市販の凍ったペットボトルを使った「ダンボールクーラー工作キット」は常用できるか?

先日、近くのショッピングモールの文具売り場で、主に小学生向けと思われる、接着剤無しで組んで動くという様々な工作キットが売られているのを見付けました。その中で興味深かったのが、凍ったペットボトルを差し、ペットボトルの後ろから電池で回るモーターの起こした風を通すことで、温かい空気が冷やされて冷たい風を受けることができるという「ダンボールクーラー工作キット」というものでした。

興味のある方はこの商品名でネット検索を掛ければどんなものかというのはわかると思います。最近では車中泊のためにポータブル電源でも動くクーラーがあり、そうした装備を付けて車中泊の旅に出ている方もいると思いますが、多くの人はそこまで夏の車中泊旅に出るということもないと思いますので、このキットなら千円前後で購入でき、どうしても暑くて車内で寝られないような場合には、深夜にコンビニで凍った飲み物を購入してこのクーラーを稼働すれば、一応は冷たい風を得ることはできると思います。

保冷剤を入れる場所がある小型のUSB電源を使ったファンはあるものの、小さな保冷剤よりも大きなペットボトルをそのままセットできる方が良さそうですし、普通の扇風機の前に凍ったペットボトルを置いて同じような効果を出すこともできると思いますが、工作キットの方が専用に設計されているため、効果はさらに上がりそうでつい買ってしまいたくなりましたが、自宅に戻ってネットでの評判を見たら、一つ重大な問題があることがわかったので購入を止めることにしました。

というのも、凍ったペットボトルに扇風機の風を当てて室内の温度を下げようとする実験を行なっているサイトでは、ペットボトルを部屋の中に直置きするのではなく、洗面器などの中に置くようにしないと結露が溜まって部屋の中がびしょびしょになってしまいます。今回紹介した工作キットはダンボールを切って組んで作っているので、一回使っただけでも使い終わった後には結露が本体を侵食するように濡らしてしまうことが考えられるので、恐らく数回使ってそれ以降使えなくなってしまうのではないかと思います。

もし、紙のダンボールではなくプラスチックを材料として作られた「プラダン」なら、それなりに水に強いので、本体の下に大きめの水受けを付ければそれなりに使えると思いますが、もしこの工作キットを使うならパッケージのダンボールをそのまま加工するのではなく、パッケージの部品を使ってプラダンで同じサイズの部品を作り、その上で組み立ててみたらどうかとも思うのですが、そもそも500mlのペットボトルでは一晩ずっと車内を冷やすだけの持続力は期待できないので、どちらにしても「冷たい風を作る」ための学習のための工作という感じのものに過ぎないような感じがします。

逆にいうと、夏の車中泊で一晩快適に過ごしたいような場合は、車内の広さに応じた車内冷却システムを用意する必要があるということです。以前と比べて冷蔵庫やスポットクーラーなど、お金を出して工夫をすれば何とかなるようなところまでは来ているので、本格的に用意した方が結局は良くなってしまうだろうと思います。

ただ、個人的にはそこまでお金を出したり車の装備を充実させるのも難しいと思うので、比較的小さめのポータブル電源でも動く小型の扇風機を利用し、気化熱を使って体を冷やすタオルに当てて涼むくらいのことを、どうしても夏の車中泊を行なわなくてはならなくなったらできるようには準備はしています。

ただ、日々クーラーを使っていると、そうした対策では我慢できない暑さに寝不足になり、翌日の車の運転に影響を及ぼす(居眠り運転の危険があります)可能性もあるので、果たして自分がクーラーを使わないで十分な睡眠が取れるかどうかは、事前に自宅で試してみる必要はありそうです。


カテゴリー: 車中泊のための道具考 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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