エバニュー550FDを使った決して吹きこぼれない一合自動炊飯の方法

自作のグルーブストーブ クレセントをテストする中で、アルコール20mlを燃料を入れるとおよそ15分ぐらいで燃え尽きることがわかりました。この数字というのは、アルコールストーブの中では知る人ぞ知る、エバニューのチタンアルコールストーブにクッカーを直載せした場合の燃費に近く、この直載せで自動炊飯ができることを確認していましたので、今回自作ストーブで一合の自動炊飯を試してみることにしました。今回のクッカーは前回書いた一回で500mlの湯沸かしができる、エバニューのアルミクッカー550FDを使ってあることを試してみることにしました。今回はアルコールストーブの話というよりも、固型燃料や別のアルコールストーブを使って一合の自動炊飯をしている方にとってもそれなりに有益になるのではと思います。

というのも、普通は固定燃料やアルコールストーブを使って自動炊飯をする場合のクッカーというのは、取っかかりとして「メスティン」を使う方は多いと思うのですが、お米を炊く場合、必ずと言っていいほど起こるのが「吹きこぼれ」の問題です。吹きこぼれがひどいと、熱源のストーブや燃料にかかってしまったり、熱源を置いた床を保護するためにステンレスのトレイを敷いて炊飯を行なうようにしないと、お米を炊いたあとの後片付けが大変です。

ただ、トレイを置いてもトレイもかなり汚れてしまうので、何とか吹きこぼれないクッカーはないものか? ということでたどり着いたものが今回紹介するエバニューのアルミクッカー550FDでした。今回の炊飯実験を行なうにあたり用意したものは以下の写真のものです。


クッカー本体にグルーブストーブ クレセント(直載せのためゴトク不要)、そしてフタの上に置く「重し」代わりに使おうと近所のホームセンターで200円弱で買ってきた、本来はワイヤーを接続するために作られた「シャックル」という部品です。金属の直径は1センチくらい、縦方面の長さが6センチくらいという小さなものですが、かなり手にはずっしりと来て、フタの上に置いて炊飯すると、フタ自体は全く動きませんでした。

今回のポイントとしては、550FDのフタにはプラスチック製のつまみが付いているのですが、これは簡単に外すことができます。湯沸かしの場合はフタのつまみは必要ですが、炊飯の時にはあえてつまみを外し、蒸気逃がしの穴として使います。

このようにシャックルをフタの中央に置き、穴を塞がないようにして火にかけます。ちなみに、お米を炊くときの基本として、事前に十分にお米に水を吸わせることは必要です。最低30分は浸けたいですが、今回は約1時間置きました。

そうして、火を付けてしばらく待つと、中の水が沸騰して中央の穴から蒸気が上がってきます。お米が入っているので、同じ穴から中の水が吹き出てくるのですが、550FDのフタは山型になっていて、一番外が溝になっているので、吹きこぼれが出たとしても縁のところで止まっていることがおわかりでしょうか。もし水を入れ過ぎで大量の水が吹き出してきた場合は、ティッシュなどをフタの縁に当てて、溢れて外に垂れないようにすることができます。その辺は状況を見ながら行なってください。今回はあえてそのままにしておいても吹きこぼれの出るくらいの水は出ませんでした。

グルーブストーブ クレセントの火が消えたのを確認してからクッカー全体をタオルで包み、今回は15分くらい蒸しました。そうしてフタを開けたのが写真の状態になります。フタを開ける際にはフタだけではなくシャックルもかなり熱くなっているので、火傷をしないように気を付けて下さい。

ご飯を全てよそいましたが、焦げ付きもなくモチモチした食感もあり、食べていてかなり甘みが出ていたように思います。自動炊飯する場合、燃料の多さ少なさにより焦げる場合もありますが、ちょっと焦げ臭い匂いがしたらすぐに火から降ろしましょう。逆の場合はしっかり蒸らすことで、大失敗ということにはならないと思います。

アルミクッカーでの自動炊飯は、メスティンでもそうですが、きちんと計量してお米に水を吸わせ、ちゃんと蒸らせば、おいしく食べられるご飯が炊けます。ただ今回紹介したように、エバニューのアルミクッカー550FDは、今回紹介したように吹きこぼれを出すことなくおいしく一合のご飯が炊けます。さらに500mlのお湯を沸騰させることが可能なので、ラーメンクッカー(棒ラーメンがおすすめ)としても使えたり、もちろんケトル代わりにも使えたりと、一人用としては万能なので、この中に火器(アルコールストーブ)、ファイヤースターター、アルコール燃料容器、計量カップ、カトラリー、シリンジなどを同梱することで、水や米さえ手に入ればいつでもどこでも温かいものを作ることができる災害対策用のミニセットとして使うことも十分視野に入ります。

トータル的なアルミクッカーということでは、ユニフレームの角型大小クッカーとフライパンのセットが個人的にはおすすめですが、最小セットを模索する方には悪くない選択ではないかと思います。


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