日本のプロ野球は引き分けをなくせるか?

昨日はお昼前からMLBのワールドシリーズを見出してしまって、結局どこへも出掛けられないで終わってしまいました。今回対戦したロサンゼルス・ドジャースとボストン・レッドソックスとの対戦はまだあのベーブ・ルースがレッドソックスにいて投手として投げていた時代とのこと。それまでのワールドシリーズの記録であった延長14回をルースが投げ抜いたという記録を残している時の1916年以来で、秋田県代表が決勝戦まで進んだ第一回の全国中等学校野球優勝大会(後の甲子園)よりさらに長い102年振りのマッチメイクだそうです。改めてメジャーリーグの歴史の長さを感じるわけですが、その頃から現在まで変わらないのが「引き分けなしの延長無制限」というルールです。

昨日のワールドシリーズは終盤にドジャースの前田健太投手が登板したこともあって、見ている方も相当興奮したのですが、本当にいつ終わるのかわからない試合というのがあって、固唾をのんで試合を見続けていました。恐らくこんな試合があるからこそ、メジャーリーグでは様々な伝説が後世に残るものだとしみじみと思うところでもあります。掛け値なしに昨日の試合は今後伝説になるレベルの試合だったと思いますし、現地で観戦していた観客もほとんど帰らずに勝負の行方を最後まで見守っていたというのもすごいと思いました。

日本にやってくるメジャーリーグの選手が日本のプロ野球に感じる違和感の一つに、日本のプロ野球独自の「引き分け」制度があると言われています。もちろん、引き分け制度を作ったのにはそれなりの理由があり、駐車場のない日本の球場では電車が終わってしまうと観客が帰れなくなることが大きいでしょうが、かつてはテレビ中継のゴールデンタイムにプロ野球中継があり、無制限延長になってしまうとその後に予定されている番組の編成がガタガタになってしまうということもあったのではないかと思われます。

ただ最近はプロ野球中継はBSやネット配信にシフトしてきているので、必ずしも地上波のテレビ番組に影響を与えることは少なくなっています。今後地上波のテレビとは無関係に野球が好きな人が見るようなプログラムに変化して行くならば、少なくとも延々と続く延長線を流し続けることも可能になってくるのではないかと思うのです。

また、今回のような延長戦というのはかなりのレアケースであるわけで、いくら延長戦が無制限だとしてもその前に選手を出し過ぎたチームはそこまで粘れるだけの力は残していることというのは考えずらく、今回のような延長戦は年に一度あるかないかで、せいぜい現行の12回から少し伸びるくらいのものでしょう。そんな中で昨日の試合のような延長18回なんて試合をやっているというのがわかれば、かえって全国のプロ野球ファンは注目してその試合を中継しているBSやネット配信で見る人も増えるのではないでしょうか。

高校野球の全国大会ではタイブレークが採用されるようになりましたが、これは単純にトーナメント試合で一人の投手が延長が続くと延々投げ続けなければならない理不尽が今までまかり通ってきたための救済措置です。また、野球の世界大会でのタイブレークは高校野球とは少々意味あいが違って、短期間の日程で決勝までの試合を終わらせなければならないので、日程消化のためのタイブレークという手段に過ぎません。

プロ野球というのは日本の野球の最高レベルの戦いであるだけに、長期にわたるリーグ戦で引き分けがあると、リーグ戦の勝ち数が少ないチームが一位になる可能性も出てきます。日本シリーズ出場を決めるクライマックスシリーズを失くした方がいいという意見もありますが、リーグ戦で一番強いチームを決めるのならば、現在の野球中継を見る方法が変わってきた今を狙って引き分けなしの勝ち数だけで順位を決めるという単純な方法に戻してもいいのではないかと思うのですが。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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