固定電話の利用について、その契約数は減少の一途をたどっている現実はあるものの、自宅の固定電話はなかなか止められません。
旧ブログで現在はY!mobileとなっているウィルコムが新たに発売した固定電話のような形をした「イエデンワ」が登場した時は、とりあえず入手して試してみようと思ったことはこの電話で何とかファクシミリが使えないかということです。
仕事がら、送受信ともファクシミリを使うことが多いので、ハンディカプラをイエデンワに付けて「見なし音声」でファクシミリが使えないかと試してみたものの、残念ながらそうしたやり方ではファクシミリを使うことはできませんでした。
その後携帯電話のSIMカードを使って3Gにはなりますが音声通話が単体で可能な「ホムテル3G」も購入して今に至るのですが、現在は3G契約のドコモ通話専用のSIMを入れています。その契約内容は月額980円で翌々月までの無料通話の繰り越し可能なので、待受専用に置いておけば、現状では十分固定電話の置き換え用途として使えるポテンシャルを備えています。
今後固定電話の未来を考える時、今ある電話自体を変えることなく回線をIP回線化する動きがあり何も契約者側で手続きしなくても利用回線をメタル回線からIP回線に移行することになるのは決定事項なのですが、今回ソフトバンクからそうした話を先取りするかのようなプランが出てきましたのでここで紹介します。
新たな仕組みは「おうちのでんわ」と言い、現在使っている固定電話を電話回線につなぐために「でんわユニット」なるものを繋ぐのですが、このでんわユニットはLTEによる無線通信でネットに繋いだ上でIP電話を提供するようで、電話工事の必要ない仕組みになっています。ニュースを見る限りはファクシミリ付き電話を繋いでも利用はできるようです。これは個人的にはかなり面白いと思えるので、7月5日から申込み開始になるということで、導入に向けて考えているところです。
普通に考えるとLTE通信なら電話番号も090・080・070から始まるものになるかと思うのですが、このでんわユニットを使う場合には「03」から始まる番号がそのまま使え、番号ポータビリティも利用できるので、現在の固定電話回線をこちらに乗り換えれば、今までと同じ番号でも一気に固定電話の無線化・IP電話化が実現します。
発信番号については一般電話・携帯電話の他、緊急電話の110番118番119番への発信も可能になっています。このサービスを使うためにかかる費用については「でんわユニット」の利用料は36か月の割賦契約で実質無料になり、サービスの固定料金は税別980円で(「Softbank Air」の契約かソフトバンクモバイル・Y!mobileの回線とセットにすれば500円/月)、通話料は固定電話なら全国一律7.99円/3分、携帯電話へは16円/1分ですが、同じように設置した「おうちのでんわ」同士の通話や、ソフトバンクの携帯電話へなら「ホワイトコール24」を申し込めば(無料)、時間に関係なく無料で通話できるようになります。ただし、同じ系列のY!mobile契約の携帯電話へは通話料金が無料になりませんので掛ける場合には事前に相手の契約している電話会社を確認するなどの注意が必要です。そして、もちろん自宅でソフトバンクの電波が届かない場所では使えませんので事前の確認を忘れないで下さい。
しかし、現状の固定電話の費用はメタル回線でも月額1,500円くらいはかかっていますので、番号通知や転送、キャッチホンなどのオプションを付けなければ最大でも980円で維持できるわけで、待ち受け用および古くから自宅の番号を知っている方のために固定電話を安く残したいと思われている方にはなかなか面白いシステムではないでしょうか。今までのメタル回線と違って停電してしまうと使えなくなりますが、「でんわユニット」を何とかして電源を入れられれば停電時にも通話できる電話器との組み合わせで通話できる可能性は高まります。また、プレスリリースでは「でんわユニット」に取り付けて電源を共通化できる「Softbank Air」の紹介もあります。すでに「Softbank Air」を使っている場合にはより導入しやすいと言えるでしょう。
個人的に面白いと思うのは、「でんわユニット」自体を移動させ、その先に安い通電を必要としない電話器を繋げば、簡単に電話機能の部屋移動が可能になるということです。あえて電気代をかけてコードレスフォンにしなくても、安く電源を必要としない電話機を複数用意してでんわユニットを移動するだけで部屋を移動しても手元に固定電話を置くようなこともできるでしょう。
ちなみに、でんわユニットは登録した住所でのみ使え、住所が変わった場合は届出は必要なようですので、最初に紹介したイエデンワのようなどこにでも持ち出して利用するような使い方はできないようです。将来このでんわユニットが本体に内蔵されて、乾電池での使用やモバイルバッテリーから給電可能なリチウムイオン電池が付けられるものが出てくるとともに移動運用が許可されるようなら、固定電話をそのまま持ち出して使い続けることもできるようになるかも知れません。Y!mobileは前身のウィルコムが「イエデンワ」を売りだしたということもありますので、そうした進化に大いに期待したいところです。「おうちのでんわ」についての詳しい内容は以下のリンクよりご覧下さい。
https://www.softbank.jp/ybb/ouchinodenwa/
(追記)
その後、「おうちのでんわ」を自宅の電話番号を移行する形で新たに契約しました。その内容については別のページで紹介しておりますので、興味のある方は以下のリンクからご覧いただければ幸いです。
・「おうちのでんわ」契約までの顛末
・「おうちのでんわ」を「ホワイトコール24」でホワイトプランと紐付け
・「おうちのでんわ」開通報告と利用レポート
「おうちのでんわ」で固定回線の巻取りを始めるのではないでしょうか。ソフトバンクの固定回線を置き換える事でNTTに支払う回線使用料を削減すると言う事も考えて居るのでは。
NTTも同様のサービスを開始するのでは。NTTの固定回線は年間300億円赤字だと聞くのでその削減の為に置き換えて有線の維持管理費用を削減する事を考えるのではと予想しています。今後地方では電話線は無いのが当たり前になるような。固定回線を廃止したいが、高齢者は従来の固定電話の番号に固執しますが、固定電話の番号がそのまま使え、現在の電話機が使えるとなれば受け入れられるのでは。
早速ソフトバンクユーザーの叔母には教えたところ来月には相談に行くと言っていました。小学校なのど関係で固定電話の番号が必要な時にも役立ちそうです。
ケイタイオタク さん コメントありがとうございました。
「おうちのでんわ」の内容を見ていくと、勧誘電話でメタル回線やISDNが終わるからとひかり電話に変更させられた人はどう思うのだろうかと思ってしまいますね。固定電話の番号を継続して使いたかったり、音声だけでなくファクシミリも併用したい場合は36ヶ月の継続利用は前提になるものの、このプランより魅力的な固定電話の巻取りプランが他社から出てくるのかを判断した上で加入を考えるのがいいでしょう。
あと、ソフトバンクはセット契約で月500円からという風に推してきていますが、セット契約のない980円のパターンでも十分安く、周りにソフトバンクモバイルのユーザーが多かったりする場合には他社の動向を見守らなくても通話料がかからないメリットの方が大きいと思います。
それにしても、固定電話の番号が携帯電話より安く取れるようになったのはびっくりです。改めて昔から固定電話を契約した際に出した加入権とは何だったのかと思いますね。