楽天の独自配送網はどこまで運んでくれるか

先日、楽天市場の三木谷社長が楽天市場の加盟店向けの説明の中で、千葉県流山市と大阪府枚方市に物流の拠点となる新倉庫を設置することを表明したそうです。既にアマゾンではそのような大きな倉庫を運営し、自社が用意する商品以外にも加盟店のスペースを用意し、倉庫からまとめて発送ということを行なっていましたが、アマゾンは日本の宅配業者に自宅までの配送を依頼しているのに対して、楽天市場は発表の内容を聞いた限りではすでに独自の配送網の構築を2019年を目安に進めており、倉庫の中ではAIを利用した無人化を進めつつ、宅配業者にできるだけ依存しない配送というものを今後目指していくとのことです。

そうなると、インターネットを使ってのネット通販において現在多くの人が送料無料のサービスをめあてに購入先を決めている状況に楽天が割って入ってくる可能性があります。例えば、楽天会員のランクに応じて月何回送料無料だとか、アマゾンのように配送費の無料および付加価値を付けた有料会員を募集する形になるのかわかりませんが、アマゾンと比べると新たに作る楽天の配送網は楽天市場の荷物しか配送しない分、かなり思い切った「発送オプション」を提供できるのではないでしょうか。

ただ、この話というのは同じく楽天が新規参入する携帯電話サービスと似ているところがあって、100%自社網で末端まで配送できるような仕組みが完成するのは、新聞では2020年には配送を一元化すると書いているところもあるものの、なかなか難しいところもあるでしょう。三木谷社長自身も、一部には既存の宅配業者にお願いする旨を表明はしているようです。

島や山間部で届けに行っても自宅に人間がいなくて連絡も取れない場合、長い時間を掛けて独自網を作っている従来の宅配業者と同じようなサービスができるのだろうかという不安はつきまといます。この部分については本当に仕方のないところだと思いますし、逆に言うと日本では郵政事業として全国どこでも配達する仕組みを作ったのはすごいと改めて思えます。ただ、それも今後楽天をはじめとするインターネットショッピングを行なっている業者の方々が、島でも山間部でもない都市で暮らすユーザーに対してどのように配達システムに協力をするように啓蒙していくのか、それによってかなり楽天の配達部門の仕事内容が変わってくるのではないかと思います。

私自身の事で言えば、常に自宅にいるわけではないので、通販で物を購入する場合、2つの方法で自宅あてに荷物が振り分けられる前に営業店か近くにあるコンビニで荷物を留めてもらい、自分で取りに行くことにしています。アマゾンの場合は、注文する際に最初から自宅宛発送ではなく、ヤマトの営業店かコンビニに送ってもらうようにしてしまい、アマゾンからのメールで営業店や店舗に到着したことを確認の上で自ら取りに行きます。

また、ヤマトについてはネット通販以外の荷物について「クロネコメンバーズ」に入っているとメールまたはLINEで自分宛の荷物がやってくることがわかるので、早めに荷物を営業店かコンビニまで送ってもらうようにスマホ上から変更がきくようになっています。タイミングさえ合えば、日中に荷物を帰宅途中に寄ることのできる場所まで運んでもらい、自宅に帰る途中に荷物を受け取るか、大きな荷物については自宅に帰ってから改めて車で取りに行くような形で自分の都合により受け取りの形を変えられます。

果たして宅配業者の方が自宅まで届けた方が楽なのか、コンビニや営業店で留置する方が楽なのかはわかりませんが、業者の都合のいい方法を受け取る側が選んだ場合に送料を安くするなりポイントを付けるなどのメリットを享受できるならその方向に動くのは別に大変ではないと思います。楽天の配送が今後どのような形で発表されるのかはわかりませんが、色んな方法が選べるような形の配送になるといいとは思います。

ただし、私自身も年を取って足腰が弱くなってしまうと、さすがに全ての荷物を取りに行くというのは難しくなります。基本的には配送サービスというのは全国のどこでも同じような配達してくれるということがサービスの根幹になるわけですから、既存の宅配業者ともうまく協力的な関係を持ち、これは楽天のモバイル事業の今後とともに注目していきたいと思っています。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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