iPad mini はスマートフォン未経験の中高年向けか?

 すでにニュースになっているのでご存知の方がほとんどだと思いますが、アップルが従来のiPadよりひとまわり小さい7.9インチ(1024 x 768)のタブレット端末、iPad miniの発表を行ないました。もしスティーブ・ジョブズが生きていたらこのサイズのiPadは出たのだろうかとしみじみ思ってしまうわけですが、アンドロイドの7インチタブレット端末で、グーグルが出したNexus7と競合するモデルをアップルも出してきたということで今後の展開が楽しみでもあります。

 性能から言うと二世代前にあたるiPad2相当であるということもあり、すぐに飛びつくことなく冷静に受けとめている方も多いだろうと思います。単に軽くて持ち運びやすいということだけで最新の性能ではないタブレットを買うのかと思われる方も少なくないでしょう。しかし、今のiPadを常に持ち運ぶのは大変だと思っていた人にとっては持ち運びの良さこそが大事だろうと思うので、こちらの選択もありのような気もします。

 こうした7インチ前後のタブレット端末というのは、片手で持つことができるだけでなく、何とかぎりぎりスーツやコートのポケットに入るくらいの大きさです。個人的な感想ですが、小さなバッグに入れて常時持ち歩いてもそれほど負担にならないくらいの大きさなので、まだスマートフォンも持っていないような方の最初のタブレット端末としてもおすすめなのではないかと思っています。さらに言うと、普通のスマートフォンでは広い領域を小さい画面でカバーすることから、どうしても文字が小さくなりがちです。まだスマートフォンを使ったことのない中高年の方が、店頭のデモなどでスマートフォンを試した際に画面の文字が小さすぎて見えない(^^;)と諦めてしまったようなことがあったとしても、画面と文字がスマートフォンよりもかなり大きく表示でき、しかも10インチのタブレットほどかさばらない大きさであるiPad miniの使い勝手は大変ありがたいのではないかと思います。機種によっては今ある携帯電話の機種変更で手にすることもできるようになるかと思いますが、さすがにこのサイズで電話することは厳しいので、電話は以前の携帯電話のままにして、モバイル通信関連はこちらを使ってやり取りをするような使い分けをするという手もあります。

 携帯電話会社の通信カードが差さらないWi-Fiのみのタイプで16GBのタイプは3万円弱という価格設定になっていますが、大都市周辺で公衆無線LANをどこでも利用できるという場合は他に何も用意しなくてもこちらのセットでも十分でしょう。ただ、Gメールの常時チェックやどこでもネット検索や通信を伴うアプリの使用をしたいような場合は、通信料金はかかりますが、携帯電話の通信カードを挿入してデータ通信用に使う3Gタイプのものが便利になります(本体の価格設定はWi-Fiタイプより1万円高程度)。

 今のところソフトバンクに加えてKDDIでもiPad miniを販売するようですが、特に3Gタイプのものを購入する場合は通信料金の違いだけでなく場所によって圏外になる場所が違うなど、通信会社によって得手不得手があるかと思いますので、その点を十分考慮して選ぶことが重要です。個人的にはドコモのSIMカードが直接本体に挿入して使えれば、月額の安いSIMカードによるデータ通信が使えていいのですが、残念ながらそういう使い方はできません。iPad miniでどうしてもドコモの通信網を使いたい場合は、ドコモのSIMを使ったWi-Fiルータとセットで使う必要があります。また、最近のスマートフォンではテザリングという他のパソコンやインターネットができる端末とネット接続を共用できる機能が付いている場合があります。すでにテザリングができるスマートフォンを持っている方は、あえて3Gタイプを購入する必要はないでしょう。

 私自身はアンドロイドのスマートフォンを主に使っていますので説得力がないかも知れませんが、最近言われているウィルスに関してiPhoneやiPadは、アンドロイド搭載の端末と比べると、感染の恐れが少ないと言われており、アプリの導入についてもある程度安心して利用できるのが特徴でもあります。そういった意味からも初めてスマートフォンを持とうと考えられている中高年の方にとっては、少し大きくはなりますが導入しやすいのではないかと思いますね。自宅に無線LANのできる環境をつくっている場合は、自宅でちょっとした調べものをしたい場合などは起動に時間がかかるパソコンでなく、気軽にiPadをメインで使うというのも便利です。家の中から外出先まで、これ一台でカバーできるぐらいに使いこなせれば、Googleの出しているNexus7と比べて高価ではあるのですが、端末の代金分は十分楽しめるでしょう。

 今後もiOSとアンドロイド陣営は、お互いに良きライバルとして機能や価格面でも競合する機種を出してくるのではないかと思われます。現状でも7インチ前後のタブレット端末は店頭で置いてあるところが多くあるので、まだこの大きさのタブレット端末に触れたことのない方は、ぜひ一度現物に触れていただいて普通のスマートフォンとの違いを感じていただくのもいいかなと思います。


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