車検証の電子化で何がどう変わるのか

まず、先日のブログ記事で紹介した宇宙から帰ってきた日本の実験サンプルについて、タイガー魔法瓶の作った「究極の魔法瓶」の中で無事に一週間4℃を保ち、中のサンプルの劣化もなく、ニュース映像で見た限りでは魔法瓶本体の損傷もなく綺麗で、今回の試験は大成功に終わったということになったようです。今後、タイガー魔法瓶の新たな宇宙品質の新製品開発に期待します。

さてここからが本題ですが、国土交通省は2022年度(2022年4月)から、今までの紙の車検証を止める方向で考えているらしく、ICカード方式で電子化する方針を固めたという事がニュースになっています。四輪だけでなく自動二輪も対象に考えているということですが、あまり気にしない人にとってはどうでもいい話だとは思います。ただ利用者にとっては車検費用が安くなるのではないか? と思われるところもあるので、現在わかっている範囲の中で、何がどのように変わるのかについて紹介させていただきたいと思います。

まず、現在の車検証については、紙にプリンターで印字したものが交付されるものですが、新しい車検証はキャッシュカードやクレジットカードのような、ICチップの入ったカードの形で交付されることになります(当初は紙による今までのような形式の明細が付くそうです)。カードには車の「所有者」「使用者」「車の登録番号・車体番号」のような自分の名義にして乗っている分には変わらない情報が印字されることになります。

実際の車検証にはこの他、車自体の詳しい内容や車検満了日などが記載されていますが、車検を通すことで新しくなる車検の有効期限などの情報がICチップの中に入ることになります。現在の車検証でも欄外にQRコードが印刷されているのを確認できるかと思いますが、そのQRコードをスマホのカメラで撮影しながらコードを読み込むことによって出てくるデータが小さなカードの中に入るということになるでしょう。

新車や中古車を購入する場合は、新たに自分名義のカードを作る手間がかかるので、これは車検証を発行するところまで直接行かないとカードを発行して即日交付ということは難しいと思いますが、住所が変わらない状態で継続車検をするような場合にはかなり手続が簡略化されることが期待されています。

というのも、継続車検の場合は紙の車検証の内容は住所氏名が変わらなければ、前の車検証と変わっているのは車検の有効期限がいつまであるかということだけだったりします。今まではその内容を書き替えて紙の車検証として出力するには全国の陸運事務局(普通車の場合)、軽自動車検査協会(軽自動車の場合)まで直接出向かなければならず、お住まいの場所からすぐには行けない可能性もあります。そのため、整備業者に代行車検を頼んで車検を行なう場合の費用の中には、この書類を提出して紙の車検証を出力して受け取ってくることについて手数料(主に現場まで往復して書類を作成して提出する人件費でしょう)が含まれていたと思います。その点についてはニュースによると、車検を行なう業者はカードリーダーを使ってパソコンに電子車検証の内容を読み込み、ICチップの中に記録された車検期間の部分を書き替えることで、直接車検業者が役所に出向かなくてもネット上だけで完結し、新しく車検を取った内容が内部に記載されたカードで更新されるようになるとの方針でした。そうなると、人が車検証発行のために出向く必要がなくなるので、その分の費用が発生しない分車検費用が安くなるのではないかということになります。

ただこうした動きを業者側から見ると、ネットにつながるパソコンとICチップの書き替えが可能なカードリーダーを導入する必要が車の販売店や整備工場には出てくるわけですが、いわゆる古くからやっている小規模なお店では車検自体ができなくなって止めるところも出てくるかも知れませんので、車検でお世話になっている業者さんに、次の車検の時期にでも今後の状況について聞いてみることをおすすめします。

また、カードの中に入っている内容については、ユーザーがすぐに確認できるようにNFCセンサーが付いているスマホやタブレットにかざすと車検証の内容が全て見られるような形にしてくれると、ユーザー側の利便性も上がると思いますが、そうではなくICカードに印刷されたQRコードをスマホで撮影することでネットから確認するようになるのか、その点についてはまだどうなるかはわかっていません。

また、車検をする前にカードをリーダーに通してネットに接続することで、その車の個有のリコール情報を事前に入手することができるようになります。現在は車検を受けて、紙の車検証を出力する際に同時にリコール情報を書いた紙が出されるので、業者の方としては車検がようやく終わったと思ったら、まだ未対応のリコール情報が出てきた場合、改めてディーラーに電話をしてリコール対策の作業をお願いするため、完全な状態でユーザーが車を受け取るまでにさらに時間がかかってしまうのが当り前でした。それが、車を預かってカードリーダーを通すことによって先に未対応のリコール対策作業の必要がある場合には迅速に連絡ができ、結果として早く作業を終わらせることもできるようになるでしょう。

ここまでは主に車検についての話でしたが、今回の電子化を機に、車の登録をするための書類の提出や実印の捺印などの極めてアナログな作業が省略できるようになることも期待しています。具体的には特に普通車の登録の際に必要になる警察に提出して出してもらう「車庫証明」や、手続きを第三者に委任する場合に必要になる所有者の実印と印鑑証明書について、一部の書類だけでも省略できるようになれば便利です。この辺についても、実務の簡略化ということが電子化でできるようになればお願いしたいところです。

また、これは全く私の空想の話に過ぎませんが、車検証カードを常に車内に携行するために、車内にカードスロットを作り、車検が切れた状態ではエンジンがかからないような車ができれば、現在問題になっている「車検切れでの走行」を撲滅することができます。ただこれはメーカー側が「飲酒運転検知車」のように、そんな車は作らない可能性もありますが、本気で車検切れの車を走らせないためにはそこまでの仕組みを作る必要も出てくるのではないかと思っています。

さらに国土交通省では検討を重ね、2019年3月くらいまでにはセキュリティ対策やシステム構成などについても結論を出したいとのことです。すでに車検の際の納税証明書の添付については2015年に電子化されており、払ってあれば問題なく車検が通ります。実は私の車は今月車検なので、今の車では恐らく電子車検証を利用することはないとは思いますが、次回車を買い換える時にできるだけ書類を少なくすることができるような対応をお願いしたいと思います。


カテゴリー: 車関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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