無料のキャンプ場は今後存続できるのか

一般の方が「キャンプ」と言えば夏中心に出掛けることが多いのではないかと思うのですが、最近はキャンプが一般化するとともに冬でもキャンプをする方々も少なからず存在するようです。ただ、夏に比べると冬のキャンプ場というのは人が少なく監視の目も緩いことから、夏とは違う問題が発生することもあるようです。

無料キャンプ場や天文台がある兵庫県猪名川町の公共施設「大野(おおや)アルプスランド」が今月から、キャンプ場を一時閉鎖したことがニュースになっています。ゴミを散らかしたり植物を柵を切ってまで取っていったり、近年ではそれまでの常識では考えられない状況が起こっているのだそうです。

キャンプを題材にしたテレビ番組が放送され、最近では「グランピング」なるキャンプとは少々違うスタイルでの宿泊が紹介されています。さらに冬のキャンプを楽しむライフスタイルがユーチューブで紹介されるなどする中、一番大事な「ゴミの持ち帰り」や、「来た時よりも美しく」という心構えを持たない人が無料で人もいないから何をやってもいいと勘違いするような事例が多く出てくれば、シーズンオフには閉鎖というのも仕方ない気がします。

これは、現代の社会においては今後も当然のように起こる現象であると言えます。インターネットが一般化する前には、車中泊でもキャンプでも仲間うちの「秘密の場所」であったり、「無料で使える穴場のキャンプ場」をごく少ない人たちで共有していた例もあったように思いますが、今では一度ネットに掲載されてしまえばそこは穴場ではなくなり、スマホで検索した人がこぞって押し寄せることでシーズンオフには閉鎖という流れになるのもやむ無しということになってしまうでしょう。

なかには、インターネットで情報を公開することについて苦言を呈する方もいるかも知れませんが、これは日本で個人のインターネットでの発信を何の前科もなければ禁止することはできないですし、一度アップされた内容を消そうとしても、個人情報に関わるものでもなければ消してもらうことも難しく、もしサーバーの意向で消してもらったとしてもキャッシュが残ってしまうということもありますので、それが良い悪いということとは関係なく、もはやネットで穴場のキャンプ場や車中泊場所を語ること自体がタブーになってしまったという風に考えなければしょうがないと言えます。

では、今まで便利に使わせてもらっていた「穴場」を持っていた人が、今回のような一部のマナーの悪い人たちの行動により、今までのように使えなくなってしまった人はどうすればいいのでしょうか。最初に紹介したように、現在のような真冬であってもキャンプ用品を用意してキャンプに出掛ける人が増えるという状況の変化があるわけですから、いわゆる荒らされたキャンプ場というのは今後も人が押しかけ、さらに荒れる可能性があるので、新たなキャンプ地であり車中泊地を発掘するしかありません。

ただ、無料キャンプ場については今では簡単にネットで検索できてしまうために、今まだ荒らされていないところでも、いつ標的になりシーズンオフ閉鎖への道をたどる可能性は今後については多くなっていくのではないかと思われます。荒らしを避けるためには管理人が常駐するキャンプ場の利用を行なうか、個人の所有する土地を使わせてもらうとか、誰でも利用することが難しい場所に移行するしかないような気がします。

では、今後「無料キャンプ場」はどうなってしまうのかということになってくると思いますが、現在の無料キャンプ場がその管理者の善意に基づいて存在していたことを考えると、その存在が知られたものから潰されていくような形になればなるほど、使える無料キャンプ場というものが冬季閉鎖というような形で使えなくなるか、有料化への流れになってくるのではないかと思います。

もっとも、無料キャンプ場というのは最初に紹介したようなキャンプ場荒らしに遭遇した場合、管理者がいないことでかなり危険な目に遭う可能性もありますので、キャンプ上級者でもなければ、シーズンオフの利用というのは十分気を付けて利用すべきだと思います。車中泊での利用も同様なことが言えるでしょう。テントの中よりも車の中の方が安全であることは確かですが、身の危険を感じるくらいのマナーの悪い人達と遭遇した場合にはとっととその場から立ち去ることも選択肢としては考えておいた方がいいでしょう。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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