こんな時だからこそ車の設計に「災害対応」を

熊本の地震から3ヶ月経ち、先日になってようやく崩壊を免れている熊本城の修復についての映像がテレビから流れてきて、さらには補助による九州への旅行に割引きが出るチケット「九州ふっこう割」も売れゆきが好調らしいとのことで、ようやく復興に向けての流れが出てきたように感じています。

そんな中、政府では4月に発生した熊本地震の初動対応に関する検証報告書を公表し、その中で車中泊をしている人の把握がうまくできなかったということと、同様の災害で車中泊を解消するために、避難所確保などの改善策を年内にまとめる方針だという事です。

こうして内容を紹介すると、車中泊をしている人というのは避難をしている人の把握を難しくしていて、更にはエコノミークラス症候群になる可能性もあるので、できるだけ車中泊をさせないという方向性を政府が打ち出していることがわかります。

今後、避難所を確保して今回の地震で車中泊をしていた人を誘導するための改善策を出すならば、そもそも多くの人が車中泊をせざるを得ない原因もつぶしていく必要が出てくるでしょう。具体的には、

・ペットの避難場所の確保も同時に行なう
・就学児未満の子供のいる家族の避難場所は一般とは別に確保する
・避難所内での近隣トラブルを未然に解消するための人員を確保する

今思い付くだけでもこれだけの事はしっかりと対策しないと、避難所に行かないで車中泊をする人を減らすことはできないように思えます。避難生活における車中泊というのは体を伸ばして寝ることができないというケースにおいて生命の危険もあるということで、車中泊はしないで欲しいというような論評も多く、このブログでも無理な姿勢で車の中で寝るよりも、足を伸ばして避難所で寝る方がいいということは書いてきましたが、今後の災害対策ということで考えるなら、あえて車中泊できる環境を作るような取り組みも有りなのではないかとも思えます。

現在日本で売られている車には様々な種類がありますが、シートを折りたたんでも大きな段差が残るためそうした車の中で車中泊を強行するには、単にシートを倒しただけで体に負担が出るような寝かたしかできないケースが多くありました。もし政府レベルでいざという時の対応を考えてくれるのなら、国内の自動車メーカーに打診してシートを倒して前列と後列が一直線になる形でフラットになるような車も設計して欲しいと頼むこともできるのではないかと思います。

例えばセダンタイプの車であってもトランクスペースまで使えるようなシートアレンジにして、さらに前席とつなげてミッションもフロアにすれば、大きめのエアマットを敷けば家族で足を伸ばしていざという時は寝られる車となります。非災害時には車中泊用として使い、いざという時にはエコノミークラス症候群発生の恐れなく車中泊できる車が多くなっていけば、あえて避難所拡充という対策を取らなくても、とりあえずは車内に避難できる環境は整うわけです。

車のメーカーとしてもいざという時には車の中で足を伸ばして寝られるという事はいわゆる災害シェルターの代わりになるということで、セールスポイントの一つになるような気もするのですが。少なくとも今回の熊本地震ではきちんと避難場所が用意されていてもあえて車中泊を続けた人が多くいたわけですから、車中泊の環境を上げる方策も同時に取って行って欲しいと思います。


カテゴリー: 車中泊関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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