関係ないところで起きたようですが、その直前に福島県沖でこちらにまで感じるような揺れがあり、その直後に襲ってきました。東北の地震で誘発されたものであったのかも知れません(その後、今回の地震は東海地震とは関係ないということが気象庁から発表されました)。

長野県北部でも大きな揺れがありましたが、今回の一連の地震はあまりに大きいエネルギーの放出により、周辺にもかなり影響が出ているのかも知れませんね。

とりあえず底の厚いサンダルを履いたまま、家中の戸を開けて外に出たのですが、常にラジオを持った状態で情報を聞きながら動いていました。その結果、震源は内陸部ということで津波の心配はないということがわかり多少ほっとしつつも、富士宮市で震度6強ということで、自宅周辺はどのくらいかということについての情報はラジオからはすぐには取れず、揺れが収まった状況でインターネットから調べて震度4だとわかりました。はからずも3月11日の地震の震度と同じくらいだったわけですが、体感では震度5以上という感じもしました。

とりあえずこれを書いている現在、大きな余震もなく単発の地震のような感じではありますが、東北の方々はこのような揺れが日常的に起こっていると思うと、改めて大変な災害であるとの思いを強くします。原子力発電所の状況もあるので、すぐに助けに行けないもどかしさを感じてもいます。まずは自分の身の回りの安全を確足しなければならないのはもちろんですが、もう一度自分で何ができるのかじっくりと考えてみたいと思っています。今後も東北だけでなく、さまざまな場所で地震があるかも知れません。十分に気を付けてお過ごし下さい。


被災地に対してできること

昨日のエントリーで紹介した物について、何やら被災地でないところでも手に入りづらくなっているようです。今、そうした物が必要なのは現実に被災されている方のはずで、実際に来るかわからない災害に対してやみくもに使うかわからないものを購入している人が全国的にいるということなのでしょうね。私のいる静岡県は、その一部が計画停電の区域に組み込まれているということで、どうしても停電用の品を使わなければならない人が多いということもあってか、軒並み電池やカセットボンベなどが店頭から消えているとのこと。ついでにトイレットペーパーやティッシュなどもどんどん買われているという話もあります。知り合いに本日早速停電が行なわれた富士市在住の方がいて、なかなか物が手に入らないということで嘆いておりましたが、本来は計画停電も被災地のために行なわれる事なので、現在被災していない地方の方は、現状で一体何ができるのかを考える必要があるのではないでしょうか。

被災地に何か援助をしたいと思っても、道路自体がつながっていない状況もあり、宅配便や小包も送れない状況にありますので、ある程度のめどが立つまでは、募金に協力するくらいがやれるせいぜいの事だろうと思います。避難所では足りないものを具体的に挙げている所もありますが、その呼び掛けに応じて物を送る動きがあちこちで起こると、必要以上に物が集まってしまい、その処理に困るような事例も阪神淡路大震災の時にはありました。差し当たって、自らの生活を改める事で、問接的な援助になると考える事にします。

車中泊の旅をするにあたり、少ない電池を効率よく使うために私が心掛けている事は、できるだけ使用時間を少なくするための時間的な工夫です。旅の時間を有効に使うためには、できるだけ朝早くから行動を開始すれば結果として夜の明かりを使う時間は最少限で済みます。幸にしてこれからの時期、日はどんどん長くなっていきます。今まで夜にやってきた事を朝早く起きてやるだけでも夜の明かりの使用頻度を減らす事ができるというわけですね。

また、被災地では道路や燃料も緊急車両優先という事で、一般車はなかなか給油ができないという状況だそうです。そんな中、ガソリンをわれ先にと買い急ぐというのは、私にはちょっとできそうにないです。もちろん、車を動かせない事によっての不便はありますが、地域的な事もあり、自転車や原付バイクで代用できるところは代用して、いくらかでも被災地に回っていくように色々な事を我慢する事がこれから必要になっていくだろうと思っています。何といっても、実際に被害に遭われた方が一番大変なのですから、この悲しみや苦しみを分かち合う覚悟を決める事が大事なのではないかと思っています。


停電に備える

地震の影響は被災地だけではなく、周辺地域でも一定時間停電しなければらなないほど深刻になってきました。日頃の生活の中での節電はもちろん、たとえそれが数時間であっても、電気のない生活をどうするのかということを真剣に考えなくてはいけなくなりました。

このブログでは車中泊の旅において、家庭用の電気製品が使えないことを前提にしたさまざまなグッズについて紹介してきましたが、改めてそうしたものについてまとめてみたいと思います。

停電することによってまず困るのが明かりですが、少ない電力で長時間使えるのは、懐中電灯よりもLED電球を使用したランタンが便利です。被災地ではロウソクを明かりとして使っている状況がありましたが、何かの拍子でひっくり返した場合の事を考えると、暖を取るためにはいいかも知れませんが、使う場所を考えることが必要だと思います。私が今使っているのはGENTOSのEX-757MSですが、これはワンタッチで懐中電灯にもなるランタンなので、応用範囲が広く、電池も単三4本で動くので、比較的手に入りやすいのがポイントです。使用する電池を統一するというのは意外に重要で、これから紹介するものについても同様に単三電池を使うものを導入するか、100円ショップなどで単一、単二を使う製品を単三で使えるスペーサーをあらかじめ導入しておくようにすれば、電池の使い回しができて便利です。

長時間停電した場合、じわじわ効いてくるのが冷蔵庫の中の食品の保存でしょう。停電ではありませんが、以前自宅で冷蔵庫の調子が悪くなった際は非常に不便をしました。冷凍庫には保冷材を常備し、いざという時にはクーラーボックスに中味を移すことで、短時間の停電に対応することができます。クーラーボックスと一口に言ってもさまざまな種類がありますが、ハードタイプとソフトタイプの両方を用意しておくことで容量は倍になりますので、食料の確保という意味でも準備しておいて邪魔になるものではありません。

停電により不足するものは物質的なものだけではなく、情報をどうして手に入れるかということも大事になります。携帯電話のワンセグで情報を入手するのが通信費もかからずにおすすめだとは言いながらも、携帯電話ではインターネット接続や音声通話などさまざまな事に使うため、ワンセグをつけっぱなしにすると電池の持ちが不安になるでしょう。携帯電話用として、単三電池を使った充電器を用意することで、連絡手段を確保することができます。また、災害用に作られた手回し発電式ラジオの中には携帯電話を充電できるタイプのものがあります。前日も書きましたが、手回しでの充電は大変で実用にはならないかも知れませんが、多少でも充電できれば携帯電話の機能を使い続けられる可能性は残りますので、必要に応じて用意しましょう。ラジオについては手回しのものだけでもいいとは思いますが、ずっとつけておくには電池が併用できるものを選ぶか、電池式のものを別に用意することも重要です。普通のニュースを聞きながら安否情報もチェックしたいような場合や、コミュニティFMのより細かい情報もチェックしたいような場合など、複数合った方がより多くの情報を入手できます。

こうした電池を使った製品を動かすため、日頃から充電式の電池を用意しておくことも短時間の停電には役に立ちます。停電前に手持ちの充電池を充電し、いざという時の電池切れに対応させておきましょう。今売っているエネループやエボルタは、満充電しておけばしばらくの間は高電圧をキープする設計になっているので、以前の充電池のようにいざ使おうと思ったら電圧が下がって使いものにならなくなったということは減ってきています。大事なのは、こうした準備とともに、日常の生活でも乾電池を使った機器を使っていることだと思います。いざという時だけ使うようにするのでは、その時にアタフタして結局使えなくなってしまうような事も考えられます。電気が通っている時でもあえてそうした電池式のものを使うことで節電することもできますので、特に今回の地震で直接的な被害を受けなかった地域の方についても、必要に応じて準備してみてください。


日本通信IDEOS その16 携帯電話がつながらない時には

一夜明け、被害の大きさがわかってくるにつけ、家族や親戚、友人の安否が心配になってきます。改めて罹災された方について御見舞い申し上げるとともに、多くの方の連絡が付く事を願って止みません。原子力発電所の状況についても、今後の復興支援に影響を与えるものだけに、政府には適切な対応をお願いしたいと切に思っています。

震源地に近い東北地方だけでなく、関東地方でも相当混乱しているようで、携帯電話がつながらない状態が多く報告されているようです。音声通話はだめでもメールやネットなら比較的つながりやすいとは言っても、連絡しようとする先がインターネットもメールも使えないとなると、何とかして電話を掛ける必要が出て来るわけです。

あくまでネット上の口コミを参考に情報を見ていたところ、基地局が動いている地域では比較的ウィルコムがつながりやすいようです。ただこれも、たまたま回線に影響がない状態でのものであるので、ウィルコムは災害に強いとは必ずしも言えないという事に注意が必要です。

NTTは公衆電話を無料にしているようですが、それこそ携帯電話が増加したために公衆電話を整理し、減らしてきたという事もあるので、だれでもすぐに使えるわけではありません。

そんな中、IDEOSのIP電話はどうなのでしょうか。IP電話といっても、NTTdocomo網の回線を使うわけなので、docomoの携帯電話が通じなければIP電話もつながらないのではないかと思いがちです。しかし、音声電話が通じない場合でもメールやインターネットならつながる場合もあるという事になると、ある程度の期待は持てるかも知れません。

これもネットからの口コミ情報で恐縮ですが、東京でdocomoの携帯電話がつながらない状態でも通話できたという話もあります。基地局自体が使えなくなればIP電話も無理ですが、ここで大切なのは、一つの方法で駄目でも次の方法をというように、日頃から複数の方法を用意しておくことではないかと思います。

私の場合、日本通信のIP電話は自動チャージをしないで塩漬けのようにしようと思っているのですが、非常時となりIP電話を使うためにはIDEOSでネットに接続し、手動のチャージをする必要があります。手動チャージができればIP電話も掛けられるという事になるので、とりあえず維持しておくのもありなのかなという気もしますね。

携帯電話は便利なツールではありますが、災害時での運用については、充電をどうするかというのも問題です。停電になっても充電できるのは、市販の乾電池を使うものか、自分でハンドルを回して充電するグッズを導入するかといったところですが、手回しで満充電するには気が遠くなるくらいの回数を回さなければならないので、あまり実用的ではないような気もします。ただLEDライトやラジオまで付いたものならそちらの用途を主にし、いざという時のために持っておいてもいいかも知れません。


いざという時の心がまえ

昨日の大津波をともなった地震につきまして、被害を受けられた方には心からの御見舞いを申しあげます。私はたまたま静岡市中心部の大きなビルにいました。更に悪い事に、エレベーターに乗っていた時に遭遇してしまいました。最初は何だろうと思っていたのですが、風という事は考えられないので地震であるという事はわかったものの、普通こういう時には途中の階に止まるのではないかと思ったものの、結局一階までエレベーターは無事に着きました。

この時点ではまだ地震かどうか半信半疑だったのですが、周辺のエレベーターが緊急停止しており、買い物客の方やお店の方の様子を見てこれは地震だと確信しました。携帯電話は繋がりにくくなっていたようですが、リトライを繰り返したところ、何とかドコモ網から速報サイトに繋がりました。そこでようやく震源地や震度情報を確認する事ができました。

静岡県地方にも津波警報が出ているものの、状況がわからないまま動くというのは実に不安なものです。改めて瞬時の情報収集にはラジオが、ピンポイントの情報を得るためにはインターネツトが情報を得やすいという事を実感した次第です。

今の所、テレビを通じて被害の状況を見ているしかない感じですが、やはり大きな地震を車の運転中に感じた場合、もしそれが海の近くで土地勘がないなら、車で逃げるのは絶対に止めるべきです。自分は逃げているつもりでも、津波に向かって進んでしまう可能性もあるわけですし。車中泊の旅の場合、つい荷物もいいかげんに置いてしまいがちですが、両手が自由になるリュックやウエストポーチに必要なものを常にまとめておき、もし忘れ物をしても、取りに帰る事はしないように鍵を付けたまま車を離れ、高い建物か高台に逃げるのがいいと思います。

気象庁の発表によると、余震はこれから一ヶ月くらいはあるということですので、被災地以外の場所の方については、特別な用がない限りは今回の震源近くには近づかないという事も重要です。また、必要に迫られて車の中で寝なければならないような状態になっておられる方も多いと思います。普通の車で寝るのも大変かと思いますが、布団やクッションなどの柔らかいものが手に入らない場合でも、手近にあるダンボールや新聞紙などを使って、シートの段差を埋めれば多少はましになります。とにかく、体が圧迫され血流が滞らないよう気を付け、水が確保できるようなら水分補給も行なって下さい。大きなショックを受けられている場合、寝ることができない状況にある方もおられるかも知れませんが、目をつぶってじっとしているだけでも体は休まります。できるだけ体力を消耗させずに、いざという時に備えてください。

最後に、車中泊とエコノミークラス症候群について、以下のサイトの話が参考になるかも知れませんので紹介しておきます。参考になさってみてください。

http://rescuenow.nifty.com/cs/column/detail/070125000612/1.htm