2021年に販売を開始した、東芝の災害用ラジオTY-JKR6を改めて購入してみました。現在、手回し発電ラジオはTY-JKR6の前機種であるTY-JKR5を持っているので、同じようなラジオは必要ないと言われればその通りかも知れません。ですが、今回通常の価格より安く5千円弱で売り出されていたので、使い勝手などを比較してみることにしました。今後、防災用ラジオの購入を考えられている人の参考になれば幸いです。
まず、二台の大きさを比較してみました。JKR5の方が小さくて重さも軽いです。今でもJKR5に対する自分の評価は高く、個人的におすすめしたい防災ラジオであるのですが、JkR5は2016年発売で、ホームベージを見ると生寒終了になってしまっています。それは、2021年に発売になったJKR6という後継機があるので、今後は次第に新品が買えなくなるのではないかと思います。これを書いている現在、JKR5はそれなりに値段も高くなっていますし、そこまでお金を出すのなら、もっと別の選択肢もあります。
JKR5のJKR6との大きな違いは、大きさもありますが、ラジオがアナログチューニングで電池持ちが良い(JKR6と比較して)ということが挙げられます。今回購入したJKR6は、一つのICによって選局・検波・復調という動作を行なうデジタル方式のDSP方式を採用しています。部品が少なく調整も必要ないので簡単に組み立てられ、特にFMの感度が高いと言われています。ただ、従来のアナログ方式(JKR5や低価格のダイヤルチューニング式ラジオ)と比べて多くの電力を消費するので、同じ電池を入れても聞き続けられる時間が極端に少なくなります。以前もこのブログで紹介しましたが、JKR6を手回し充電でなく単四アルカリ2本でFM放送をスピーカーで聞き続けた場合の連続利用時間が30時間であるのに対し(手回しだと一回15分)、JKR5の方は40時間(手回しでは40分)と、デジタルとアナログで電池持ちはかなり違います。
もし、もう少し大きくして電池が単四ではなく単三2本であればと思いますが、単三2本でアナログ方式、しかも東芝の防災手回しラジオと同じキャパシタに蓄電するタイプのラジオが有ります。山善のYTM-R100がそれで、手回しでFM放送をスピーカーで聴ける最大が60分で、単三アルカリ電池を入れると驚異の120時間も聴けます。ですから、ホームラジオとして使いながら非常用としても使うなら、YTM-R100で良いと思いますが、今回は私がなぜTY-JKR6を買い足したかということについて書かせていただきます。
また、JKR5との比較になりますが、内蔵のロッドアンテナはJKR6の方が長くなっています。デジタルのDSP方式であるJKR6の方がFMの感度が良いと書きましたが、さらにFMラジオを聴く場合にはアンテナの性能に左右されますので、多少でも長い方が安定した受信ができるということになります。ラジオはAMに限るという方も当然いると思いますが、現在は多くのAM局がFMでの同時放送を行なっておりますし、私の住む市の広報を流したり大きな災害が起こったり、津波警報が出た時に地域の情報を流し続けるのは地域のFM局になりますので、FMの感度というのは意外に大きなポイントになります。
さらに、JKR6はデジタルチューニングで、AM・FM局それぞれ3局のメモリーができますので、自分の住む地域で何か大きな災害が起こった時、ラジオのスイッチを入れてボタンを押すだけで目的の放送局をピンポイントでつかまえることができます。この点が私には大切でした。JKR5でも同じことができるのですが、本体だけでなくチューニング用のつまみも小さいので、デリケートな作業が例えばこれからの季節、寒さで手がかじかんでしまった場合にはなかなかうまく放送局を受信できないというような事が起こるかも知れません。防災用手回しラジオの中では、デジタルチューニングのプリセット方式というのはこのラジオが唯一なので、デジタルラジオでの電池の持ちの悪さは我慢しても、外に持ち出して何かあった場合に外でもすぐにラジオを聞けるようになるというラジオの操作性というのは大切だと思います。
ただ、プリセット方式のラジオの場合、自宅のある地域から動かなければ良いのですが、車中泊の旅で地元でない旅先で災害に遭遇した場合には逆に放送局をオートチューニングで捉えにくい(特に山の中では電波が弱くなるので)、かえってアナログチューニング方式の方が出力の強い放送局を見付けやすいということはあります。ですから、今回購入したJKR6は通勤バッグの中に忍ばせて、ローカル局をプリセットしておき、いざという時にはピンポイントで情報を得るためのラジオとして活用しようと思っています。基本的にはエネループでも動くので、手回しはしないで電池駆動で使うことを想定しているので、デジタルDSPラジオ特有の連続使用時間が短い点もそこまで気になりません。
ただ、これはあくまで私の場合なので、あくまで手回しにこだわりたくないのなら安くて性能の良いラジオを防災用として使うのも良いですし、いざという時に電池がないのが怖いということであれば、手回し機能の付いたここで紹介したラジオも参考にしていただけると幸いです。