高齢者用免許はどういう形で決着するか

正直を言うと、私には実際良くわからないのです。というのも、テレビで連日ニュースとして報じられる高齢者が運転する車が引き起こす事故のニュースが流される中、政府も高齢者用の免許を作るなどということを発表し、話し合いに入るそうですが、果たしていつぐらいから高齢者の運転する事故が増えてきたのか、そのデータをテレビでニュースを見ている人が知らない中での議論というのは正確性を欠くような気がするので、本当にのっぴきならないほど高齢者の運転が危ない傾向にあるのか、それとも急に増えてきたのではなく昔から相当数あったのかを明らかにしてから高齢者用の免許について話を進めていただきたいと思うのです。

ニュースによると、現在考えられている高齢者用免許更新の条件とは、自動ブレーキの付いた車に乗るということと、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ装置を付けることなのだそうです。ちなみに、自動ブレーキは後付けは難しく、元々自動ブレーキの付いていない車に乗っている人にとっては車の買い換えが必要になるそうです。アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置の方は後付けが可能なのだそうですが、費用がだいたい5万円くらいかかるのだそうです。その年令がまだ迫っていない人でも、次から車を買い換える場合にはそんな事も考えて車の選ぶことが大切ではないかと思いますが、山間部の農家では古い軽トラをずっと自分の足として使っている方も多いのではないかと思います。最新の軽トラでは自動ブレーキが付いたタイプの軽トラも出ていますが、現在は軽トラが人気になっていて中古でもなかなか値が下がらず、自動ブレーキが付いたものだと新車に買い替える必要が出てきてしまいます。

先日、金融庁が出した文書で、100才まで生きると公的年金では生活費が足りず、貯蓄が2000万円も必要になることもあるという事がセンセーショナルに発表されたことでマスコミや野党は政府批判の論調になっていますが、その文書で出ているモデルケースは厚生年金をもらっている65才のご夫妻について計算しているので、厚生年金のない農家の方はどうなるのか? という風に考えると、とても75才を過ぎた時に新車に乗り換えることは難しくなる人もいると思われます。今のところ高齢者用免許発行のための条件は強制ではないということなのですが、本当に事故を減らすためにはそこまで強制的に厳しい条件を付けなければ、事故を無くすことにはつながらないように思います。

しかし、そうした正論が今後議論に乗ってきて、条件を満たさない場合に高齢者に真摯に免許の返納を求めたりすることがエスカレートすると、それこそテレビの人気番組「ポツンと一軒家」に出てくるような人たちはその場所で生活することが難しくなり、山を降りる人が増え、山から人がいなくなるような事も起こってしまうでしょう。

たまたま朝、テレビ朝日の「モーニングショー」を見ていたら、三重県の松阪市の駅前周辺の商店街の歩道を見回り、私有地と歩道との境界をはさんでお店や家の私物(看板やのぼり、プランターなど)を見付けたら「法律違反だから片付けろ」と強引にお店の中にいる人に注意をする90才近い男性の行動についての話題を報道していました。この話題が他の「迷惑おじさん・おばさん」と違う点は、注意する過程で看板を蹴飛ばしたり、のぼりの旗を切ってしまうというような犯罪行為があるものの、「点字ブロック上に物を置かない」とか「歩行者の邪魔になるような看板は仕舞え」という主張自体は間違いではなく、コメンテーターも「商店街」「警察」「行政」が話し合って解決するしかないという結論になっていました。今回紹介した高齢者専用免許の実施についても、法律を変えて75才以上になったら免許更新をする事を難しくしたら自然と高齢者の事故は減ることはわかっているのですが、一律で厳しく扱うことで、高齢者の中で相当の反感を買うだろうなという心配があります。

「正論」というものは誰もが逆らえないものではあるのですが、例外のない規則というものもないだろうと思うので、高齢者用の免許を作ったことで、都市部でない過疎の村が閉鎖されることが当り前になるようなやり方ではないうまい着地点を探して、今後の話し合いをしていただきたいと思います。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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