月別アーカイブ: 2012年4月

2-4 白ロムで端末を買う意味

 ネットニュースは季節ごとに発売されるスマートフォンやタブレットの新しい端末の情報であふれていますが、普通に携帯電話の契約とともに端末を買えばほぼ2年間縛られてしまうわけですからおいそれと買い足すわけにも行きません。今の契約方法では契約してすぐ解約すると、追加で端末料金を請求される他に違約金が請求されてしまいますから、普通の契約をしている方が季節の変わりめに出てくる新機種をコロコロ変えるというのは現実的な話ではないと言えるでしょう。

 しかし、何でもそうだと思いますが、新しいものとの入れ代わりが早いというのが世の常で、新しいものが出たのを見てもう少し待てば良かったと思う事も私自身結構あります。私がドコモの契約とともに最初に購入したのがタブレット端末であったため、購入当初からそれなりに不便な面もありました。画面が大きければ見やすく操作はしやすいのですが、持ち運びにはどうしてもかさばってしまいます。そして、人によっては画面をタッチして入力するのにどうしてもストレスを感じてしまうこともあるでしょう。私の場合そうした不満点を埋めるものとして、本体が小さくてキーボードが付いた端末ということで白ロムのドコモSH-10Bを選びました。もう一つ言うと、タブレット端末のGalaxy tabには付いていなかったワンセグも付いていて、SIMカードなしでも中の機能が全て使えることは事前にリサーチ済みです。携帯電話の白ロムの場合、いくら高性能のものでもSIMカードを挿入しなければ使えません。しかしスマートフォンの中にはSIMカードなしでも使えるものがあります。SIMカードを差しかえて複数の端末を使うことを想定した場合、別の端末にカードを差していても、Wi-Fiによる通信やワンセグなどを同時に使えれば結構便利なので、SIMカードを入れなくても使えるかどうかというのは前もって調べておくといいでしょう。

 さて、白ロムの中古端末といってもいろいろあって、新しく発売されたばかりのものはお値段もそれなりに高くなっています。ただ、もし使っているうちに不具合が出た場合、中古は中古なのでメーカーや携帯電話会社からのサポートは期待できません。そこで、私が白ロムを購入する基準としてはすぐに壊してしまっても惜しくない価格まで下がった古いものを狙うことにしています。そうして購入したSH-10Bはアンドロイドのバージョンも1.6と古く、ダウンロードすらできないアプリが多数あったりしますが、SIMカードを差し替えることで立派に通信端末やGoogle Mapを利用したカーナビとして機能するので、やはりあると便利です。

 私のように常用している端末があって、それに白ロムを買い足す場合というのは、利用している端末で不満がある点、足りない点をつぶすような形で白ロムを選んでいけばいいと思いますが、携帯電話会社との契約なしで最初のスマートフォンとして白ロムを買う場合はどうでしょうか。その場合はある程度お金を出しても高性能な端末が欲しいだろうと思います。そうは言ってもあまり高いと予算的な問題も出てくるでしょうから、自分がスマートフォンでやりたい事を考えながらまずはじっくり機種の研究を行ないましょう。先述の通りSIMカードがなくても全ての機能がWi-Fiを接続することで使えるような端末をまずは選ぶべきですが、保証がほとんどないということを考えた上で機能以外に気にしてほしいポイントはやはりあります。

 まずは突然の故障が起こる確立を下げるため、できるだけ程度のいい端末を選ぶべきだろうと思います。ちょっとした凹みがあったら落下して破損した可能性を疑い、相場との金額の差を考えながら選ぶようにしましょう。さらに、故障というよりは破損や水没に備えた対策についても考えておくべきでしょう。防水機能のあるスマートフォンを選ぶ場合、接続端子のカバー部分がきちんと塞がれているか確認しましょう。購入後は落下の際のダメージを防ぐため、本体をガードするカバーや、画面の保護シートなど、購入時に付いていないようだったらできるだけ付けた方がいいでしょう。そして、本体の電池は自分で交換できないものは避けるべきだろうと思います。なぜなら、電池が消耗してしまった場合、本体内蔵のものは携帯電話会社経由で交換を申し込むしかなくなるからです。電池交換にはお金もかかりますし、本体自体を渡さなければなりませんので帰って来るまで端末が使えなくなってしまいます。それが電池パックを入れる構造のものなら、自己責任の範囲ではありますが格安なバッテリーを入手するだけで電池切れの懸念から解放されます。この差はかなり大きいように私には思えます。

 このように注意を払って使おうとしていても、白ロムを買ってすぐ故障したり落として割ってしまったら悲劇ですが、普通に長い期間使い続けられたとしたら、携帯電話会社と契約してスマートフォンを使うよりも自由に好きなだけ使うことができるので、SIMカードのみで通信のできるデータ用ネット接続プランと組み合わせて使う方を個人的にはおすすめしたいです。ただし、今のSIMロックされた端末の中でデータ通信専用SIMと一緒に使って使い物になるのはNTTdocomoの販売している端末のみになります。別の会社のスマートフォンがいくら安いからといっても、イオンAプランやIIJmio128ミニマムプランのSIMカードを差して使うことはできませんので(SIMカードなしでも使えるものならWi-Fiのみでの接続になりますが)その点には十分に注意してください。


モンベル レインダンサージャケット

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 旅行のための荷物というのはこのブログで紹介しているようなものについては、すでにほとんど積み込んではあるものの、当日の荷物の用意の中ではやはり着るものをどうコンパクトにまとめるかというのが結構難しいですね。大きくて積載スペースが十分ある車で出掛けられる場合は現地で着るかどうかわからないものでもまとめて持って行っても大丈夫でしょうが、私の場合はすでにぎりぎりの収納スペースしかない軽自動車ということもあり、下着などは別にしても外に羽織るようなものはできるだけ小さくまとまり、複数の用途に使えるものを持って行ったほうがいいなと考えています。

 そういう意味では、小さな収納袋に押し込むようにして簡単に収納可能なユニクロのULダウンジャケットなどは冬だけでなく春先の肌寒さを感じるような場合に羽織るのに便利で、ゴールデンウィークにも持って行こうかと思っています。

 ただ、ダウンジャケットは雨に弱いということもあり、風と雨を通さないウィンドブレーカーとセットで用意しておけば一応全天候に対応できそうかなということで、撥水性があるという触れ込みの、ユニクロのライトポケッタブルパーカでも安く買えるなら追加購入しようかと思ったのですが、ここでちょっと考えてみました。

 車での移動ということではそれほど本格的な雨具の用意は必要ないかも知れませんが、それでも傘が使えないような暴風雨の中、災害やトラブルなどで車での移動ができなければ合羽の用意は当然必要になってきます。それならば本格的な山登りにも対応する雨具を買ってしまおうということでいろいろ調べた結果見付けたのがモンベルのレインダンサージャケットです。

 登山用のジャケットというのは、風を防ぎ水が中に入らないのは当然として、ジャケットの中が蒸れないような構造になっています。全身が濡れたままでいるとすぐに体温が奪われ、極寒の季節でなくても生命の危険があります。外からの雨で濡れなくても、汗をかいて乾かなければ同じように体が冷えてしまいます。たとえそれが夏山の登山であっても、簡易的な雨具しかなかったために起きた北海道大雪山での事故もありました。そうした状況にならないためにも登山の際には高性能なレインウェアが必須となるのです。蒸れを防ぐ素材はたくさんありますが、安定した性能を発揮するのはやはり素材にゴアテックスを使っているものがいいのですが、価格が高いのが難点です。

 今回レインジャケットを購入するにあたり、ゴアテックスでないもので安いものはあったのですが、ゴアテックスでも価格が安いモンベルのレインダンサージャケットが目に付き、少々迷いましたが購入しました。他のメーカーのものはディスカウントされて売り出させることがあるため、モンベルのこのジャケットの定価である13,900円より安く売られている場合もあるかも知れませんが、定価レベルで比べるとやはりモンベルのものは安く手に入ります。デザインが野暮だとかいろいろ言われるかも知れませんが(^^;)、付属の収納袋に小さくたたんでしまえるので気軽に持ち運べ、雨具としてだけでなく風除けや防寒用のジャケットとしてや就寝時の夜着としてももしもの場合は使えると思います。

 ちなみに、ゴアテックスの扱い方でやってはいけないことは畳んだままバッグに詰め込んでおくことや車の中に放置しないことだそうで(^^;)、普段はきちんとハンガーに掛けて室内で保管し、旅に出る時だけ畳んで持ち運びするようにしてできるだけ長く使い続けたいと思います。今のところ用意したのはジャケットのみですが、また折を見てゴアテックスのズボンの方も探してみようと思います。ちなみに、私の個人的な事情でバイクに乗るような際にも使おうと思っているので、上下のうち下のサイズが大きいものでないとゆったりはくことができないので、上下セットで売っているものは今回あえて選択しませんでした。上下セットのもので安いもの(非ゴアテックス)では、モンベルのハイドロブリーズ レインウエアや、ミズノのベルグテックEX・ストームセイバーIVレインスーツなどがあります。自転車用の雨合羽と比べると値段は張るものの、こうしたものを大事に使うことでいざという時の役に立つと思います。災害時に逃げる際には、両手が自由になるリュックサックにかけるレインカバーとともにそろえておけば、過酷な避難を強いられたとしても荷物を濡らしたり体を冷やすことなく長い距離を移動することができるでしょう。できれば、登山用品店やスポーツ用品店へ行って実際に体に合わせてみてから購入されることも合わせてお勧めしておきます。


エコカー補助金は自動車ユーザーの福音なのか?

 ここのところ、特定の車のコマーシャルを自動車メーカーが行う代わりに、エコカー補助金を露骨に強調し、とにかく車を売ろうとやっ気になっているかのようなコマーシャルが目立つような気がします。たまたま今の時期に新車を買おうと思っている人にとっては嬉しい事かと思いますが、私などは今乗っている車も中古車で、減税や補助金とは全く関係のない生活を送っていますので少々やっかみ気味に書いている事をまずはお許し下さい(^^;)。

 前回の補助金の時には、期限前に予算が底を付いてしまったので、購入や申請の時期、そして納車の時期によっては補助金を受けられない人が多くいましたね。このような事を考えると、補助金をこれから注文して確実に受けるためには、注文してから納期が長い人気車を注文した場合は最悪納車の時まで補助金が残っているかどうかは確実ではありませんので、不人気車とまでは言わないものの在庫がありすぐに納車可能なメーカーの在庫車をねらった方がいいという事になるでしょう。これは車を売る側からすると不良在庫ですら一掃できてしまうかも知れず、かなり自動車メーカーが優遇されているという事を感じてしまいます。更に言うならば、以前紹介したこの夏に出るといわれている、車中泊に向いた性能を持っているというホンダのNBOXなんぞを待っていては補助金を受け取れる可能性は限りなく少ないという事になります。

 それにしても今、これだけ増税の事が言われている中、こんな大盤振る舞いがいつまで続くのか不安になってしまいます。確かに補助金は円高で瀕死の状態である日本車メーカーにとっては必要なものかも知れませんが、他に苦しんでいる業種はたくさんあります。前回の補助金が終了した後には新車の販売台数が激減したそうですが、こんなことが更に続くなら、たとえ今回の補助金が底をついたとしても、人々はまた補助金が出かも知れないと思い、それまで新車の購入を控えるような消費行動に出るかも知れません。そうなればまた自動車メーカーが瀕死の状態になってしまうわけで、補助金を出しても出してもきりが無くなるような気もするのです。

 このように何度も新車購入に対しての減税や補助金を出せるのなら、その財源の一部を使って、例えばゴールデンウィークやお盆、年末年始などの期間限定で東北地方支援の高速道路を土日のみ上限1,000円にするとかできないものでしょうか。特に自動車関係の税金で道路が作られてきた事を考えれば、まっとうな用途ではないかと私には思えるのですが。


2-3 新品で購入できるSIMフリー端末およびWi-Fi専用端末

 スマートフォンやタプレット端末を購入する場合、携帯電話会社から通信プランの契約とともに購入するのが一般的ではありますが、全ての人が電話回線を契約しながら使わなければならないというわけではありません。ノートパソコンに最初から通信機能が付いたものがないのと同じように、Wi-Fiのみに特化したネット端末や、携帯電話会社の提供する通信カードを差してそのまま使える(現状ではドコモとソフトバンクのカードに限られます)SIMフリーのスマートフォンなどがあります。こうしたものを新規購入し、お店などが提供している長期保証サービスを利用すれば突然の故障にもちゃんと対応できます。

 このうち、日本国内で使用可能なSIMフリーのスマートフォンは日本通信が販売しているIDEOSがあるものの、後継機の発表は私がこれを書いている時点ではありません。IDEOS自体がすでに販売されてからかなり時間が経っているということもあり、次々に新しいスマートフォンが発売されている現状では、日本におけるSIMフリーのスマートフォンというのは現状ではそれほど期待できそうにないので、個人的にはあまりおすすめできるものとは言えないのかも知れません。というわけで、ここでは、Wi-Fiのみの接続をサポートするネット端末について見ていきたいと思います。

 自力ではネット接続はできないものの、無線LAN経由でネット接続できるスマートフォン替わりの通信端末としては、各社から出ているWi-Fi接続のみをサポートしたアンドロイドタブレットや、SONYのウォークマンZシリーズ、そしてiPadやiPod touchなどがあります。このうち、私はiOSを使ったiPod touchやiPadは持っていないので詳しくは語れませんが、単体でネット接続が可能な端末とは違い、外でこうした端末をインターネットに接続するにはどちらにしても無線LANネットワークに接続する必要があります。自宅で無線LANを使っている方は簡単に自宅でネットできるでしょうが、問題になるのが外へ出た際のネット接続をどうするかです。コストが低い順に、その方法について紹介してみます。

・無料の公衆無線LANスポット(FREESPOT や、セブンイレブン、ローソンなどの提供するWi-Fiを利用)
・有料の公衆無線LANスポットの利用
・自前で無線LANモデムを用意し、セットで利用する

 全て無料の公衆無線LANスポットでまかなうのは難しいかも知れませんが、行動範囲にローソンやセブンイレブン、道の駅などFREESPOTを提供している場所が多い場合はあながち無料とは言っても莫迦にできません。特に毎日の行動範囲が狭い学生なら、あえて携帯電話会社とスマートフォン契約を結ばず、メールはガラケーでやり取りするようにすれば、ネット関係はiPod touchやウォークマンZシリーズのみで意外と何とかなりそうな気さえするのですが。もし無料のスポットだけでは無理な場合は、マクドナルドで提供しているサービスなどを行動範囲に応じて利用するなどの工夫で毎月の支払いを抑えられます。ちなみに、私の場合は自分のところに来るメールはGmail経由で携帯電話のアドレスに転送をかけているので、あえてスマートフォンでメールを読まなくても済むようになっています。

 ただ、どうしても使いたい時にネット接続したいという要望はあると思います。そうしたニーズを満たすのが無線LANモデムであるのですが、予算に応じていろんな種類があり、これも人によってどこまで求めるのかによって違いが出てきます。まずは最低限メールとブラウザによる調べものくらいができればいいという場合、IIJmioや日本通信(イオンでの販売のみ)に携帯電話のSIMカードだけを販売して月1,000円以下という通信カードがあります。このカードの場合NTTdocomoのエリアが使えるので、どうしても高速通信が必要な場合は無料の公衆無線LANアクセスポイントを探すと割り切ることで使い分けができるでしょう。そこで、問題になるのはSIMカードを差す無線LANモデムをどうして購入するかですが、サービスを提供している会社で1年保証の付いた新品が購入できる他、携帯電話やスマートフォンの白ロムを売っているようなショップで中古の製品(利用できるのはNTTdocomoで出している製品のみ)を安く購入するかどちらかになります。これも、きちんとした保証を求めるのなら新品を、できるだけ安くというのなら中古の白ロムをといった判断になります。また、自分の行動範囲でのネット接続ができればよく、出先でも動画を見たり音楽をダウンロードするなどヘビーな使い方をしたいような場合は携帯電話会社の通信専用サービスや、Wimaxのモデムを導入するという手段があります。先日ウィルコムからPHS電話機と無線LANモデムが一緒になった製品が出ました。興味深い製品ではありますが、もし故障した場合にサービスセンターに同じ機種の代替機がなかったら、恐らく無線LANモデムはしばらく使えなくなってしまいます。auで提供するWimax内蔵のスマートフォンについてもこの辺の事情は同じです。常に外でのネット接続環境が必要な場合は、単機能のモデムを揃えた方が無難ではあります。

 私の持っている中でWi-Fi専用のアンドロイド端末、NECのLife touch Noteはキーボードを持つノートパソコンのようなものなので少々特殊ではあります。それでもネットへの繋ぎ方は同じで、私の場合は簡単にWi-Fi接続に特化したアプリを導入していて、モデムの電源を入れた後にWi-Fiを有効にすることで本体の設定メニューからWi-Fiの切り替えをするよりもスムーズにネット接続に移行することができます。ただし、それ自身でネット接続ができる端末と比べると、接続するまでにちょっとしたタイムラグがあったり、メールの配信状況がアクセスしないとわからないなど、気にする方はちょっとしたストレスになるかも知れません。

 ただ、こうした端末にもメリットはあります。スマートフォンのウィークポイントの1つとして知らない間にどんどん電池が減っていくというのがありますが、これはかなりの頻度で自分の意志とは無関係に通信してしまうことにより電池も消耗しているという事実があります。それだけではありません。今問題になっているスマートフォン内部の情報が漏洩してしまう問題ですが、これも知らないうちにネットに接続されてしまっていると情報が漏れてしまう危険性はより高くなります。使う時だけ自分の意志で接続できるWi-Fi専用端末ならそうした心配についても、ネット接続の時だけ気を使えばいいわけです。改めてどちらの端末がいいかは端末にどこまで依存するかということにもよると思います。メールの確認は普通の携帯電話でできるのでそこまで頻繁に通信しなくてもいいと思うなら、あえてこの種の端末を選んで持ち歩くという選択は当然あるでしょう。

 モデムとセットで持ち歩くということで、多少荷物が増えるというでぃメリットのあるWi-Fi専用の端末ですが、説明した通り本体から通信を切り離したものであるためのメリットがあるということもおわかりいただけたと思います。購入を迷われている方も単に安いからという理由だけで購入するのではなく、十分活用するためにはスペックについて確認し、今売られているスマートフォンと同様の能力を持っているものを購入した方が後で後悔しないと思います。また、私の選択したキーボード付きの端末のような特殊なものは後から買おうとしても買えなくなってしまうこともありますので、その点にも十分気をつけましょう。


新東名 NEOPASA清水 は天空の城だった

 昨日は新東名の喧騒をよそに、山梨方面に花見に行ってきました。静岡から山梨方面に向かうには複数のルートがありますが、私がいつも使うのは静岡市清水区興津から国道52号線を使って行く方法です。幸いなことに韮崎市にはまだソメイヨシノが一部満開で残っていたので、桜の花を見てから笛吹市まで移動し、桃の花を十分楽しんできました。帰りは河口湖方面から富士宮へ抜けようと思ったのですが、山あいの国道52号線沿いに新東名の新清水インターとNEOPASA清水という新しいコンセプトのパーキングエリアがあるので、帰り道ではありますが一般道から入ってみました。

 新東名の清水インターは国道から簡単にわかるところにあるのですが、NEOPASA清水へ一般道から入るためには周辺の地理に詳しくないと迷ってしまうかも知れません。位置関係からすると、NEOPASA清水は新清水インターより海側にあります。現状では直前になると電柱に付けられた小さな看板がありますが、昼はともかく夜はその看板はほとんど見えないでしょう。現状ではまだカーナビにも登録がないため、夜から深夜にかけてNEOPASA清水への入り口をさがして民家周辺に迷い込むと周辺の方々の迷惑になるだけでなく、見当違いのところへ突っ込んでしまう可能性もあります(^^;)。

 NEOPASA清水への入口へ続く道路はまだ一本しかなく、広めの道だと思われるものは現在工事中でした。最初、新しい道路らしきものを見付けて突入したところ、見事はまってしまいまして狭い道で石垣に車をぶつけそうになってしまいました(^^;)。今後そうした道が整備されれば行きやすくなるでしょうが、それまでは十分に気を付ける必要があるでしょう。

 今回、NEOPASA清水まで行くために国道からかなりの勾配を上り、山の中をかなりの距離走りました。実はこの地域は数年前に、国道のすぐ脇の人里まで熊が出現した場所があり、国道沿いに熊出没注意の看板もあります。下手をしたらNEOPASA清水に到着するまでに熊に会うのではないかとびくびくしながら進んだのですが、今つながっている道路はところどころすれ違いに苦労する場所があり、一般道からのサービスエリア利用者は必ずいますので周辺の何もなさに安心して走っていると急に車が来てあせることもあるかも知れません。

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 今回私は日本の典型的な田舎の集落を通り、さらに人里離れた道路を使ってたどり着いたので、当たり前のように新東名を使って利用する方とは印象が違うということはわかっているのですが、このように迷いつつ苦労してたどり着いたNEOPASA清水は、まさに天空の城といったあんばいで、周辺の集落とは趣を異にした別世界が広がっているというのが第一印象でした。

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 一般道から入るためのスペースはかなり広く、駐車場もきちんと確保されています(写真を写している手前側にも多くの駐車スペースがあります)。同じように駐車場を利用する人たちが夜間も増えてくれば仕方ありませんが、周辺の環境は静寂のみであり、車中泊の環境としてはいい方だと思います。しかし、最初に書いたように、夜間に一般道からNEOPASA清水にたどり着くのは、結構大変だと思います。今後周辺道路が整備され、看板などの案内がちゃんとされてくれば行きやすくなると思いますので、今後の展開に期待したいところです。

 ちなみに、開通してから最初の日曜日ということでサービスエリア内はごったがえしていまして、とてもドライブで疲れた体を癒すようなことは無理でした。それにしても、最近のサービスエリアの食事どころはオープン形式で、全ての店がカウンターになっていてポケットベルで呼び出される感じなんですね。できればレストラン形式で落ち着いて飲食のできる店舗がひとつぐらいあるとうれしいのですが。でもそれも、もう少し落ち着いてゆったりと新東名の利用ができるようになれば感じなくなるのかも知れませんが。


新東名開通にあたっての覚え書き

 いよいよ現在の東名高速道路を静岡県内で並走する新東名が開通しました。地元のテレビでは開通直前からサービスエリアを中心に新しい施設の紹介を大々的にやっていましたが、どちらにしろ混みまくることは予想するまでもないので(^^;)、あえて混雑の中に昨日は行きませんでした。

 今回開通した部分の意義というのは、特に台風や低気圧の接近で波が高くなると従来の東名高速道路の清水~富士間が間違いなく通行止めになりますので、天気予報などで静岡県に波浪注意報や警報が出ていたら、静岡県を通過する場合は念のため新東名の方に避けたほうが無難です。さらに、御殿場から三ヶ日まで新東名を走行した方が通行料金が安くなるという点はあるのですが、特に混雑する時期は逆に新東名を避けた方がいい場合もあります。

 以前のゴールデンウィークで高速1,000円の頃、東名高速を西に向かい、九州まで行ったことがあったのですがとんでもない渋滞にはまってしまった事があります。名神高速道路の本線をそのまま進まず、混雑を避けようと京滋バイパスに入ったまでは良かったのですが、途中までは良かったもののバイパスが本線に合流するところが大渋滞になってしまっていましてしばらくは全く動かないような状況に巻き込まれてしまったのでした。

 これと同じ問題が、従来の東名と新東名との合流区間である三ケ日ジャンクションと御殿場ジャンクションで起こる可能性があります。通常の週末ではそれほど問題はないでしょうが、一年の中で一番交通量が集中するゴールデンウィークやお盆、年末年始に起こるのではないかと言われています。私も同様のひどい目に遭った経験からして(^^;)、交通が集中する際には新東名はあえて使わない方がいいのではないかと思っています。

 そして、新東名に乗ったりサービスエリアめぐりをしたり、新東名の建造物(橋など)を見に来たい人に向けてnexco中日本では期間限定で静岡県内のインターチェンジで乗り降り自由の周遊チケットを用意しています。

http://www.c-nexco.co.jp/drive/kikaku/

 上のリンクはnexco中日本のページで、ご自宅のパソコンからETCカードの番号を登録することで、周遊区間内の乗り降り自由な「速旅 高速道路料金割引プラン」のページですが、2012年9月30日まで『まるごと静岡ドライブプラン』が紹介されています。

・東京エリア~静岡県内乗り降り自由のコース
 普通車6,200円 軽自動車4,700円(最大3日間)
・名古屋エリア~静岡県内乗り降り自由のコース
 普通車6,400円 軽自動車4,800円(最大3日間)
・静岡エリアのみの乗り降り自由のコース
 普通車3,500円 軽自動車2,600円(最大2日間)

 の3コースとなっています。地元民からするとサービスエリアのみを回るなら高速道に乗らなくてもいいわけですが、やはり新しい高速道路も走りたいということもあるでしょうし、静岡県内の観光地へ行く予定があるのなら乗り降り自由というのはポイントが高いでしょう。サービスエリアで車中泊をする計画を立てればかなりお得に回れると思います。残念なのは、このプランは来たるゴールデンウィークには使えず、旧盆期間も同じく駄目です(;_;)。詳しくは上のリンクから内容を確認してみてください。

 しばらくは新東名に偏った形での交通量の流れになり、サービスエリアも混んでしまうと思いますので、サービスエリアで車中泊を考えられている方は東名高速のサービスエリアを車中泊に使った方がいいと思います。私もこの騒ぎが落ち着いた頃を見計らって利用してみたいと思っています。


radikoの地域制限をなくすためには

 このような題名を付けたものの、もちろん一介のユーザーに過ぎない身で、インターネットでラジオ放送を配信するradikoの仕様を変更させるというのはほとんど無理と言ってもいいでしょう。しかしながら、当局の指導の下、ユーザーが自由に放送局を選択できないばかりか、radikoに参加していない放送局の地元に居住している人にはAMおよびFMの民放ラジオそのものをネット経由で聴取することすらできない現実は、国内で販売されているラジオの可変によるチューニングつまみを廃して自国の放送局以外の放送をシャットアウトしている某国のやり方に近いものがあるのではとすら私には思えます。何とかして地域格差のないラジオ聴取状況が実現できないかという事で、いろいろ考えてみました。

 この問題を考えるにあたり、なぜ地域限定の配信をするのかという配信側の理由付けについてまずは理解しておく必要があります。radikoについて書かれたwikipediaによると、おおよそ次の2点の理由が書かれています。

・ラジオ局の収入源である広告について、地元のクライアントから広告を出稿してもらい、それを地元のリスナーに届けるというビジネスモデルを維持するため(主に地方で、今まで地元局を聴いていたリスナーが東京や大阪などのネット配信を聴くようになり、地方局の聴取率が下がると思っている?)

・著作権のある楽曲などを放送する場合についても、実質的な放送エリアに沿った対象地域内での配信を前提に許諾を受けているため

 まず、権利関係の扱いについては、現在でもそうした問題によって配信できないコンテンツは存在しており、その範囲を広げるということで対応可能ではないかと思われます(放送休止や楽曲のみ差替)。また、こういうことはないかと思いますが、番組のパーソナリティ自体が自分の喋りがradikoエリア外に配信されるのを許さないという場合も考えられるかも知れません。もっともそんなパーソナリティの発信する番組をどうしても聴きたいという人がいたとしたらその場所まで移動なり転居して聞くしかないわけですから、そもそもそんな事を言う人がいるのかどうかというのが疑問ではありますね(^^;)。もしそんな事を言う人がいたとしたら、私はその方の番組を配信ではまるまるカットしていただいて結構だと思いますが。

 そして、理由としては一番大きな問題かと思われる、民放ラジオのビジネスモデルとインターネット配信放送との関係について考察してみたいと思います。以前紹介したように今の日本のテレビにおいて東京で放送されているチャンネル全てが日本中どこにいても簡単に視聴することができてしまったとしたら、地元局を見ないで東京キー局ばかりを見る人が増えることで地元局は広告収入がなくなってしまうのではないかという危惧が一部であることは確かです。しかし、まずはテレビとラジオの違いについて考慮すればこの図式がそのままラジオに当てはまらないことがわかるでしょう。

 テレビの場合は積極的に東京で制作された番組をそのまま流すことが地方局の存在意義になってしまっている場合が多いですが、ラジオ局の場合はそれほどではありません。時間帯で言うと深夜帯については東京で製作された人気タレントがパーソナリティーを務める番組をネットして放送していたり、アイドルが持っている番組を時間帯を変えて流していたりします。日中から夕方にかけては、地方局は自局のアナウンサーやタレントによる生ワイド番組を放送していることが多く、その中のコーナーとして東京制作の番組をネットしていることはあるものの、主には自局パーソナリティによる濃い目の生活情報が中心になっています。

 私のようにいろいろなところへ旅をする人間から言わせると、現地の情報を得る手段としてラジオでの情報というのは鮮度が高く具体的で、容易にイメージできるというメリットがあります。例えばレポーターのお店案内などという、思いっきり広告連動企画のようなコーナーがどこの地方局にもあると思いますが(^^;)、そこで聞こえてくるお店の方の話によってインターネットでは知ることのできないその場の息遣いまでが聞こえてきます。インターネット上でのお店紹介で、「雰囲気のいい店」というようなフレーズで判断するよりも直接的でわかりやすいのではと私には思えます。旅先で買い物をしたり食事をしたりする場合、安易に土地で名物とされるものに行きがちですが、そうではなく地元の方が好んで食べられているものであったり、知る人ぞ知るお店などはラジオでの情報を頼りに行くことで違った結果が出てくるように思います。全国に向けてradikoが開放されていたとしたら、番組内告知で大きなイベントまでは行かなくても地元の人たちが集まる催しが入手でき、そこで流れているコマーシャルからでもスーパーの安売り情報や食事処の紹介など、ラジオに広告を出すほど地域で認知度のあるお店はどこかという事がわかります。ここで気付かれる方もおられると思いますが、ラジオ局が集めた元々地元の方に向けた広告であっても、現地へ行く人から見れば地元の人限定の情報ではなく、有益な旅行のための情報になるわけです。

 私たちが旅行に出て食事をするところを探す場合、何の情報も持たないと、地元の名物すら食べず、全国チェーン店であるファミリーレストランやファーストフードのお店に入ってしまうことは結構あることです。それこそ、東京制作の番組でしか情報を得られないと(中には番組そのまま宣伝というものもありますが(^^;))、テレビで紹介されたお店のある地方に行くようになってしまうか、せっかく美味しいもののある場所へ行っても大手のチェーン店でしかお金を使わないような事になってしまうかも知れません。どんなに田舎に行っても入ってもらおうと大手企業は膨大なお金をかけて広告を出す理由がここにあります。それに対抗して、全国から多くの人を呼び込むために個人商店の人たちが膨大な広告費を全国に向けて使うわけにはいきませんでしょうから、潜在的な顧客の話が増えていくことになるならradikoの全国展開というのはむしろ地元商店主にとってもメリットとなり得るのです。もっとも、効率的にradikoを聞いた観光客を呼び込むためには、番組の制作にも一工夫必要だとは思いますが。

 そういうわけで、現状でrazikoを使って全国の民放を聴くことができている方に提案があります。週末や連休に旅行に出掛ける予定がある場合、出掛ける前にその場所の放送局のワイド番組を聞き、そこで得た情報を使って観光や食事を楽しんだ際、店頭や現地でその事(インターネット経由で放送を聞いたのでやってきたという事です)を話して欲しいのです。そうした声が広告主である地元の人の元に届き、実際に売上げの増加に貢献するということになれば、従来のラジオのビジネスモデルを維持したままradikoが全国に展開してもそれほど問題はないということが実感されるだろうと思うからです。また、旅行から帰った際に情報を発信してくれた番組に向けて、メールでお礼を出すというのも効果的でしょう。ただし、役立っていないものをあえて嘘のメールにしたりするのはどうかと思いますが(^^;)。

 ともあれ、私たちユーザーでできることを考えながら、今後もこの問題について書いていこうと思っています。


ハンドルを持つ責任について考える

 昨日の京都・祇園での自動車事故のニュースに触れ、改めて自動車を運転することはとんでもなく責任が重いということを実感しています。事故の原因についていろいろ言われていますが、問題は安全のためにしなければいけなかったことをきちんと加害者側の運転手がやらなかったということに尽きます。なぜ車を運転してはいけなかったのに、それを申告せず、運転することに不安を感じながら加害者はハンドルを握り続けていたのでしょうか。

 私自身について言えば、現在は車なりバイクなりを自分の好きなときに運転し好きなところへいつでも行ける自由を享受しています。それが突然奪われ、移動するにも自由にできないという事になったなら、素直にその現実を受け入れることは難しいかも知れません。しかしながら、それでもなお運転すること自体が危険だと言われれば、自分にとってはつらい決断をしなければならないという事も十分に承知しています。今後、とっさの判断に自信がなくなった状態で車の運転を続けたいと考えたなら、少なくとも車自体が障害物を認識して制動を止める車にでも変えなければいけないと本気で思うでしょう。

 そうでなくても、現状においてもハンドルを握っている限りは常に自分が他人の財物や生命を奪ってしまう可能性は0ではありません。もしもの時に備えて任意保険に加入するのはもちろんですが、ハンドルを握る直前にはやはり万全の体調で乗るように気を付けたいものです。

 これからゴールデンウィークに車中泊旅行の計画を立てておられる方も多いように思いますが、少なくとも運転していて正常に運転できないと判断した場合は先に進むことばかりを考えないようにした方がいいと思います。飲酒運転は論外ですが、限られた日程の中で睡眠時間を削って夜通し走ってしまうようなことも安全性の面から言ってどうかなと思います。夜通し走るなら、昼間に十分な仮眠時間を取るとか、そうでない場合は車中泊場所を早めに決め、普段自分が取っている程度の睡眠時間を確保できるような行程を組んだ方が安心できます。

 特にゴールデンウィークには普通の土曜日曜と比べて桁違いの車が道路を通ります。普段ではそれほど車がいない道の駅やサービスエリアであっても場所によって車が押しかけ、多くの車が車中泊や仮眠のために出入りするということになると、人によってはなかなか寝付けない状況もあるでしょう。その場合は運転していて眠気を感じたら素直に休むことが大事です。くれぐれも自分が事故の加害者にならないように、万全の体勢で望むとともに、車内で休む際のセッティングを見直し、その日の疲れを翌日に残さないようなベッドメイキングについても考えておきましょう。


razikoを使えるようにしたい方へ

 昨日のブログではスマートフォンでラジオが聴けるアプリrazikoが使えなくなったということで、絶望的な書き方に終始してしまったものの、インターネットの世界というのは実に素晴らしいもので、ウィンドウズパソコンで作業をやる気があり、なおかつパソコンでダウンロードしたファイルをメモリカード経由でスマートフォンやタブレット端末に移動できるだけのアダプタ(スマートフォンでmicroSDカードを使っている場合はパソコンに繋げるカードリーダーやアダプタなど)があれば、それほど危険ではない方法で以前と同じようにradikoのエリアを選択して全国のラジオ放送を聴取することができるようになることがわかりました。こういうのもイタチゴッコで、また突然使えなくなってしまう可能性が高いことは否定できませんが、とりあえずそれまでは、旅先でネットに繋げることができる所があれば、旅行先からでも全国の民放の放送を聴くことができるようになりますので、興味のある方はぜひご覧ください。

 具体的には何をどうするかというと、本来スマートフォンからでしかダウンロードできないradikoの方のアプリの本体をパソコンを経由してダウンロードして、そうしてダウンロードしたアプリをメモリカード経由でスマートフォンでインストールすることによってradikoが使えるようになります。技術的な情報については以下のリンクをご参照下さい。

http://appllio.com/news/20120410-1948-raziko-update-rooted

 では実際どうするかということなのですが、以下のpon0927さんのブログにパソコンでの作業の仕方が説明されています。本当にこういった情報はありがたく、ただただ感謝です。

・「APK Downloader」を使ってAndroidマーケット(現在はGoogle Play)からAPKファイルを直接ダウンロードする方法
http://d.hatena.ne.jp/pon0927/20120227/1330358895

・使えなくなったRazikoを復活する方法
http://d.hatena.ne.jp/pon0927/20120410/1334067853

 ちなみに、私自身全くの素人ではないものの、途中でradiko本体をダウンロードしようとしてつまづき、何度やってもエラーになってしまうのでイライラして途中で投げ出しそうになりました(^^;)。私の場合は、googleの提供するブラウザchromeのショートカットを右クリックしてショートカットオプションを入力する内容が間違っていたのでエラーが出ていたようでした。上記リンクでは丁寧に「文字列の前に半角スペースを入れて」とされているのに、無意識にそのままコピーペーストしてしまっていたのでした。パソコンを動かすための命令は、人間に対する場合と違ってほんの些細な間違いでもそれをパソコンの方で好意的に解釈して正しく動いてくれるようなことは決してありません(^^;)。パソコンのことにそれほど詳しくないという方は、とにかく書いてあることをまねるようにしてやっていけば、radiko本体のさらなる変更が行なわれない限り従来と同じようにrazikoが使えるようになりますので、チャレンジしてみてくださいね(^^)。


radikoとraziko

 インターネット網の発達と、デジタル化が行なわれたテレビによって、果たして私たちの生活は豊かになったのでしょうか。先日、他の地方に比べて遅れていた東北地方の地デジ化が完了し、アナログによるテレビ放送は完全に姿を消しました。政府としてはあの東日本大震災は全くの想定外のことだったでしょうが、今からして思えばあそこまで費用をかけて日本のテレビを全て地デジ化するためにお金をかけなくても、一部BSやネット経由の配信という手段もあるわけですし、今後のためにも検証してみる必要はあるでしょう。

 デジタル化が完了した今でもなお、日本のテレビは視聴者が自由にチャンネルを選んで見られるようになることにナーバスになっています。例えば私の住んでいる静岡県で言えば、東京キー局のうちテレビ東京の番組をリアルタイムに見ることはできません。しかしながら、かなり前から一部の難視聴地域対策として、東京で放送されているものと全く同じチャンネル構成の放送をBSの一部のチャンネルで同時放送しています。しかしながらこれらの放送を見るためには、その難視聴地域周辺が同じキー局をネットしている事が必要で、たとえ静岡県内の地デジが映らない地域の人が申請し、認められたとしても静岡県の他の視聴者と同様、テレビ東京だけにスクランブルをかけた内容でしか視聴が可能になりません。こういった制限さえなければ、車中泊の旅で日本中どこにいても、BSが車内で受信できるシステムを作るだけで、ワンセグなどが入らない地域でも普段と変わらない番組を見る事が可能です(旅先までテレビは見たくないというご意見もあるでしょうが(^^;))。

 こうした動きについてはラジオでも同じで、現在パソコンやスマートフォンでラジオが聴けるアプリradikoでは静岡なら静岡ということで他のエリアの放送局はいっさい聴けないようになっています。一時的ですが昨年の東日本大震災の際には制限なしに全国の放送をradikoで聴く事ができました。その頃に改めてインターネットを通して日本中のラジオがクリアな音質で聴ける事に気付き、らじおではなくパソコンやスマートフォンを介してラジオ放送を聴くスタイルに目覚めた人も多かったのではないでしょうか。

 しかし、そのような特例措置も今やはるか昔のように感じられるほどになってしまったのですが、先日まで一部の人たちは自由に全国の民放ラジオ局を聴いて楽しんでいました。アンドロイドOSの端末に限りますが、ちょっとした抜け穴があって、アプリ名では一字違いのrazikoというアプリを追加で導入することによってradikoに参加している地域のラジオ放送なら全国どこでもアプリ設定でエリア変更をすれば聴くことができたのでした。

 そうした状況を快く思わなかった方もいたことでしょうが、この4月9日からradikoのアップデートによってraziko自体がエリア変更が全くできなくなり、今までネットを通して自分の居住する場所以外で放送されているラジオを聴きたいと思っていた人にはつらい変更になってしまいました。現在は一応マーケットでアプリをダウンロードできるようにはなっていますが、そのままでは使えず、素人ではできないような設定の変更をしないとエリア変更しては使えないようになってしまっています。結局のところ、radikoの仕様変更に対応できなかったというところなのだと思います。

 将来的にどうなるかはわからないものの、現状ではユーザーとしては正直にradikoで提供されるまま地元の放送局を聴くしかしょうがないのでしょうし、私のようにお金をかけて遠距離受信をするために高性能のラジオやアンテナを揃える人も少数派でしょう。ただし、装備にお金を掛けたにしても、FMは遠距離受信は運頼みといったところがあり、AMは夜間は遠距離受信が可能なものの昼間の放送ははっきり言って無理です。地元局以外の朝やお昼のワイド番組を楽しみにrazikoを使っていた方にとっては楽しみにしていた番組を聴ける見込みはなく、下手をしたらラジオ聴取自体を諦めなければなりません。

 かたくなに越境しての視聴や聴取を妨げる人たちがいて、そのためにせっかくBSやインターネットでつながっているにも関わらず見たり聴いたりできないのでは、私には放送そのものの魅力も半減してしまうような気がしてならないのです。もしかしたら再度razikoが使えるようになるかも知れませんが、また同じように対応されるイタチゴッコが続くのでは意味がありません。このような流れからすると実に皮肉なことですが、放送格差とは関係のないNHKラジオ第一が全国の民放の人気番組に取材に行って、そのパーソナリティーと番組を紹介する「亀渕昭信 にっぽん全国ラジオめぐり」という番組が評判を呼んでいます。この番組で紹介された番組を聴こうとrazikoを使って定時放送を聴かれる方もいたでしょうに。

 特にラジオというメディアはradikoのサービスが行なわれる前には積極的に聴く人が少なくなってきており、ラジオ関係者はこのままでは更にラジオ離れが進んでしまうのではないかという危機感があったように思います。偏狭な縄張り意識で制限をするものではなく、とにかく多くの人にラジオの良さをわかってもらうために相互乗り入れをしてでもラジオ習慣を付けてほしいという想いが亀渕氏のラジオから感じられただけに、今だに地方の枠にこだわっているradikoの中の人たちとの違いをしみじみ感じます。

 ラジオ好きの私としては、インターネットを通して聴けなくなった状況の反動でラジオの売り上げが延びてくれればそれはそれで嬉しくもあるのですが、上記で述べたような設備投資しても聴けない放送局があるという物理的な問題およひ、日本のメーカーのラジオに対する思い入れというのはほとんどないに等しく、高性能のラジオというジャンルにおいては、実のところお隣の中国のメーカーに現状では大きく遅れているという事も気になります。このまま手をこまねいていては、せっかく育ちつつあった日本における新たなラジオリスナーの芽を摘んでしまうような気がしてなりません。技術的に簡単にできる事が、特定の人たちの思惑で簡単にできなくなってしまうというのは本当に悔しいですね。