Rakuten UN-LIMITとUQモバイルの仁義なき戦い

今回、UQモバイルがスマホ用プランを一新したことで、なぜ急にRakuten UN-LIMITがパートナーエリアであるauのエリアで通信制限時に最大1Mbpsのスピードを提供できるのかに合点が行きました。UQモバイルにとっては、Rakuten UN-LIMITが4月のサービス開始時に出してきたパートナーエリアでのサービス内容はかなりのショックだったと思われますが、それにまっ正面からぶつかる形で出した、ドコモとソフトバンクにとっては脅威の「スマホプランR」(2020年6月1日から提供開始)が発表になりました。

月々の料金はRakuten UN-LIMITと同じ2,980円ですが、エリアは当然ですがau回線のエリア全てで利用でき、高速クーポンは10GB/月で翌月の繰り越しも可(最大10GBなので合わせて20GB分をキープできる計算です)とのこと。Rakuten UN-LIMITはパートナーエリア(つまり楽天エリア外のみ)の利用のみで高速クーポンは毎月5GBで、データの繰り越しは不可なので、auのエリアでしか使っていない人にとっては、UQの方に大きなメリットがあります。

さらに、通話定額はこのパック料金ではできないものの、通話オプション料金を追加すれば、二段階の定額プラン(国内10分間かけ放題700円/月、国内24時間かけ放題1,700円/月)と通話パック(国内最大60分間500円/月)で、特別なアプリの利用なしでもかけ放題ができるので、大手キャリアと同じでわかりやすく料金上のトラブルも考えにくいサービスになっています。当然iPhoneでも発着信できます。ちなみに「スマホプランR」に24時間かけ放題を付けても5,680円で、もしRakuten UN-LIMITがなければ、私がドコモからMNPする回線はUQになっていたと思います。

今回、楽天のプランの種明かし(なぜ低速制限でも楽天が最大1Mbpsを実現できたのか?)をUQが行ない、楽天エリア以外ではことごとく有利なデータプランを出してきたことによって、多少はユーザーも考えると思います。UQモバイルの高速通信時の安定性は多くの人が認めるところなので、低速制限でも回線品質には期待できそうで、6月以降はこの点にも注目でしょう。今後楽天の方は自社エリアでどのくらいのスピードが出て、その回線品質をシビアに見る中で、これ以降のユーザーの流れが決まってくるのではないかと思っています。

そうは言っても、通話定額とSMS定額が月々料金の中に入っていて、楽天SIMが入っていないスマホでも、通話アプリ単体での利用も可能なRakuten UN-LIMITの方が、現在auのパートナーエリアで使っている人にとっては安くてUQのプランと同じように使えるということで、今後一年間0円で使っている人にとっては有利であることは変わってはいません。

ただしかし、あらゆることが未知な業者の楽天と、先日au陣営に入ってサービスを行なっていくと発表したUQとを比べると、良くも悪くも楽天エリアでの回線品質がどうなるかが、今後Rakuten UN-LIMITが生き残っていくためには必要なことになるでしょう。もし今後楽天がちょっとでもUQ・au陣営に弱みを見せてしまうと、今回の無料プランで獲得したユーザーをUQに取られてしまう危険があるような気がします。先に仕掛けたのは楽天の方ですが、今回の戦略的なスマホプランRをUQが出してきたことによって、一部は同じ回線を使っているとは言え、バチバチの鍔迫り合いを続けていくのではないでしょうか。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す