「無料」で利用できる施設が利用できなくなる理由とは

車で出掛けた際に、ふと発見して大変に有難いなと思うものの一つに「無料で利用できる温泉」があります。普通に温泉を使うと入湯税を取られるので、100円くらいで入ることができる温泉でも地域の方々の毎日の清掃や整備があってこそのものだと思い、できるだけ来た時よりも美しくということを心掛けて利用しているのですが、地域のニュースで大変残念な話を聞いてしまいました。西伊豆の雲見温泉にある、無料で利用できる温泉(水着の着用が必要)「赤井浜露天風呂」が2019年9月1日で営業終了されるというのです。

私自身も伊豆に出掛けた時に入浴させていただいた記憶がありますが、その頃はまだ温泉ブームというものは今のようにはなかったので、地元の人と一緒に海を見ながら入ったことを思い出しますが、無料で利用できる温泉というのはやはり貴重なものなので、今回のニュースを聞いて何故なのかと思いニュースをじっくり見たところ、その理由についても説明されていました。

雲見温泉は主に民宿を中心にした温泉地だったのですが、その民宿自体が様々な理由で減少することになり、今まで多くの旅館や民宿に供給するため4ヶ所あった源泉を3ヶ所に減らことになったそうです。当然、無料の露天風呂には今回休止される源泉からお温を引いていたのだそうで、赤井浜露天風呂も温泉が引けなくなるということです。

これは、あくまで雲見温泉としての経営が第一で、たまたま全ての旅館・民宿に供給しても少し余っていたものを利用して露天風呂に送り、さらに関係者の方々のボランティア的な管理によって存続していたわけです。その余裕がなくなったらサービスを終了するしかありません。

この事は単に赤井浜露天風呂だけの話ではありません。全国にはたとえそれが自噴するかけ流しの温泉であっても利用者が集まれば汚れもしますし、施設が壊れたりすることもあります。しかしその都度、いつ誰が来ても良いように管理をしているのは地元の有志の人達で、旅行者としてその土地を訪れ、温泉を利用する立場としてはやはりいいかげんに使っていいわけではないでしょう。そんな事を考えながら無料で利用できる温泉や、格安で利用できる温泉施設を感謝しつつ使わないといけないと改めて思うところです。

今回の運用休止というのは残念ですが、今回ニュースに載せられなかった点の中に、もしかしたら一部の利用者のマナーというものもあったのか? という風に考えると気がかりな点も出てきます。もちろんそれが一番の問題ではなく、報道されているような費用的な問題が主なのでしょうが、無料だからこそ何か管理者の意欲を削ぐような事があるだけでもそれまで提供されてきたサービスが停止されてしまうこともあるかも知れません。

旅先での楽しい記憶というのは単に自分だけが楽しければいいというのではなく、地域の人とも良い関係を保ち、現地で受けた親切な行ないや利用する施設の管理に感謝をし、その事を伝えていくことも大事だと思います。この夏休みに様々な場所に出掛ける中で、地域の方が提供してくれる施設を利用することもあると思いますが、その際にはそんなことも考えて利用してはいかがでしょうか。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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