自然災害の季節・日時による影響の違い

東京を中心にする大雪の情報というものがほんの小さく感じられてしまうほど、群馬県の草津白根山(本白根山)の噴火というのはいきなりでびっくりするものとなりました。

あえてこの噴火と東京での雪害について比較してみると、草津国際スキー場で噴石が当たったりスキー場にいた方(今回雪崩に巻き込まれて怪我をされた方もいたそうです)というのは、雪が降っている事については万全の対策を用意して出掛けている方が多く、ある意味想定外の天災に当たってしまったということになります。

それとは違い、今回の東京や関東近郊の大雪というのは、事前にしっかりと予報がされており、たとえスタッドレスを履いてチェーンを装備した車であっても一台か二台不心得な車があったり、事故が起こってしまえば道を塞ぐ格好になってしまうので、テレビニュースになったような交通状況というのはほぼ事前に予測できたことです。

さらに、鉄道も止まることが予想された時、果たしてその日の通勤をすべきであったかどうかというのは、夕方から夜の駅の入場規制になった状況や、なかなか来ないバスやタクシーを待って長蛇の列ができるような光景をテレビ画面から見るにつけ、「人は自宅待機」「トラックも渋滞の手前で待機」というような判断をしてあげないと、多くの人を帰宅困難に陥らせ、道路上で全く動かないでドライバーを困らせる状況を生み出すだけです。

もし自分で自分の行動を判断できる立場でなら、決して都心に向かってはいけないような状況であり、行かない方が正解だったケースが多いのではないでしょうか。ですから、この雪というのはいわゆる「災厄」というものの中には入らないのではないかと思います。車中泊の旅で動いている時にも、このように情報を入手し天気予報をしっかり聞いていれば避けられる状況というのもあると思いますので、車の中で音楽を聞きながら走るのもいいですが、定時のローカルニュースをラジオで聞いたり、スマホでの現地天気予報のチェックを怠らないようにしましょう。

それに反して、実際に噴石が飛んできたり雪崩が起こるような火山の噴火については、事前に予知はできませんから、起こってから後の対応が必要になります。実際に直接被害に遭わなくてもやはり正確な情報入手というのは必要です。さらに今回の場合、もし夏に噴火が起きていれば少なくとも雪崩での被害は出ることはありませんでした。季節によって同じ現象が起こっても、地域における影響というのは違ってきます。特に雪道に不慣れな中で突発的に火山の噴火に遭遇した場合には、やみくもに動くのではなく、地元の人や役所の方に安全な所まで誘導してもらうような形で、自分勝手に動かない方が良い結果が出るような気がします。

今回の噴火は火曜日で、さらに午前10時頃の事だったので、草津国際スキー場にはそれほど多くのレジャー客はいなかったと思います。しかしそうした曜日と時間状況だったことから、自衛隊がスキー場で訓練をやっていたという事でもあります。こうなってくると、単に火山が噴火したのが「災厄」ではなく、いつ起こったかということも「災厄」に関係してくるということがわかります。

そんな時に思い出すのが木曽御嶽山の噴火による被害です。こちらの方は冬ではなかったので今回のように雪崩による二次災害の危険はなかったものの、週末のお昼前後という時間に噴火したことで、山頂でお昼ごはんを食べようとスケジュールを組んで登ってきた人たちが被害に遭いました。

こうしためぐり合わせというのは個人の裁量だけでは回避することは難しく、いかに不意に大きな自然現象が起きても慌てずに対処することができるかというのがカギになってくるでしょう。現に今回の草津白根山の噴火でも、普段から十分な訓練を受けていて、まさにその時も訓練の最中だった自衛隊員が噴石が当たることによる被害に遭っています。十分な装備を付けていても避けることはできませんでした。そんな「災厄」をかわすのはなかなか難しいところもありますが、少なくとも景色がいいから、誰も滑っていない所で滑りたいからと立入禁止場所に入ったりなど、正規のルートから外れたところで遭難した場合は救助隊もにわかには遭難場所を特定することも難しくなります。もしもの時に備えてのルールもあるということを十分理解した上で冬のレジャーを多くの方が楽しまれることを祈っています。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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