おせち料理の通販は、実はそれなりに利用しています。買い物をして正月料理を揃えようとしても、最近は物価上昇の影響もあり、ほんの少しの具材を揃えても結構な額になってしまう状況になっているので、1万円前後でそれなりに味がよく、全ての正月用の食べものがそろったおせち重はなかなか便利なのです。私のところで注文したおせちの到着は本日の予定ということで、注文時には昨日から本日(29か30日)ということだったのですが、少し前にはがきで到着日が決定したという連絡があり、さらに発送業者のヤマト運輸から、事前に連絡が届いたので、何とか無事に本日中に来ることを期待しています。
そんな中、今回問題になったベルーナのおせちは2024年12月29日に到着する予定の冷凍おせちで、冷蔵庫で12時間置いておくことで解凍されるということで、少なくとも31日の午後一番くらいに来ないと、お正月の朝に解凍された状態で食べられないということになります。そういったことから届いて解凍し忘れても何とかなりそうな29日に到着するような形で注文を取っていたのだと思うのですが、今回はベルーナがテレビで頻繁に宣伝をしていたものを含め、同社のおせちを注文した人のうち約1万5千個が期日までに届かないことが明らかになり、ニュースになっています。
ニュースについて一般ユーザーが付けているコメントを見ると、「だから日本の物流は」というような、宅配便の配送業者への批判のようなものもかなりあったのですが、今回の報道を見ていくと、必ずしも配送業者が悪いのではないのでは? と思うことがあったので、少しニュースの内容を良く読んでみました。今回は、その内容について見ていきたいと思います。
今回のニュースは販売元のベルーナによる謝罪文が公表されています。その中には、「商品出荷準備の手配にミスがあり、商品をお届けすることができなくなったことが判明いたしました。」とあります。ちなみに、ベルーナのおせちについては2024年12月に入っても小さい方の1万円のおせちについてはテレビコマーシャルをかなりの数流していて、ぎりぎりまで販売をしていました。そうなると、実際に用意した商品数が足りなかったということは考えにくく、恐らく注文されたおせちを宅配業者に渡すための手続きがされていなかったか遅れてしまっていたことが考えられます。
流通業界についてはベルーナだけでなく多くの業者のおせち料理の宅配を請け負っていると思います。そのために業者は宅配業者と打ち合わせをして、宅配業者が請け負うことのできるぐらいの個数の全国配送を依頼することになります。宅配業者の配達能力を超えてしまうような注文は当然受けられないでしょうし、今回のことは実際に注文を受けたデータの一部が処理できておらず、商品(おせち)を宅配業者に引き渡すことすらできていなかったことが考えられます。そうなると、もはや宅配業者の能力云々という話ではなく、ただただ注文を受けた自社の不手際ということで、ベルーナがお詫びの文章を出しているのだろうと思います。
おせちのような「早期割引」のある商品というのは、かなり前に注文していて配達までかなりの時間があることから、担当者のついうっかりしてのミスが、最悪の結果をもたらしてしまう可能性を秘めています。最初に紹介した私が注文した業者の場合は、最初から配達日が決まっていなかったからかも知れませんが、配達日が決まったという連絡を電子メールだけでなく郵送のハガキでも出すことによって、事務レベルでも届け漏れを生むことを防いでいると言えます。
さらに個人でできる対策として私は大手の業者(佐川・ヤマト・郵便局)の登録会員になって、荷物の配達が始まる前にLINEやメールで「荷物お届けのお知らせ」が届くようになっています。こうした手続きにより、業者から追跡番号の付いた発送の通知が来たのに物流の方で止まっているような状況があれば、全てネット上でわかるようになっています。今回は昨日の段階では自分の住んでいる地域の営業所まで来ているので、販売業者にも物流業者にも問題はないということがわかるわけです。
ベルーナではお詫びとして千円分のギフトカードを出すということですが、配達予定当日にまだ業者にも渡っていないかも知れない荷物を超特急でお願いしようとしても、恐らく年内には難しく、正月になってもいつ来るのかわからない状況になることも予想されます。企業の不祥事では一律500円という対応が多いですが、今回は期日指定でしかも日本人には大切なおせち料理の遅配ということで、それなりの誠意は見せていると思います。ただ、通販専門としてやってきた会社であるだけに、その信頼を回復するのは大変だろうと思います。
今回のニュースで、普通に注文して普通に届くことは当り前であるという事が、ちょっとしたミスで台無しになってしまう可能性はどんなところでもあることがわかりました。私も来年おせちやクリスマスケーキなどの注文をどうするかはわかりませんが、少なくとも今回のような最悪の状況になる前に気付けるような予防線を張っておき、異変があっても早目に気付いて対処できるようにすることは忘れないようにしたいと思っています。ネット通販は思いの他、こうした不達のトラブルに遭遇する可能性がありますので、余裕を持って注文することを心掛けようと思います。