IIJmioがマルチキャリア対応になったことで使えそうなこと

MVNO大手のIIJmioが2016年10月1日より、今までのNTTdocomo回線だけでなく、auの4G LTE回線を使った「IIJmioモバイルサービス タイプA」のサービスを開始するというアナウンスがありました。普通に考えるとmineoの後追いのみだという感じもしなくもありませんが、IIJmioの場合は同じプランでもSIMの複数を増やした場合、同キャリアでなくても違うキャリアを混在させることが可能だとホームページの説明に書いてありました。

これは、具体的にはIIJmioの中で最安の「ミニマムスタートプラン」データ専用プラン月額900円(税抜価格 以下の表記も同様)を契約した場合、2枚目のSIMを使う場合は、さらに月額400円を追加して計1,300円で2枚のSIMを高速クーポン3GBをシェアしながら使うことができるということですが、この2枚のSIMカードにdocomo回線とau回線を混在させることができるということになると思います。

今まではdocomoとauの回線をそれぞれ持つには2回線分契約するしかありませんでしたが、今回IIJmioがこんな形のものを出したことにより、一契約でdocomoとauの2つのキャリアを持つことができるようになるというわけです。

このようにあえてキャリアを分けて2枚のSIMカードを持つメリットというのは、第一にエリアの問題があります。3つある国内のキャリアは使えない場所を無くすために努力していただいてはいるものの、不通エリアを無くすのは不可能です。利用するエリアが決まっている人なら電波が届かない場所には近寄らないようにすればいいのですが、色んな所に出掛けている人にとってはスマホが繋がらなくなることは死活問題にもなりかねませんので、できるだけ穴は塞いでおきたいものです。

NTTdocomoはLTE対応のSIMカードでも3G通信が使え、その中でも山間部に強いと言われる「FOMAプラスエリア」が使えるのはauにはない魅力です。しかしauの方もゆくゆくは3G停波のスケジュールを早目にクリアしたいという感じて事業展開を進めいるという話もあり、4G LTEで使えるエリアは年々充実しています。逆にドコモが3Gでしか繋がらない所でもLTEが使えれば、データ通信を行なう場合にはかえって有利になります。

SIMを使い分けるにはいろんな方法がありますが、スマホ2台という形だけでなく、メインのスマホをauのものにし、docomoのSIMはモバイルルーターで使うことでスマホが圏外になったところでモバイルルーター経由で使うという使い分けができます。どちらのSIMを使っても使える高速クーポンは合計3GBまでですので、いざという時にどちらかのSIMが使えればいいと考えることもできるでしょう。別にdocomoのSIMをメインにしてもいいのですが、モバイルルーターは主にdocomoを対応させているものも多いので、その辺は持っているモバイルルーターが何かによっても変わってくるでしょう。どちらにしても、スマホメインで圏外の時のみモバイルルーターを動かすというのでも十分役に立つでしょう。

さらに、一契約で2枚持ったSIMカードで別々のキャリアが使えるメリットを享受する場合、どちらのキャリアででも通話定額オプションが使えるというのはどちらをメインにするか迷うかもしれません。恐らくauの回線で5分ないし3分定額ができるのは今のところここだけだと思いますので、VoLTE対応のSIMフリースマホや、シムロック解除が可能なauのスマホをメインに使い、圏外対策としてdocomoSIMの入るスマホやタブレットと併用するパターンもあるでしょう。個人的にはメインスマホに組み合わせるのはタブレットを使った方が用途がかぶらないのでおすすめだと思います。

また、このプランを利用してガラケーとスマホの2台持ちをするという方法も使えます。ドコモのSIMならサイズさえ合えばガラケーに差しても使えるので(auのガラケーはVoLTE対応の4Gケータイで、SIMロックしてあるもの以外使えませんのであまり一般的ではないでしょう)音声プランを付けたドコモのSIMカードをガラケーに入れるだけでもいいのですが、オプションを付けて3分ないし5分の通話定額を付けたSIMを通話専用にしてauのスマホと2台持ちにするというやり方もあります。これらの場合、音声プランとデータプランの組み合わせになります。音声プランが1,600円に5分以内定額(830円)3分以内定額(600円)をプラスした上でデータ専用のau回線のSIMを月額400円で増やせば、

・3分定額のガラケー用SIMとデータ通信専用のスマホ(3GBまで) 2,600円/月
・5分定額のガラケー用SIMとデータ通信専用のスマホ(3GBまで) 2,830円/月

となります。通話定額をガラケーで使う場合、プレフィックス通話に対応した設定のあるガラケーでないといちいち電話番号の前に特定の番号を自分で付けてから掛けないと定額にならないので注意は必要ですが、通話専用とデータ専用のSIMを一契約の中でキャリア別で持てるというのはなかなか面白いものです。もちろん上記内容でdocomoやauで2回線をまとめて揃える方法もできますが、それではIIJmioで契約しなくてもいいので、どうせなら違うキャリアで揃える事をおすすめします。

さらにデータ通信だけでなく通話においてもエリアの穴をなくしたい場合は、通話用のSIMが圏外で着信できない場合に、もう一方のデータ専用SIMでも着信できる050から始まるIP電話サービスに加入しておき、データ通信用のSIMが入ったスマホにIP電話のアプリを入れ、その050から始まる番号に転送を掛けておけばいいでしょう。

また、音声通話SIMをdocomo、データ専用SIMをauにすることで、もう一つメリットがあることをご存知でしょうか。私自身も今使っているmineoのau回線ですが、データ通信専用プランにあえてオプションを付けなくてもSMSの基本料金がかからずメールのやり取りができます。逆に、docomo回線をデータ専用にしてしまい、同様にSMSを使おうとすれば、SMSオプションの料金が別にかかってしまいます。もし2台どちらも電話番号を使ってのメールを行ないたいという場合は、通話用をdocomo、データ用をauにしておくことで多少ですが安く2つの回線を利用することができるようになります。

いいことばかりのようなIIJmioのau回線ですが、3Gエリアで使えない以外の制限もあります。他のau回線を扱っているMVNOでもauの通信規制については3日で3GB以上利用した場合にはauの方針で速度規制が行なわれることが知られていますが、IIJmioの場合はそれだけではなく、docomo回線と同じく低速回線で3日366MB以上データ通信を使った場合も規制を受ける対象になるそうです。ただ、こうした規制がはっきりと行なわれることにより、ある程度スピードが安定的に出る期待が持てるという側面もあります。

インターネットを延々と低速回線で流し続けるような用途には向きませんが、使いたい時にしっかりと使いたい速度で使える安定性を求める場合は、やはりIIJmioの優位性が出てくるかも知れません。今回のマルチキャリア化によって、さらなるニーズが生まれてくると思いますので、今回の他社を含めての展開がどうなるかということにも期待してみたいと思います。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す