日本国内では昨日までMLBのワールドシリーズに注目が集まる中で、NPBの日本シリーズも並行して行われていて、その試合の中で色々な事が起きていて、個人的にはちょっと見ていて試合をしている選手たちがかわいそうに感じることがありました。
MLBのワールドシリーズでは、LAドジャースがNYヤンキースに敗れた試合の中でちょっとした騒動がありました。ヤンキースの選手が打った打球がちょうどフェンスとグラウンドとの間のぎりぎりのところに上がり、そのボールをキャッチしようとしたドジャースのムーキー・ベッツ選手のグラブから強引にボールを取ろうとしてベッツ選手の手を掴んで落球させた地元ヤンキースファン二人の取った行動が大きな物議を呼びました。
二人はヤンキースタジアムのシーズンシート(地元の試合を年間にわたっていつでも入場して見られるチケット)を取得していて、選手との距離が近い場所に陣取っていたらしいのですが、160分の1のリーグ戦ならそこまで注目されることはなかったのではと思いますが、米国だけでなく他の国々からも注目されているワールドシリーズで起こしてしまった暴挙に、その試合はヤンキースが勝利したものの、グラウンド外でのネットやマスコミを中心にこの騒動は拡散され、試合内容とは関係ないところでヤンキースファンが非難されることになりました。
昨日の試合は、途中まで見ていてこれはもうヤンキースの完全なる勝ち試合だなと思って見ていたのですが、まさかの展開でドジャーズが追い付いた中でヤンキースの守備のミスが重なってしまったのですが、もしかしたら前日のヤンキースファンの騒動がわずかながら選手の心に影を落とす中で起きてしまったのでは? とも思えるような感じもしました。当然選手はプロですので、グラウンド外の騒動など気にせずプレーに集中しているとは思うのですが、チームを応援するファンは、まず選手の余計な気を遣わせないように、試合の進行を妨げるような行動を取らない事がチームのためには必要ではないかという気がしました。日本国内では日本選手が活躍したドジャース称賛の声が大きいのですが、落球したジャッジ選手や、一塁ベースカバーが遅れたコール投手が心底気の毒で、ぜひ昨日の試合を糧にしてさらに飛躍して欲しいと思わずにはいられませんでした。
日本国内の日本シリーズでも、ソフトバンクホークスのファンと思われる人の指笛について、ベイスターズの東投手が気にして審判に訴え、審判も場内アナウンスで試合の進行を妨げるので指笛を投球直前に鳴らすのは止めて欲しいとアナウンスしたにも関わらず、再度鳴らしていたことで試合が止まってしまって以来、ソフトバンクは得点が取れなくなってしまいました。今後の展開はまだどうなるかわかりませんし、指笛の騒動が試合の内容に影響を及ぼしたのかはわかりませんが、少なくとも応援するチームの調子が下がるようなきっかけを作るような騒動を起こすべきではないでしょう。もし、最初の審判の注意に従って指笛を一回で止めていたら、シリーズの流れが変わっていたのではなどという憶測を呼ぶことはなかったでしょう。
現代社会はネットで色々なことが広がってしまうので、実際に現地に見に行って周りから顰蹙を買うような行動をすることだけでなく、テレビ観戦をしている中でネット上でつぶやいたことが大きな騒動になってしまうことが色々と出てきました。サッカーJリーグの町田ゼルビアに関する様々なピッチ外での論争および誹謗中傷が騒動になっていますが、これも現地で見ている人だけでなく、テレビやネット配信の中継を見ていた人、さらには直接見ないでネットで騒いでいるのでその情報だけを見て騒ぐような人もいて、町田側がネットで発言した人に法的措置を取るというかなり深刻な状況になってしまっています。
私の地元の清水エスパルスも、今年何とかJ1への復帰を果たしたものの、昨年はぎりぎりのところで東京ベルディに敗れてJ1昇格がならず、PKを献上したDF選手に対する非難はネットでかなり炎上したのを覚えています。応援しているチーム・選手について自分の意見を世界に対して発信できる今の時代には、ファンの行動や発言の暴走が選手やチームスタッフに影響を与え、本来は応援しているチームの調子を崩してしまう事も起きているのでは? と思うこともあります。
その昔、日本でサッカーワールドカップが行なわれた時、海外の「フーリガン」が日本にやってくる事について一部ではなーバスになっていました。フーリガンとはサッカーファンとは違い、社会の状況に不満を溜め込んだ人たちがサッカースタジアムの中で殴り合いなどの大騒動を起こす人たちの事で、一般のファンとは区別されています。そうした人たちが日本にやって来たらどうなるのかと、当時は私も心配をしていたのでした。ワールドカップ当時は日本の社会はスポーツ自体を楽しもうとする人が多く、単に騒ぎを起こすためにサッカースタジアムにやってくる人がいるというのは個人的な理解の外の話だったのですが、日本国内の社会情勢が変化する中で、こうしたスポーツ会場やネットでの騒ぎを引き起こす人たちは、増えることはあっても減ることはないのではと思うところもあります。
私は、特定のチームの熱狂的なファンではありませんが、大きな試合は比較的ジャンルにとらわれず見ることが多いです。その中で、突然プレー以外のハプニングで試合が中断したり、試合後のネットにおける騒動で明らかに影響を受けているのではないかという選手やプレーを見るというのは、本当に残念としか思えません。その原因の一つに、スポーツ以外の、社会に対する不満を溜めた人たちがいるのだとしたら、選手たちはそうした誹謗中傷に関してはあえて対応する必要はないのではと個人的には思います。今後こうした事がエスカレートすると、競輪・競馬・オートレース・競艇のようにプレー前の選手が、シリーズ開催中に限りスマホ使用禁止でもしないと、選手のメンタルを守れないのではと心配になります。