車で逃げる心理とその後のダメージ

北海道で警察の取締(パトカーによる追尾)から逃れるため、国道を突如∪ターンし「逆走」して逃げた軽自動車を運転していた男の人が逮捕されました。この事件はたまたま複数台の車にドライブレコーダーが付いていて逆走の様子を捉えていたことから、かなりはっきりと逃げる軽自動車(ダイハツのオレンジ色の「エッセ」)の姿が映し出されていました。実際にこれだけはっきりと映っているということは、ナンバープレートの文字も明らかになっているでしょうし、バイクで最初から取締を避けるようにナンバープレートを最初から折り曲げて逃げるのとも違います。

ドライブレコーダーの映像がテレビに映し出された事で車の所有者・使用者が確定され、盗まれた車でない限りは今回のように逮捕される事は簡単に考えられることです。それでも逃げる人間の心理があるというなら、テレビや新聞は、同じように逃げたところですぐに容疑者として特定されてその場で捕まるのと比べると、相当後々まで響くダメージになるから逃げることは全く得になりませんというアナウンスはあってもよかったのではないかと思います。

過去には運転手の逃げ得になる可能性として、飲酒運転をしていて事故の後の検証や摘発を避けるためその場は逃げて、酒が抜けた後に出頭したり、警察に追い付かれる前に「追い飲み」して、前から飲んでいなくて直前に飲んだと言い切って飲酒運転での厳罰を逃れようとする場合がありますが、新たな重大事故に適用される法律が制定されるに至っては、逃げ得や追い飲みをしてもさらに厳しい処罰が下される可能性があり、そんなに運転手の思い通りに逃げおおせることは難しくなっています。なかなかこの種の事故はなくならないという事はありますが、現代はこのように運転車が「逃げ得」を狙っても刑罰の面では確実にその責任を問われるということになってきています。今後も行政処分においては、すぐに自分の非を認めた方がダメージが少ないという形でのアナウンスができるように、現場での取締を行なって欲しいと思います。

最近では事故ではないものの、別の角度から車で逃げた事がニュースになった事件がありました。荷物を配送する軽貨物車が行方不明になったというものですが、荷物を一つも(?)配らないまま運転する本人に連絡が付かなくなったことから、当初は事故(崖や海に落ちたのではないか)である可能性も考えられたものの、実際はとあるコインパーキングで荷物を持ち出した車の中で寝ていたところを逮捕されることになってしまいました。

逮捕の直接の原因は、配達時に必要なことがある(代引きや着払で先方から集金することがあるため)支給されていた「お釣り」用の数万円を使い込んでしまったということだったのでした。

この際乗っていた車が本人の名義の車かはわかりませんが、少なくとも載せていた荷物が届かなかったことについて、荷主の方でお詫びの対応をしたこともあったようですし、お釣りの使い込みだけなら金銭的な弁償と職場への誠意を見せることで解決したかも知れませんが、本人が見付からない状態で全国ニュースになってしまったことで、逮捕された方のその後の人生にも大きな影を落としてしまったように思います。

私がこのニュースの第一報を聞いた時には車ごといなくなったということだったので、全国どこでも動いている車を探すにはNシステムがありますし、大きな道を通って逃げている分には簡単に見付かってしまいそうなので、まさか車に乗って逃げていないのではないかという気がしていました。しかし、荷物の載った車でそのまま逃走ていてまさかの捜査網の網に引っかかって逮捕になったわけですが、この「逃げ方」についてもあまりにもお粗末でした。現代は歩いて逃げるのでも多くの監視カメラに顔を写されてしまい本人を特定されることもあるのに、ナンバープレートで自分の事を晒す車で移動するというのはあまりにも逃げることの意味がない(つまりすぐに車や個人を特定されてしまう)事がわからず逃げていたというのはあまりにも短絡的で感情の赴くまま逃げてしまった事が伺えます。

今回逮捕された男性は、何らかの雇用主に対する不満や、仕事をうまくこなせないことの焦りを感じていたのかも知れませんが、頭がパニックになってしまって現実から逃避するような事になってしまったのかはわからないものの、荷物をほったらかしにすることで雇用主を困らせようと考えたとしたら、それはさすがに考えが浅いと言わざるを得ないでしょう。そもそも車を運転すること自体、事故を起こせば関係ない人にも怪我をさせたりするわけで、車の登録情報は全て管理されているわけですから、逃げるにしても車でそのまま逃げるということは絶対に良いことはないということを改めてここで訴えたいと思います。

最後に誤解なきように書いておきますと、この稿は決して「うまく逃げる」ということを勧めるものではありません。車ではうまく逃げられないから別の方法でということでは決してありませんので(^^;)。車で逃げる選択をした場合に恐いのが、うまく逃げおおせたと思っても必ず追いつめられるのに全力で逃げようとして、車を人命をも脅かす凶器に変えてしまう可能性があるということです。正常な判断ができるかわからないような状態で、車で逃げ切ろうなんて考えは決して起こさないように心掛けたいものです。


カテゴリー: 車関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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