震災を客観的に見られる時期に考えたいこと

昨日は熊本での大地震から1年ということで様々な行事が行なわれていました。昨年の今頃について考えてみると、このブログでも災害についてのカテゴリーを作っていたり、避難所に行かずに車の中で避難生活をする人のことを考え、その時に考えられることをとにかくこのブログに書き込んでいました。

今は当時と違って、突然の大きなショックを伴う環境の変化にパニックにならず、冷静に考えることができます。もし自分の身に大変な震災が今後起きた場合、冷静な自分はどのようなことを考え、何が大事かということを指適していたかという事を後から見られるようにこのぶろぐが存在しているところもあるので、今回はそんな観点から災害時および避難生活について思うことを書かせていただきたいと思います。

先日、旧ブログの5年くらい前に書いた記事についてご指摘をいただいたのですが、その記事とは避難生活中にエコノミークラス症候群による血栓が原因での死亡事故を防ぐために、避難所にダンボールで作ったベッドを罹災地域以外からすぐに搬入できる仕組みを作っている新潟大学の取り組みについて紹介したものでした。

この計画が機能したと想定すると早い時期にダンボールで作ったベッドが避難所に並ぶこともあるわけですが、その記事を見た方が、燃えやすいダンボールで作ったベッドを避難所に並べては、もし火事になったらさらに大きな二次被害を生み出すのではないかという話を実際の危険を想定した実験が行なわれていることとともに紹介していただきました。

この点についてはまさしくその通りなのですが、一方で「中越地震→東日本大震災→熊本地震」と時間を追う中での報道を見ている中で、エコノミークラス症候群による血栓が原因で震災後にお亡くなりになっている方が少なくないという事実も存在しています。こうした主張というのが現場で対立した場合、避難所に設置できるダンボールベッドが十分に用意されていたとしても、火事が恐いという気持ちの方が避難者の間で上回った場合、あえてダンボールベッドは使わずに旧態依然とした光景が将来の避難所でも起こり、相変わらずエコノミークラス症候群による犠牲者が減らない事も考えられます。ですから今のうちに、何とかして火事の危険も少なく、さらにエコノミークラス症候群にならない避難所の環境について考えることも必要になってくるのではないかと思うわけです。

まずはダンボールベッドを設置しなくても、常に不特定多数の人間が避難してきている避難所では火災のような二次被害の危険があるので、特に火災についての対策を考えていきたいと思います。具体的に私の考える範囲で挙げてみると、

・調理場は避難スペースと分ける
・避難場所ではランプやろうそくであっても火気厳禁とする
・避難所が停電している場合は速やかに建物内のブレーカーを落とす

まず、こうした内容を徹底するためには避難所における現場責任者を事前に任命しておき、実際に震災に見舞われた場合の事前研修を行なうなどの準備が大切です。過去の震災における避難所で起こった様々なトラブルを把握し、避難者からクレームが出た場合の想定問答集を作って使ったり、クレームを未然に防ぐような防災用品をストックしておきすぐに配れるようにすることも現場の雰囲気を殺伐としたものにしないためにも必要になってくるでしょう。それでも勝手に石油ストーブを避難スペースに持ち込んだり、カセットコンロで調理をするような人も出てくるでしょうから、そうした人への対策も合わせて考えておかないといけないでしょう。

今考えられる範囲で用意しておいた方がいいものは、毛布だけでは寒くて寝られない人のために火を使わないカイロや、明かりがない人へ少ない電池で長時間使える上、効率が良くそれ自身が火事の原因になりにくいLEDライトが考えられます。

さらに、最後に挙げさせていただいたブレーカーを下げておく事は震災後に電気が復旧した際の漏電による火事を防ぐことができるので、管理者には必ず学校などの建物が避難場所になっている場合は、何がさておき全てのブレーカーの位置を把握し、停電しているのに上がっているブレイカーがないか、さらに建物の中で漏電が疑われる所はないかなど、きめ細やかな対策をすることで、うっかりして避難所が火事になることはある程度防ぐことができるのではないかと思います。

次に、果たしてダンボールだけで作られたベッドを避難所に多数並べることは大丈夫なのかという点について考えてみます。多数の紙でできた物体を並べて置くことによりもし火事になった場合の火の回りはちょっと考えただけでも激しくなり、逃げ遅れて亡くなる人も出るであろうことは、以前に東京でおがくずが散りばめられた芸術作品のジャングルジムが燃えた時と同じように、大変悲惨なことになることは容易に予想できます。

そうした観点からの対策は、ダンボールベッドは決して隣り合わせて置かず、小さな教室に最大いくつで、どの場所に設置するというような細かなマニュアルで対応するような方法が考えられます。もちろんダンボールベッドが設置された部屋における火気の使用は厳禁にすることは言うまでもありません。

また、一つ一つの製造コストは高くなりますが、完成したダンボールを耐火塗料で覆うようにした製品を新たに作ってもらえる可能性があるのか、それともダンボールに塗ると燃え出すまでの時間を長くできる塗料がそもそもあるのかということも実際にメーカーにあたるなどの手続きが大切になるでしょう。うまく塗料が作用すれば、もしダンボールに火が付いたとしてもその場から逃げる時間を確保することはできるでしょう。

今回は極めて限定的な部分についての考察に終始してしまった感がありますが、大きな災害後の避難所で起こる問題というのは他にも多くのものがあると思うので、多くの人が知恵を出し合って震災直後だけでなく震災後長期にわたって罹災者の生命と財産を守るためにはどうすればいいかということを、今後も考えていきたいと思います。


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