最安で4キャリアの回線を維持するためには何をどうすればいいのか(2021年10月版)

先日のドコモの大規模な通信トラブルは、もはや日本の通信インフラについてはどのキャリアが災害とは関係なく止まってもおかしくないのではないかと思わせるには十分でした。そこで、改めて現状において、楽天モバイルを含めた4つのキャリア全てを契約して最低金額いくらぐらいかかるのかという事について考えてみることにしました。

4回線を持つということになると、スマホ一台に全てというわけにはいきません。この点についてはスマホに対しては「二台持ち」をし通話とデータ通信(および電子マネー対応)をうまく使い分けながら行なうことを考えます。さらに、できればタブレット端末やLTE機能の付いたノートパソコンで一台利用することも考えます。ただこれだけだと3回線しか使えませんが、2台のうち1台のスマホでSIMカード(eSIMを含む)の2枚差しが使えるものを選ぶか、他にモバイルWi-Fiルーターを導入することで一回線を使えるようにすることでハードを持ち歩く個数を減らすことも可能です。回線ごとにハードを揃えると、常時持ち歩くのが3つか4つになってしまう煩雑性はありますが、常に使わずに電源を通常は切っておけるようなハードを持ち歩くことで、充電がしにくいような場合でも使えるというメリットが生まれてきます。さらにどの回線がストップしても代替利用で何とかネットの継続使用ができるという強みもあります。

次に、何をもって最安とするかという問題があります。一般的に安いプランでは利用できるデータ量が少なかったり、通話定額が別というところもあります。これから紹介するプランはあくまでまっさらな状態で私が最安であると思った上で選ぶということをお断わりしながら、そのプランを紹介していきたいと思います。

全てのスマホが使えるプランの中で月額0円をうたうのは、楽天モバイルで月の利用データが1GB未満の場合と、au回線のpovo 2.0で全くトッピングを付けない場合です。どちらの契約も半年の間に何らかの利用が必要になりますので、その点で言うと月0円ということではありませんが、4回線のうちの2回線は楽天とauを補助回線として使うというのがセオリーでしょう。どちらも電話番号がもらえ、さらに楽天の場合はRakuten Linkアプリからの電話は国内0円で利用できますので、一つのスマホに楽天SIMの他にデータ通信利用を主に行なうSIMと一緒に使うことで、楽天の回線を使わずに通話だけは楽天の仕組みを使って通話料をチャラにできます。あくまで安くという事にこだわる場合には、メインの電話番号を楽天モバイルにするのが良いでしょうが、その場合は楽天モバイルに加入する場合、Rakuten Linkが使える楽天のスマートフォンの中でも、他の三社のSIMカードでの通信も利用できるハードを購入するというのが良いでしょう。

なお、Rakuten Linkで主に電話を使う場合、かかってきた電話やSMSにかけ直したり返送メッセージを送る場合にややこしい事になるので、楽天SIMを入れるハードについてはiPhoneは避け、iPhone自体は別のSIMを入れて二台目のスマホとして使うことを考えた方が良いと思います。

楽天モバイルとセットで使う、日常的なデータ利用の回線として私が候補に上げたいのは、ソフトバンク回線のLINEMOのライトプラン(税込990円)です。月990円だと月3GBまでしか高速通信が使えませんが、LINEの利用については基本的に無制限での利用が可能なので、テレビ電話も問題なく安定して使えるでしょう。高速クーポンを使い切った後でも最大300kbsで利用可能なので、電子マネー決済についてはほとんど問題なくできるのではないかと思います。音楽をストリーミング再生したり、radikoを聞き流すのにも十分使え、Rakuten Linkでの電話やSMSも不安定にならずに使える最低限なスピードです。この最大300kbpsのプランはau回線のUQモバイルでもありますが、同時に電力会社などの契約をしないと少し月額が高くなるので、ここではあえておすすめしません。現状では基本的なデータ通信をソフトバンク回線で行なうことで、楽天モバイルのデータ通信を使わずに、料金を毎月0円で維持することも可能でしょう。

auのpovo 2.0についてはとりあえずはトッピングをしないでスマホに入れるかモバイルルーターに入れるようにします。スマホに入れる場合は、メインの電話番号を登録してもいいでしょう。その場合は、基本料0円でも待ち受け専用回線として利用できます。そうでなく、他の回線が使えなくなった時に備えてau回線をキープする目的なら、モバイルルーターに入れて、トラブルが起こった時だけ「24時間使い放題」のトッピング(330円)を付けて使うという手もあります。

ここまでは、ソフトバンク・au・楽天の3回線で、うまく使えば月千円の費用だけで済むことになります。これだけでも十分ではないかと思いますが、ドコモエリアでなければ日常的な利用に困る場合もありますので、考え方としては2つの方向性を紹介します。ちなみにドコモ本家やOCNモバイルONEなどの「エコノミーMVNO」は利用しない方向です。

候補の第一としては、それなりに安定した通話と広いエリアでのデータ通信を両立させたい場合は、日本通信の「合理的みんなのプラン」(税込1,390円)が良いでしょう。70分間の無料通話に、月6GBの高速データが付き、4Gおよび3G(FOMA)のエリアでも利用することができます。同じドコモ回線でも、私が現在使っているmineoのDプラン(ドコモ回線)プランは、個人向けFOMAエリアでの利用はできなくなってしまうので、最安のデータ専用1GB(税込880円)に低速時でも最大1.5Mbpsで使える「パケット放題Plus」(税込385円)を付けても、4Gの電波が届かないFOMAエリアでは使えなくなるということを理解した上で利用するようにしましょう。

なお、「パケット放題Plus」を付けないmineoのデータ専用1GB(税込880円)のDプランでも(この場合は高速通信を使い切ったりアプリで低速に切り替えると最大200kbpsとなります)、平日の午後12時から1時までの昼休みの時間に事前に宣言をしてその宣言通りデータ通信を月に10日使わなければ、午後11時から翌朝7時までアプリで高速通信にすれば高速通信を維持しながら使うことのできる「夜間フリー」の権利を獲得できるので(ただし、mineoはドコモから回線を借りているためそこまで高速ではないので注意)、夜型の生活をしていて、ドコモ4Gエリアに行動範囲がある方は、月880円の追加でそれなりに使えるドコモ回線を持つことができます。すでにLINEMOを使っていると仮定して、昼にはLINEMOの入ったスマホでデータ通信をするようにすれば、毎月「夜間フリー」の権利を簡単に得ることができるでしょう。

以上、長々と説明してきましたが、au回線をpovo 2.0でトッピングをしないようにし、楽天モバイルではRakuten linkアプリを使って通話を行なってもデータ通信を他社のデータ通信で賄うことを徹底すれば、大体月2千円と少しくらいの通信費を用意すれば、現在の日本のデータ通信の全てを網羅するだけでなく、それなりに使えるようになります。

問題なのは、自分で契約し、2台持ちも意識したスマホやタブレット、モバイルルーターの用意は自分でしなければならないことですが、逆に言うとそうしたスキルが有れば、日本中のキャリアの電波が一度に止まらない限りは何らかの方法でデータ通信や通話を行なうことが相当安いコストで利用できるということになります(もっとも、楽天orau回線のみしか生きていない場合は、その時の追加費用の発生は出てきます)。私を含め、多くの人はまだ端末の支払いが残っていたりして、自由に自分の好きなサービスに移行することができないとは思いますが、まずは今加入しているプランについて、いつでも自由に変更できるプランへの変更を実行に移すことだと思います。この内容については新たなプランの出現によって変わってくると思いますので、そうなった場合には改めて改訂版を出すつもりです。


カテゴリー: モバイル関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

最安で4キャリアの回線を維持するためには何をどうすればいいのか(2021年10月版)」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    いつも楽しく読ませていただいてます。
    ソフトバンク回線はLINEMOではなく、ソフトバンクの「データ通信専用3GBプラン」はいかがでしょうか?
    https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/data_com/
    最初の3ヵ月無料、それから5年間は990円/月、6年目以降1408円/月です。
    LINEカウントフリーはございませんが、その代わりスマートログインが付きます。電子マネー対応を考慮するとPayPayチャージに合算払いが使えるのは大きいですね。
    それかメインをワイモバイルにするとソフトバンクWi-Fiが使えるので3社の公衆Wi-Fiをカバーできます(ドコモ、auは他社開放してるので)。
    ワイモバイルは割引をフル適用させれば、カケホ+3GBで1,780円/月です。
    キャリアは割引をフル適用させないと割高なので、まず負担なくフル適用させられるとこを優先的に考えるべきだとは思ってます。

  2. てら 投稿作成者

    コメントありがとうございます。最近の状況を見ると、どうしても大手三キャリア自体が運営したりサブブランドだったりすることで、ほとんど本家と同じような使い勝手があるプランが安く出ているので、逆にMVNOの方は厳しいですね。ワイモバイルの場合はヤフープレミアム会員の特典が付いたりするので、単純に毎月の料金での比較は難しいかも知れませんが、同じソフトバンクの中でも本家・ワイモバイル・LINEMOという形での選択肢が出てきたので、この辺の所は迷いどころですね。紹介していただいたデータ専用プランについてはデータを使い切ると最大128kbpsに落ちるので、Wi-Fiをうまく使ってやりくりをする事も大切になってくるでしょう。

コメントを残す