災害が起きて避難所に行く場合は、支援物資が配布されることが予想されるので、自分で何とかする必要はないものの、自宅で避難している場合には、基本そうした食事などの支給は行なわれないというのが普通です。ただ、自宅周辺で生活ができるなら、人が密になることもなく、さらにはペットがいる家庭の場合には、あえて避難所には行かないという判断をされる場合もあるかと思います。
普通の避難生活の場合でも、支援物資が届くまでにタイムラグはあるので、自宅で用意した食べものを温めたりして食べるような機会もあるかも知れません。ただ、地震による被害の場合、今回の日向灘沖での地震についても、今後大きな余震が起こる可能性があるという事が言われているので、調理しているうちに大きな揺れが来たら、それが原因で火事を起こしてしまうかも知れず、キャンプなどで使う調理用品をそのまま使う場合には注意する必要が出てくるのではないでしょうか。カセットコンロでも、もし点火したままテーブルから落ちてしまうようだと、やはり危ない点はあります。
そういう意味で言うと、家庭用に非常用としてポータブル電源を十分用意しているなら、家電製品をそのまま使うのが、少なくとも大きな揺れが起こっても火が出るような可能性は少ないのでなないかと思います。炊飯器があればお米は炊けますし、炊飯器を使った煮込み料理もできます。IH調理器については使用電力が高いので、小さなポータブル電源ではそもそも出力が小さくて使えない可能性がありますし、使えても容量が少なければ連続使用は難しそうです。お湯を沸かすにも、同じ理由で電気ケトルを使う場合にもそうした問題が付きまといます。
そういう理由から、私は電気を使った調理の他に、別の燃料を使っての調理もできるような用意をしています。ただ、火を扱うものだけに、調理中に大きな地震が起こっても安全に使える調理器具というと、その数は限られてくるでしょう。私が実践的に使うことを考えているのは、アルコール燃料を使った「アルポット」です。
細長い筒状の鍋で、風の影響を受けず、点火した状態でも取っ手を手で持って移動できるという利点があるのですが、取っ手を手で抑えることによって、大きな揺れが調理中にあったとしても他のキャンプ用のストーブと比べ安全に使うことができます。そもそも、カセットコンロであれば揺れたら火を消せば良いのでそれはそれで安全だという事もあるのですが、カセットガスを備蓄するのも部屋にそれなりのスペースが必要になります。また、多くの方が災害用の備蓄として購入を考えると思うので、今後はなかなかまとめて手に入れるのも難しくなるのでは? と思っています。
今回、いざという時の調理をアルポットでと思い、備蓄用としてもあると安心するアルコール燃料を近くの薬局に買いに行ったのですが、さすがにアルコール燃料を災害対策として考えている方は少ないとみえて、店頭には材庫が普通に置いてあったので、すでにいくらかは持っていたものの、さらなる長期避難に備えて買い足しました。今後、アルコール燃料の入手し易さが変わってくるかも知れませんが、多くの人はそこまでして災害用にアルコールストーブを使わないと思うので、十分な管理の元、いざという時にはアルポットとセットで使えるように準備しておきたいと思っています。