日本でネット規制は実施されるか?

まだ事件の全貌が伝わってきているわけではありませんが、スリランカ国内での連続している自爆テロと思われる爆発事件は誰が何の目的でやっているのかニュースではそれほど伝わってこないまま時間が経過していて、さらにそこで再び爆発が起こり被害も増えていくという何か今までの事件とは違った様相を見せてきています。

とにかく、原因がわからなければ対策も取れませんし、日本で同じような事が起きたらどうなってしまうのかというのはその場になってみないとわからない部分があります。当然、大きな事件が日本で発生したとしたら、誰が何の目的でやったのかという事についてマスコミの報道以外にも、ネット発のSNSからのデマなのか本当なのかわからないような状況になってしまうのではないかという危惧は、普段の生活の中であまり感じることはないのですが、実際に起こったニュースに触れる中でそんな事も改めて思い出すところです。

今回のスリランカ政府の、この事件を受けての国内でのFacebookなどのソーシャルメディアについて、その利用を一時的に停止する措置を取ったことが注目を集めています。日本でも地震があった直後に様々なデマがネット上で流れ、そのデマを真に受けた人がいたことがニュースになったりしました。今回のスリランカの事件では、それこそ国民の生命が危機にさらされている中、どの勢力がどんな目的で事件を起こしたかという公式なアナウンスが出て多くの国民が納得できないと、どうしても疑心暗鬼になって、日頃仲の悪い勢力同士が罪のなすりつけ合いをしたり、一方的なデマがネットで拡散されたらと思うとこの決断をするまでには当然議論されたのだろうとは思いますが、ネットを切れば切ったで別の拡散方法でデマは国民の中に広まる可能性があります。

過去の日本では大正時代に起きたあの関東大震災後のデマによって、震災の影響による被害だけでなく、人間関係の不信からいわゆる「誤爆」による暴力による被害もあったと言います。当時はもちろんネットなんてものはなく、デマを検証する手段を民衆は持っていなかったので被害がひどくなったという見解もあります。もしスリランカ政府がネットの封じ込めに成功した場合には、極めて極端な思想を持つ一部の人が仕掛けたネットを発信源とするデマに多くの人が踊らされることはなくなるでしょう。しかし、そのデマが口コミで広がった場合、情報が間違いであるということも公的な情報だけでは(特に今回のスリランカ政府は国民が発言することのできるソーシャルメディアを潰したことで、国民の感情の中には「何か隠している」と疑念を持つ人も少なくないでしょう)完全なる火消しは難しいのではないかと思います。そして、少ない人が騒いだだけでもそれがきっかけになった大きな暴動に発展する可能性もあるわけです。今後のスリランカの情勢については冷静に見なければいけませんが、今度のゴールデンウィークにスリランカに行こうと思っている方は、今後のニュースの様子を見つつ、旅の出発に関しては慎重にした方がいいでしょう。

翻って、私達の住む日本では大きな国民生活に直結する事件や災害が広範囲で連続で起きた場合、スリランカと同じようにネットが規制されることはあるのでしょうか。もし規制が行なわれた場合、Facebookを様々な知り合いとの連絡に使っている場合にはその通信が遮断され、特に遠方にいる友人の安否がわからなくなるというような、不具合が全国で起こってくるかも知れません。

スリランカの場合、元々スリランカからの分離独立を主張する勢力と内戦が繰り広げられ、停戦後は安全な国というイメージがあったものの、今回の事件勃発で国内での争いが再燃したり、暴動が起こる危険があると政府が考えたからこその処置だと思います。しかしもし日本でネットが規制されたら、日本ではなかなか起きないと思われる暴動が、ネット規制きっかけで発生したりする危険があるのではないか? と私は思っています。今の日本ではそれだけスマホによる通信に依存している人は多いですし、日常的にラジオを持ち歩くなどして何かあった時にネット以外から情報を入手しようとする人も少ないのではないかと思います。そんな中で、唯一の情報入力手段だと多くの人が思い込んでいるネットでのコミュニケーションが遮断されたとしたら、それが社会に対しての反発につながっていく可能性もあると思っているのです。

今の日本では2020年の東京オリンピックに対してポジティブな方向でしか報道がされていませんが、全世界から東京が注目されることで、今回のスリランカと同じとは思いませんが、単にその場で騒ぎを起こしてやろうと思う輩から綿密に計画の上で世界を驚かそうとする組織まで、華やかなイベントの裏では何が起こるかわかりません。もちろん何も起こらないに越したことはありませんが、何かあれば多くの人はスマホからの情報収集に躍起になるでしょう。

ただ自分としては、もしかしたらそんな時に国のネットが何とかなった場合でも慌てずに正しい情報を入手できるような方法を考えておくことが大切ではないかと思いますね。スマホを使うならワンセグの放送や文字情報から最新の情報を得ようとしてもいいでしょうし、安否確認についてはソーシャルネットサービスが使えない場合に災害用伝言ダイヤル(設置された場合)やショートメール(SMS)での代用プランを考えておくとか、ネットが通じる場合にはGoogleの提供している「パーソンファインダー」サービスが使えるURLをあらかじめブックマークしておくことをおすすめします。

https://www.google.org/personfinder/japan/

このパーソンファインダーでは自分の安否情報だけでなく、他の人の安否情報も名前もしくは携帯電話番号を登録することによって広くデータを検索させることができます。多くの人の名前をこのサイトに登録することにより、人を探している人がいれば、いずれそこで入力した情報にたどり着く可能性が高いサービスです。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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