ここ数日間、慣れない紙での資料作りを頼まれてやっているのですが、その中で自分自身でがっくり来るような失敗をしてしまいました。私自身は用意された手書きの原稿をワープロソフトを使って「清書」するだけの事を頼まれたのですが、原稿として上がってきたリストについて、うっかり一つ順番を抜かして通し番号を振ってしまいました。
作業中の出来事なら改めてファイルを書き換えれば済む話なのですが(それでも結構手間は掛かりますが)、利用する人数分の結構な量をプリンターで打ち出した後にそのことが発覚してしまったので(^^;)、まるまる先に印刷した分が無駄になってしまいました。
それでも、過去には書いたデータをバックアップも取らずに全て消えてしまい途方に暮れたということもあるだけに、一から作業をやり直すことをしなくて済んだと思い直して再度作業をするように気持ちを切替えたものの、やはり大変でした。
ただ、パソコンで資料を作ってすぐにプリンタで出力できる今の環境はずいぶん良くなり、過去の事を考えると楽になったとは思います。今の時代はパソコンを使って資料を作ることができるだけでなく、もはやペーパーレスの時代に一部ではなっていて、添付ファイルの形で先方に送っておけば、それぞれのパソコンやタブレットで送った資料を電子化したものを基にして話し合いが可能なようにもなっています。そうなれば今回私がしたような失敗は起こりようがなく、もし事前に資料を送っておいて間違いを指摘されたり、自分で間違いに気付いた場合はその改訂版を送り直すという、ネット上のやり取りだけで済んでしまいます。しかも直すところは間違えた部分だけで良く、こういうものを当り前だと思っている中だと、昔のやり方での資料作りというのはこんなに簡単にできないだろうと、つい昔の事を思い出してしまいました。
人数分の資料を全て手書きで作っていた時代は別にして、多少は個人での印刷も可能になったもののまだコンビニもコピー機もなかった時には、仲間うちの会合での資料を印刷するには自分達で印刷する「謄写版印刷(ガリ版)」で行なっていた方が多いと思います。資料の仕上げに多くの資料をホッチキス止めする労力は昔も今も同じかも知れませんが、資料の原本を作り、それを版の形にしてから印刷するという3つの工程は本当に大変だったと当時の事が思い出されます。
私の経験したものの場合は直接「版」になる特殊な原紙に針のような専用の器具やボールペンで直接字や絵を書き、それを一枚ずつ印刷する方法と、今のファクシミリとは違いますが同じ字を使った「FAX原紙」に原稿の版になる清書をし、その原紙をドラム型スキャナーの「FAX(謄写原紙自動製版機)」で印刷用の原紙に写し、その原紙を輪転機にかけて印刷するような方法へと進化していきました。
何しろ原紙に直接原稿を書くというのは、一つ間違えれば終わりですし、原紙代も安くないのでかなり緊張して書いていった記憶があります。また、その後の「FAX原紙」は基本的には普通の紙なので、間違えられないプレッシャーは減りましたが、一枚の原紙をドラムにセットして、印刷用の原紙に原稿のデータを写すまでにはかなりの時間がかかり(現在のファクシミリが原稿を送信した際に先方で印刷する時間よりもさらに時間がかかるくらい精度は良くなかったと思います)、古い機械を使っている場合は途中で止まったりしないか心配したことも多くありました。
それで、無事に印刷となっても古い輪転機を使っているとインクの調子が悪いと原紙を台無しにしてしまうほどインクが付き過ぎたり、逆にかすれたり薄すぎて読めなくなったりしましたので、そういう時もまた原紙に直接書いたり、FAXのドラムを回し直して印刷用の原紙の作り直しまで作業をやり直す必要がありました。
私の場合は主に学校で全校生徒に配る資料の印刷で大変な思いをしたのですが、そういう時代を通り過ぎているので今のように自宅にプリンターがあるのが当り前で、もしなくてもネット経由でコンビニのプリンターから原稿を出したり、その複写をコンビニよりさらに安いショップで行なったりできる利便性については本当に有難いと今になって思い出したわけです(^^;)。
今回私が犯してしまった失敗については、裏面をメモ書きに使え、プリンター自体の燃費も悪くないことから、今考えてみるとそこまでのダメージではありませんでした。ただ、そうは言ってもスムーズに作業が進まないことでストレスを受けることもあるので、資料を作る事が楽にできることを感謝しつつ、そこからさらに無駄を省き、今後については、今回やってしまったような失敗を起こさずに作業するにはどうしたらいいかという事も考えてみたくなります。
こうしたことの主も顕著な例が、暑中見舞いや年賀状の印刷ではないかと思います。間違った原稿の箇所に気付かずに全て用意したハガキを印刷してしまった後で間違いに気付いたら、状況によっては改めてハガキの買い直しということにもなるかも知れません。これは自分に対しての戒めということでもあるのですが、パソコンの画面で確認するだけでなく、試し刷りをした結果をしっかりと確認した後で本番の印刷にかかる事を忘れないようにしなければと思います。私自身は暑中見舞いはそれほど書きませんが、お得意先や友人にそれなりの数の暑中見舞いを例年書かれるためにプリンターで印刷する方は、私のような失敗をしないように十分お気を付け下さい。