スマホが普及するに連れて、スマホ自体を時計の代わりに利用することで「腕時計」は要らないという風に考えている方も少なくないと思います。私自身は昔から腕時計に強い憧れがあるので腕時計は何本も持っているのですが、元々腕時計をする習慣がないという方にはあまりいい情報提供にはならないかも知れません。ただスマホと関連付けて情報を腕の中に持つという「Apple Watch」が現在も普及していますし、スマホがあれば時刻チェックは十分と考える方にもこうしたデバイスについても興味を持っていただければと思います。先日「時の記念日」ということもあって、今まで気になっていた新しい腕時計を購入することにしました。カシオから出ているフィズというブランドのSTW-1000-7JFという型番で、この型番が「白」を表わすようです。
ぱっと見ればとてもフォーマルの席には似合わない「チープカシオ」(良い意味を込めて呼ばれるシンプルで安そうに見えるカシオ製腕時計)だろうと思われる方もいるかも知れませんが、確かにこの時計は見てくれ通りのチープさで定価こそ1万4千円台ですが、ネットでは常に半額くらいの流通価格になっています。私はそこからもう少し安い価格で購入することができましたが、だいたい通常でもネットでは7千円くらいで手に入ります。
実はこの時計は陸上競技などをする方や、サッカーの審判などストップウォッチを常用する人のためにストップウォッチ機能が使いやすくなっています。それと同時に、比較的時間を示す液晶表示が大き目で、最初の写真では見にくいかも知れませんが、中央に「時刻」、上部に英語による「曜日」、下部に「年・月・日」の表示があり、全ての時に関する情報を一覧できるようになっています。腕時計において、しばしば格好良さを追求すると必ずしも時間や曜日、日付が見えにくいものになりがちですが、この時計はデジタル時計の中でも文字が大きくて見易い方ではないかと思います。重さは樹脂ベルトということもあり47gという付けていることも忘れてしまうレベルの軽さです。
また、ランナーズウォッチとされるだけあって、防水機能もあり日常生活用としては十分な10気圧(100m)防水になっています。だからといって頻繁に水の中に浸けたりすることは止めましょう。あと、これ以上の防水機能があっても真水と違って様々な成分の含まれる温泉・鉱泉に付けながら入るのは確実に時計にとっては悪いことなので(私はそれでSEIKOの新しいクオーツ時計を駄目にしました(^^;))、防水機能の過信は禁物です。ただ、自転車やバイクに乗っていて雨に降られても安心ではあるでしょう。
ただ、これだけだと2千円から3千円くらいで売っている更に安い時計でも同じくらいの性能を持ったものはありそうですが、この時計のさらなる購入動機を刺激するポイントは実売7千円台という価格で、世界6局(日本×2、北米、英、独、中)に対応する電波ソーラー時計であるということです。世界をまたにかけてマラソン大会にチャレンジする人にとっては、世界の主な都市で行なわれるマラソン大会でも正確な時間を刻み、電池交換の手間もいらないこの時計は有難いものでしょうし、マラソンはしないと思われる私でも、海外旅行に行っても自動的に現地の時刻を正確に表示し続けてくれる電波ソーラーがこれだけ安く手に入るというのは有り難いです。
実のところ、私的にはこの時計は仕事中など作業用の時計として最適ではないかと思っています。というのも、企業の中には様々な個人情報を取り扱っている中で、仕事中にはスマホを職場に持ち込めないという方も少なからずいるのではないかと思います。スマホは時計としても大変に優秀で、ネットを利用してタイムサーバーにアクセスすることでこまめに時刻を修正することを繰り返すことで、電波時計と同じくらい正確な時間を表示することができます。さらに専用のアプリを利用することで、GPSが刻む正確な時刻を表示することもできます。私は非電波時計を合わせる時にはスマホが受信するGPSからの時刻を使って時刻合わせを行なっているのですが(電波時計の送信局が休止してしまった場合にも有効な方法です)、仕事でスマホが使えない場合、特に時間や日付を頻繁に確認するような事が多い仕事ではやはり困ると言えば困ります。
電波時計については東日本大震災で福島にあった送信所が電波を一時止めたことがあったため、電波を受信できなければ「並みの時計」になってしまう電波時計は究極の時計ではないかも知れません。電波時計でなくても時刻合わせがマニュアルいらずでできるアナログ時計の方がいいという方も当然いるでしょう。私もそうした考えの元に長く使っている見やすいアナログクオーツを持っています。
ただ、アナログ時計の一つの問題として夜の暗闇の中での時刻の認識が難しいということがあります。私の持っているアナログ時間は広い面積の針に性能の高い発光塗料が塗られているので、十分に光を浴びた直後の認識は良いのですが、暗闇に長時間置いたままではさすがに別のライトで照らさないと時間がわかりません。
その点、デジタル時計はLEDによる照明が付いているので、ボタンを押せば真っ暗な中でもはっきり時刻がわかります。カシオの一部のデジタル腕時計では、水平にした状態から角度を付けて位置をずらすと自動的にライトが点灯するオートライト機能があるので(この時計にも付いています)、バイクでのツーリングや車中泊の旅でも大いに役立つことが期待されます。キャンプ場などで夜中に時刻を確認したい時には便利です。大きな災害の影響で電波時計として使えなくなる状態が起こった時にはアナログの時刻合わせがやりやすいものと交換して使うことと割り切れば、普段使いの時計として便利に使えるだろうと思います。
唯一の心配がベルトや液晶、二次電池の耐久性ということになると思いますが、カシオでは電池交換はメーカーで行なっていて、この機種の電池交換の費用は2019年現在、3000円(税抜)ということになっているので、実売価格より安く利用できるというのもうれしい点です。また樹脂ベルト全体の交換も行なっているようで、このモデルの場合は3600円(税抜)ということでした。単体での故障なら直して使い続けられる価格設定になっているように思います。カシオのデジタル時計ということではすぐに「Gショック」を連想し、そちらの方に行ってしまう方も多いと思いますが、耐衝撃性能を追求しないのであればこの時計もなかなか良いのではないでしょうか。恐らく、ランナー以外の方はあまり注目しないのかも知れませんが、学生の方の常用や、外で作業される方、海外を含む旅行やレジャーの時にしていく腕時計としてはかなり高いレベルにある逸品ではないかと思います。色違いも色々ありますので、自分に合う色を探してみてはいかがでしょうか。