神戸製鋼アルミ製部品に対しての自動車メーカーの対応から

先日このブログで紹介した、強度などの具合がどうなっているのがよくわからない中で自社の製品を取引先の企業に出してしまったことで問題になった神戸製鋼所のアルミ製品について、一部の自動車メーカーが一部製品に使われている部品の強度についての調査結果を発表しつつあります。

まずは、ホンダとマツダ、そしてトヨタ自動車が部品の強度には問題ないことを発表しています。具体的にアルミ製品は車のどの部分に使われているかと言うと、車のボンネットやドアなどに使われているそうです。元々ボンネットなどは車体を軽くするために鉄でなくアルミにする流れがあったそうですが、最近は事故を起こした場合にその衝撃を分散させるようにわざと破損しやすく車のボディを作っているというところもあります。

さらに、燃費を良くするためには車体を軽くする必要があり、電気自動車の開発にもアルミ製の部品は必要とされます。今回の発表で、恐らく国内の自動車メーカーについてはリコール騒ぎなどは起こらない可能性が高くなったと言えるのではないでしょうか。

ただ、結果オーライという形で考えている方がいたとするなら、それば違います。今回の神戸製鋼の不正は小さなことかも知れませんが、大きな事故というのは、普通ならほとんど問題にならない小さなミスが積み重なり、さらに天候の悪化や運転のミスなどの不運が重なって起きることが多いと言われています。車体の設計に携わる方は、神戸製鋼の出したデータを基にしてきっちりと検査して製品として送り出すわけですから、製品として世に出た時点でほんのわずかではありますが思っていた通りの性能になっていない状況がすでに起こっています。

そうして部品が車として組み立てられるわけですが、自動車メーカーの方で車を安全に運行するための試験は十分に行なわれているようでも、先日明らかになった日産での検査の不完全さが明らかになったようにその内容が不十分で出荷停止になるような状況が重なれば、さらにカタログ上の性能が保証されない形で新車が世に出ることになります。

車の検査はかなり過酷に行なわれていて、さらに日本の場合は車検制度もあるのでそうそう深刻な事は起こらないかと思いますが、メーカーが想定されないような使われ方をされてしまい、さらに大きな災害が起こった時に走行しなければならないなどの様々な要因が重なった場合、もしかしたら部品がきちんと作られていたり、車の出荷前検査がしっかりと行なわれていたら見付かった不具合を見逃したりしていたことが事故の原因の一つになったとしたら、やはりこれは取りかえしのつかない事になってしまいます。

不幸が重なって大事故になってしまったかのタイタニック号が沈没した原因の一つに、使われていた鉄がもろくて低温にも弱いものだったり、不完全な防水壁しか作られていなかった設計の甘さがあると言われています。さらに、タイタニック号を納品する際に用意されていた救命脱出のためのボートは定員と比べると極端に数が少なく、この救命ボートに乗れなかった人は冷たい海で生命を維持することができませんでした。

これらの事は、きちんと船を作る段階で考えていればクリアできることで、船の沈没は防げなかったとしても人命はそこまで奪われることはなかったかも知れません。そのくらい物を作る中で、いかに致命的なエラーを少なくするかという事が重要かわかるかと思いますが、昔も今も、一部のメーカーではあまりにもものづくりの精神をないがしろになっている状況があるのではないかとの想いを強くせざるを得ません。

今回の事はもし今後とも問題はなかったとしても、将来にわたっても大丈夫かと問われれば、決して大丈夫とは言えないような内容ではないかと思われます。これも先日起きたニュースで、恐らく走る大型トラックから落ちたと思われるタイヤに乗り上げる形でトレーラーが転倒したことで、その直前に事故を起こし路肩に逃げていた親子の命が失なわれてしまいました。トラックから落ちたタイヤは単なる運転前の点検漏れ(ボルトが締まっていなかった)のか、それともタイヤを止めていた部品が経年劣化で取れてしまったのか現段階ではわかりませんが、あらゆる状況を考えて対策を取るような事がきちんとなされていえば、そもそも起きなかった事故ではないかという想いを強くする出来事でした。

特にこれからの自動車業界は世界の国々と競争しながら電気自動車にシフトしていくことになるわけですから、直接の事故の対応だけでなく、大きな事故を起こして世界中でリコールを行なったり賠償請求をされて会社として立ち行かなくなってしまう状況も考えられます。改めて日本の製品だったら安心だと言われる品質を目指して自動車メーカーもしのぎを削っていただければと思います。


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