皆さんは050番号を使ったIP電話というものについてご存知でしょうか。IP電話とは、携帯電話の音声通話のように、専用の回線を使って通話するのではなく、インターネットのデータ通信網を使って音声通話を行なう仕組みのことです。これだと、「データ通信専用」のSIMカードであってもIP電話事業者との契約をすれば050から始まる電話番号がもらえ、固定電話や携帯電話・スマホからも電話を掛けたり受けたりすることができます。
ただ、どうしても専用線でない一般のネット回線を使うということで、通話品質が落ちるということはあるのですが、それでもデータ通信用のSIMを発行する際には本人確認を一部省略できますし、050という番号と通話品質に固執しなければ、安いコストで電話番号を維持できるということで、私も複数の業者と契約していました。
しかし、時代の流れとともに、基本料無料で利用できていたSMARTalk(現在はサービス終了)や、固定電話のようなIP電話機にセットして使え、さらにあの0570から始まるNTTのナビダイヤルへの通話料が安いことで注目された050plus(現在は新規受付終了)などありましたが、現在はMVNOのmineoを展開するオプテージが提供するLaLaCallが主なサービスとして利用されていました。
このLaLaCallについて基本料の値上げが発表されました。現在は月額110円で維持できていたのですが、2025年7月からは月額が429円に上がります。およそ4倍になるので、単に二つの番号を維持してはいるものの、ほとんど使っていなかった人にとっては、ちょっと懐に痛い変更になっています。
ただ、オプテージが展開しているインターネット系サービス(eo光ネット/eo光電話/eo光テレビ/eo電気/mineo)に加入している場合、同じ月額429円払っても、通話に使える「無料通話」が550円分付くので、毎月それ以上050番号で発信しているようなビジネス利用の場合には、毎月の利用料は以前と変わらないということも起こり得ます。そうは言っても、メインの番号を050番号で公開して、通話する場合にも電話をIP電話で掛けるような使い方をしていないと、毎月の負担はじわじわ効いてくるような感じがします。
私は過去に、IP電話を契約していると使える「ボイスメッセージ」(相手から入ったメッセージを音声ファイルにしてメールに添付して送ってくれる)を留守番電話代わりに使っていたこともありました。LaLaCallが今の月額110円であればそうした使い方をしてもお得でしたが、7月以降はぶっちゃけ今使っている通信会社の留守番電話サービスをそのまま使ってもそう負担は変わらないと思うので、その点についても微妙という感じになりました。
やはり色々なものが値上りし、人件費も上がっていく中では無料に近い系のサービスは衰退するしかないわけで、その辺を考えた上で今IP電話の契約をしている方は今後どうするかを考えた方が良さそうです。冷静に金額だけで比較すると、マイネオのデータ専用1GB(880円)とLaLaCallのセットは合計1,309円になるので、日本通信の合理的みんなのプラン(月額1,390円でデータ通信20GBと通話が5分定額か月70分無料通話)と比べてしまいます。ただ、LaLacallには無料で留守番電話サービスが付くので、その辺をどうとらえるかでしょう。特に今、LaLaCallを使っておられる方は、冷静にその辺は考えた方が良いと思います。d;