緊急速報の「エリアメール」送信のタイミングと「音」について

先週、事前の告知のもと、平日の昼間に私の住んでいる地域で河川の氾濫に関する大手3キャリアの「エリアメール」による訓練による送信がありました。内容は、河川の水かさが増したことによる「避難勧告」で一回スマホやガラケーが鳴り、その後「氾濫危険水位」に達した事を知らせる「河川反乱のおそれ」というメールが続けて来ました。実際にこのような状況になった場合は、先に来た避難勧告の段階で荷物をまとめて安全な場所に避難しその後の推移を見守り、後に来たメールの段階では決して忘れ物などを取りに河川には近寄らないということを個人的には確認したのですが、その訓練が6月14日あり、その後すぐ訓練でない本物の「エリアメール」が来たことにまずはびっくりしました。

6月21日は九州から関西、そして東海から関東へと猛烈な雨と風が縦断するような形で東海道新幹線も深夜に長時間ストップするなど様々な場所で大きな被害を引き起こしたのですが、私の住む静岡県では21日の朝からかなりひどい雨になっていましてお昼前後にはピークを迎えました。 そうして、ようやく雨が止みかけたかと思われた午後2時過ぎにガラケーとガラホがけたたましく鳴りまくり、「エリアメール」として来たのは避難勧告の前の段階の「避難準備・高齢者等避難開始」の情報でした。

この時は河川の側にはいなかったので、実際に避難準備をするのか迷うところでしたが、雨が止み掛けたところで体の不自由な人を避難させるような情報を回すというのは間違っていないとは思うものの、けたたましい音の鳴るエリアメールで来られると、ちょっと不安になってしまいます。 このエリアメールというのはご存知の通り、大雨の時だけでなく緊急地震速報や津波警報が出た時にも鳴るのですが、すぐに生命の危険が考えられる状況の音と、心を落ち着けて避難準備をする時には音を変えた方がいいのではないかと正直思いました。特に過去の大きな災害が心理的にトラウマになってしまっている人にとっては、なかなかエリアメールの音を間近で聞くのはヘビーなものがあるように思います。

同じ警報音でも自然災害とミサイル発射の際の音には違いがあるのですが、こうした音の鳴り分けを行なうのは今のガラケーやスマホでは難しいのかどうかはわかりません。また、過去に広島で起きた鉄砲水で新興住宅地が被害を受けた時の状況を考えると、それほど大したことはないことが予想したとしても、局地的には深刻な状況であるかも知れないので、避難準備情報の時から受け手に真剣に自分の命を守るために行動をする材料を提供することも無駄ではないとする考え方もわかります。

ただ、同じように寝ていてもわかるように警報音で告知することができれば、音の鳴らないメールと比べれは十分に危険を告知することはできるので、重要度に応じて音のパターンを変えるという方法も十分効果はあるのではないかと私には思えます。 ただ、人間というものはいかにその危険性を告知したとしても、慣れによるところもあるのかも知れませんが生命に関わる危険だと知らせてもそれをまともに受けとめようとしない人たちがいることも確かです。

警報音を聞いた人への精神的な影響が多少あるとしても、あえて警報の内容をしっかり見てもらうための一つの方法として、緊急地震速報と同じ音を出し、避難準備情報の段階で最大限の注意を呼び掛けることの方が大事なのか、それともそうした警報を受け取める人の行動を信じて音の鳴り分けなどを工夫して、段階的にメリハリを付けた警報を提供するようにするのか、それは情報の受け手である自分達の問題でもあるような気がします。

私自身の先日エリアメールが来た時の行動は、大雨の警報なのか津波か緊急地震速報なのかわからずまずその音に慌てふためきました。その時はテレビを付けていたので、地震関連ではないことはわかりましたが、メールで来た避難準備情報はテレビのテロップでは流れなかったので、実際にメールを開くまでは何の情報なのかがわからず、メールを確認するまでは不安な気持ちになっていました。 今回は避難準備情報でその後の避難勧告には結びつきませんでしたが、改めて思うのが周辺が慌てている時にこそ落ち着いて情報を分析できる冷静さであると思えます。

地域限定の情報については、エリアの広い情報を送るウェブよりも、地元の新聞社や放送局の出すtwitterからの情報提供の方がきめ細やかな情報をリアルタイムに確認できるのでおすすめではないかと思われます。フォローはしなくてもtwitterのリスト機能を使い、災害が起こった場合は優先してそうしたアカウントからの情報を流すようにもできますので、事前に「ニュース」「ライフライン(電気・ガス・水道・電話・ネットなど)」「行政(避難所・給水・支援物資など)」あたりに有効なアカウントをまとめてリストに入れておくのもおすすめです。


カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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