ZTEのスマホを今買うべきか

このブログは政治的な話というのはイデオロギーの対立になりやすいのであまり書かないのですが、いつもブログでテーマにしているモバイルをとっかかりにして書くと、違う結果が出てくることがあるので、今回はそんな想いのとっかかりになったニュースから紹介します。

中国は今やスマートフォンのメーカーが群雄割拠しており、内蔵充電池の寿命の問題だったり、OSが古くなり最新のアプリを使い続けるためには定期的に新しいスマホに替えることが当たり前になる中、そこそこの性能があって安い中国メーカーのスマホというのは大変使いやすいと言えます。そんな中国メーカーの一つZTEが深刻な経営危機に陥っているというのです。

なぜそんな事になってしまっかというのは、イランへの経済制裁の足並みを揃えない中国と、アメリカとの間での貿易摩擦により、アメリカが中国に対して経済制裁をしたことに関係があります。ZTEのスマホの部品のうち、約3分の1がアメリカ企業からの供給に依存しているので、アメリカが中国に対する経済制裁が続く限り、現行のスマホが作れなくなってしまっているのです。

先日のニュースによると製造ラインだけでなくスマホの営業活動もストップせざるを得ない状況になっていて、日本でのSIMフリースマホの販売や、大手キャリアに供給しているスマホも販売終了になってしまう可能性が高くなってきます。それ以上にZTEの経営が今後どうなってしまうのかというのが問題なのですが、もちろんZTEの方でアメリカとの交渉を行なっているのでしょうが、それとは違う方向で解決を模索するニュースも入ってきています。

というのも、ZTEのスマホ部門を売却するという動きがあるようで、その交渉には同じ中国のスマホメーカーであるHuawei、OPPO、Xiaomiの三社が参加しているということなのです。また、ZTEのソフト部門の買収にはアリババが名乗りを上げているとか。もっとも、今のままでは現行製品を作ることのできないZTEの特にハード製造部門を買収する旨味はあるのかという話はあるのですが、こういう時に外国企業が出てくるのではなく同じ中国のメーカーのみが出てくるということになると、他の国は完全に蚊帳の外で改めてアメリカと中国の先端技術の主導権をかけた争いが激しくなってくる事が想像されます。

ただ、そんな時期に中国は北朝鮮の後ろ立てとなりアメリカとの交渉に協力しています。トランプ大統領は根っからの商売人ですから、地球平和のためにこのような交渉をまとめようと100%思っているわけではなく、何とかして自分に都合が良くなり選挙に勝てる体制を作ろうとする中で中国を利用しようと思っているのでしょうが、このままZTEが買収されるようになるのは仕方ないにしても、今後例えばHuaweiあたりがZTEを買収した場合、旧ZTEにこれまでと同じく米国企業から部品を供給しないのかとなると、これはまた今後の政治の流れによっては変わってくる可能性も出てくるのではないでしょうか。

というのも、朝鮮半島はまだ朝鮮戦争が終結していない状態なので、北朝鮮は中国の意向も汲む形で米国と交渉をしないとかえって中国からの支援を打ち切られる可能性もあるので、アメリカの方も中国の動向が気になるところです。シンガポールでアメリカと北朝鮮の首脳会談が行なわれることが発表されましたが、シンガポールは人口の4分の3が中国系という国で、会談の現場に習近平主席が参加する可能性なんていうのも取りざたされています。やはりアメリカと北朝鮮にとっては中国は外せないパズル完成のためのピースであり、トランプ大統領が希望していると言われる北朝鮮の核武装解除を現実の事として実現させるには、中国の介入がなければ無理でしょう。

このままZTEが中国の他の企業に買収されてしまうのか、急転直下で米国の経済制裁の一部が解除される形でZTEが残るのか、どちらにしてもZTE製品をすでに使っているユーザーやその製品を扱っている大きなキャリアにとってもかなり気にかかる問題ではありますが、まずは6月にある米朝首脳会談を受けて状況が変わってくるかどうかを見てからという面はありそうです。一国に経済制裁を受けたらすぐに会社として立ちいかなくなるようなところの製品を使っていては、もし故障したとしても修理はどこが受け付けてくれるのと不安になり、普通の人はたとえ新品が安く買えるにしてもあえてキャリアで販売するスマホの中でZTEの製品を選ぼうとは思わなくなります。

ただし、もしZTEが消滅する事態になったらキャリアの販売するZTE製スマホを使っていて調子が悪くなった場合、ショップ経由で修理を依頼したものの修理不可能と判断された場合、分割購入の2年縛りがある関係で直さないままそのままというわけには大手キャリアの立場としては行かないでしょう。そうなると対策として考えられるのが、他社の新品のスマホとの交換という可能性です。まさかZTEのスマホがiPhoneに換えられるとは思いませんが、もしかしたら使い古しのZTE端末が最新の他社のスマホになることを想定して購入する人を止めることはできません(^^;)。ただ、一部のキャリアでは高齢者やお子さん用のガラケーを作っているケースがあるので、この代わりをどうするのか、キャリアの方では頭が痛いところではないかと思いますが。

ともあれ、更新月の関係でスマホの機種変更を考えられている方は、そんな政治状況を考えつつ購入メーカーの選定をされてみてはいかがでしょうか。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す