先日、友人のお宅におじゃましたところ、今までYahoo!BBのADSLだったのが、それに代わってモバイルルーター形式の「Softbank Air」が置かれていました。私は現在もYahoo!BBのADSLを契約しているのでわかるのですが、何やらキャンペーンらしきお知らせが来て、安く「Softbank Air」を使えるという誘い文句に乗ってしまったようです。
契約するのは個人の自由であり、その友人に対してはあえて何も言いませんでしたが、少なくともsoftbankの「Softbank Air」の説明ページを読むと、本当に大丈夫なのかという気がしてならないのです。
https://www.softbank.jp/ybb/air/
上のリンクにあるページに「Softbank Air」の内容説明と申込ができるページが有るのですが、その中でこのような記載があります。
・データ容量無制限!※1
・下り最大481Mbps※1,2
この記載に「※1」「※1,2」の記載がなければ良かったのですが、問題になるのが同じページの隅にある「※1」「※2」の内容です。このうち、「※2」の記載内容については無線での通信となるため、サービスが使えないエリアがあったり、下り最大481Mbpsが出ない地域があるということで、これについてはリンクをクリックして自分の家のある住所を見るとそもそもこのサービスが申し込めるかということと、だいたいの最大速度がわかるので、この点は良心的だと思います。ただ気になるのが「※1」の部分です。では改めてその内容について紹介してみましょう。
(※1の内容 引用ここから)
ベストエフォート形式のため、お客さまの通信環境により実際の通信速度は変化します。ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供にともなう速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。動画やファイル交換ソフトなどをご利用の場合は速度が低下する場合があります。
(引用ここまで)
あくまでハイスピードというのは最大値であり、状況によって速度制限が行なわれるということが書かれています。ここで重要なのは、具体的にどのくらいまで速度が下がるのか一切書かれていないことです。これだけではわかりずらいので、実は「※1」の説明の後に別ページへのリンクが有り、より具体的な速度制限の条件について書かれていますので、それも紹介します。
(以下「SoftBank Air(ソフトバンクエアー) の速度制限などについて」から引用)
・ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
・以下のコンテンツ・サービスなどをご利用の際、通信速度の制限を行う場合があります。なお、通信の切断は行いません。
音声通話やテレビ電話などをパケット信号に変換し、データ通信にて実現するサービス
MPEG、AVI、MOV 形式などの動画ファイル
BMP、JPEG、GIF 形式などの画像ファイル
動画閲覧、高画質画像閲覧、P2P ファイル交換、ソフトウェアダウンロードなどを伴うサイト、アプリケーションなど
・特定のエリアでネットワークが高負荷となった場合、該当エリアのお客さまについては、サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
・特定エリアおよび特定時間帯におけるネットワークの高負荷が一部のお客さまの利用によるものと考えられる場合であって、過去3ヵ月の利用状況からその再現性が非常に高いと判断されたときのみ、サービス安定提供のため、該当のお客さまに対する速度制限を行う場合があります。
(引用ここまで)
もっともらしい事が書いてありますが、「テレビ電話を含むIP電話」「You Tubeなどの動画」「画像の掲載されたサイト閲覧」「アプリ・ソフトのダウンロード利用」を理由にして速度規制を受ける可能性があり、さらに自分に原因がなくても同じエリアで高負荷な利用をするユーザーがいた場合でも規制されるかも知れません。というか、ここまでネット通信の利用を網羅されても、もはやスマホでLINE電話を使っただけでも規制される可能性もあると考えなければならないでしょう。
しかも、このページにも具体的にどのくらいの期間、時間にしていつからいつまで、さらにどのくらいのスピードまで規制されるかということは一切書いていませんので、もしLTEの低速回線よりスピードが出なかったとしても、この文言を理解して加入してしまった場合には文句も言えず、通常36ヶ月の契約を続けなければならないのです。
私自身はその友人に実際に速度規制はされたことがあるのか聞かなかったので、何の速度規制もなく光回線並みのスピードでインターネットを楽しめるサービスなのかも知れませんが、上記のような内容を読むと、やはり規制の内容に不明なところがあるので、そのままでは契約しないでしょう。
ただ、同じようなケースで店頭で勧誘された際にこうした「データ使い放題」というセールストークの録音を取り、後で速度規制された事に対して裁判を起こした事例がSoftbankではなくUQモバイルの「wimax2+」・ギガ放題の契約に際して起こっていたのです。裁判は最高裁まで行ったのですが、そこで「通信速度が高速であり通信料を自主規制する必要もないと誤解させる内容の広告表示を行った」などとして会社側の責任を認め(上告が棄却)、2万1239円の支払いを命じた東京高裁の判決が確定したというニュースがありました。
そこまでUQモバイルの「データ使い放題」の内容がひどいのかという風に思われるかも知れませんが、もちろん規制があるのに「一切の規制がない」と言ったであろうお店側の説明に問題があったわけで、何か問題があって困るのはユーザーなのですから、「wimax2+」・ギガ放題の内容については、改めて比較してみたいと思います。(つづく)