2-5 非通信系端末の存在意義

 以前はモバイル機器といえば、それ単体ではインターネットに接続することができない電子手帳のようなものが主でした。それに携帯電話をつなげてネット接続したり、携帯電話そのものでメールやウェブをするのが主だったように思えます。それが、スマートフォンが普通に利用できるようになったことでこうした非通信系端末というのは今ではそれほど一般的ではなくなってきていますが、この章の最後として、そんな中でも私の持っているこうした端末について紹介してみようと思います。

 いわゆる電子手帳としてのみの機能しか持たない端末を使いたいというならスマートフォンの白ロムの中でSIMカードを差さないで動くもので十分ですが、私は長文のブログをどこでも書けるようにと最初から通信機能のない文字打ちに特化した端末を常時携行しています。パソコンと同じような使い勝手で文字入力ができ、電源には単三の電池2本を使い、スマートフォンと比べるとケタ違いの長時間動作が可能なのがキングジムのポメラDM100です。もう少しコンパクトにまとめたい場合にはキーボードを三つ折りにできるDM20などのタイプもあります。ただ、狭い車内で使うことを考えるとセットしたり折りたたむ際にはちょっと壊しそうで怖いですし、シートに座りながら打てないのがネックです。DM100はバックライト付きなので夜間の入力も簡単です。携帯電話やスマートフォンでの入力に慣れている人からすると、なぜわざわざこんな入力専用の機器を使うのかと思われそうですが(^^;)、私の場合はパソコンと同じように両手で打てるのキーボードでないとこのように長文を書く気になれないので、何といっても私にとってポメラは旅に必須アイテムなのです。わざわざ大層なお金を出してこうした端末を購入される方は、ポメラの文章作成能力に魅力を感じているのだと思いますが、私としては全ての人にこうした端末が必要とは思っていませんので誤解なきよう。

 よく考えながら長文を書きたいと思う方が車中泊の旅のお供として考えると、サブバッテリーシステムをきちんと構築し、電源の心配がない状況を作っている方ならノートパソコン一台で済んでしまいますので、これで十分と言われればその通りです。ただ旅は車での旅だけではありません。電車での長距離移動の際やなかなか携帯電話の充電すらできない状況には電池で動くポメラの有難さが実感されるでしょう。それでもあえてスマートフォンで全てやろうとした場合、外付けのキーボードを繋げるなども方法も使いつつ、長い時間電源を入れて画面から文字入力するとなると、それだけでも中の電池を結構消費してしまいます。ポメラと他の通信系端末の組み合わせなら、入力と送信を分けることができるのでスマートフォンの電池を節約しながら使い続けることができます。また、いくら無線接続とは言え、使う前にいちいち認識させたりするなど、キーボードとのペアリングをその都度行なうというのは案外面倒臭いものです。電源を入れればすぐに書き出すことができるポメラの便利さはこういう所にもあると私は思っています。もう少し細かいところで興味がある方は、以前のエントリーで何回かポメラについては書いていますので、そちらの方もご参照下さい。

 ここまではポメラという具体的なハードの話に終始してしまいました(^^;)。多くの方は私のように文字を書くためにのみ専用の端末を持つということはないと思いますが、他の用途でも通信を行なわない端末をスマートフォンと併用することで、スマートフォンの電池を節約できるというやり方は現実的なところもあります。具体的にはミュージックプレーヤーやビデオプレーヤー、電子ブックリーダーを別に持つというやり方です。こうした機能をスマートフォンでよく使っている場合、どうしても電池の持ちが悪くなってしまうという事はあるでしょう。大がかりな外付けバッテリーを使う前に、非通信系の端末に事前にダウンロードしたり、その場でダウンロードしたものを移すようにしながら、できるだけスマートフォンは本来の通信機能のみに使うというのが安定して充電ができにくい状況で使い続けるためのセオリーでしょう。次章からはモバイルバッテリーについて考察していく予定ではありますが、まずは改めてご自身で使われているスマートフォンの使い方について分析し、本体のバッテリーを長く保たすため、他のもので代用可能な機能がないのかを確かめておくのもいざという時には役立つかも知れません。


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