震災対策としてのオンラインストレージサービス

 今年は流行語としてもスマホという言葉が一般的に認知された年でしたが、スマホは実際問題として、常時インターネット接続ができるプランと一緒に使ってこそ利用価値が広がる部分があります。常時接続をするためには高い携帯電話会社が提供するパケット通信料を払わなければいけませんが、低速でも安価にネット接続できるサービスを選択することで、さまざまなメリットがあります。

 今まではパソコンやPDAを買ってから、データの移管やさまざまなソフトの設定などが一苦労で、ハードディスクが壊れたりしたら以前の環境を復旧させるのにかなり苦労しました。メールソフトの設定や乗換について、スマートフォンでgmailを使っているなら、別に使っているプロバイダメールをgmailに転送させることによりメールの内容を何もしないでバックアップすることができます。また、gmailは迷惑メールのフィルターがちゃんと動いている印象なので、並行して使っているメールソフトでしばしば見てしまう迷惑メールもほとんど目にすることがないので、スマートフォンを持っていない方でも、gmailのアカウントを取って今使われているメールアドレスと並行して利用することで、もし今使っているパソコンが一瞬にしてなくなってしまったりしても、新しいパソコンやスマートフォンを使ってアカウントにログインすれば、今まで来ていたメールはgmailのサーバーに残すことができます。また、もし複数のアカウントがあっても、別々に分類できます。ただ今年はgmailの一部のユーザーのファイルが消えてしまうというトラブルもあり、完全に大丈夫ということもないですが、これだけスマートフォンのユーザーが増えた今、gmailサービスのクオリティが下がることはないと思われますのでまだ使ったことのない方はまずはメールのデータをgmailでバックアップすることを試してみるといいのではないかと思います。

 このようにこれからは、パソコン内に入っているデータをパソコンの中だけで管理するのではなく、インターネットを使ってアップロードすることにより別の場所に保管し、見たい時に改めてインターネットにアクセスして見るような事をファイル全般に関して行えるようになってきているのです。一度こうした事をやってしまえば、新しくパソコンを買った場合にはせいぜいキーボード回りをカスタマイズして、よく使うソフトをインストールするぐらいで済みます。

 こうしたことを可能にするのが「データストレージサービス」というもので、決められた容量のファイルを保管してくれるものです。ただ、こうしたサービスはパソコンのハードディスク容量が増えているのにも関わらず、それをまるまるバックアップできるほどの容量は用意されず、あったとしても月額の利用料が高いということもあって今までノーマークだったのですが、最近になってYahoo! JAPANがデータストレージサービスを始めたので加入してみました。

 名称は「Yahoo! ボックス」というもので、誰でも無料で持てるYahoo!IDを取得すれば誰でも5GBを無料で持てるとのこと、さらに月額346円のプレミアム会員になるか、プロバイダーをYahoo!BBにしていると、追加料金なしに容量が50GBにアップするとのこと。私の場合はそれで50GBまで無料になるということでウィンドウズのパソコンとアンドロイドのスマートフォンおよびタブレット端末に専用アプリをインストールしてファイラーからのアップロードが簡単にできるような環境を整えることができました。マックやiPadなど、一部対応が遅れているところもあるようですが、WEBからでもデータにアクセスできるので、たとえ専用のソフトが使えない、古いバージョンのアンドロイド端末などでもファイル自体にはアクセス可能です。

 さらに将来的にはプレミアム会員の会費に300円をプラスすることで1000GBの容量がもらえるそうで、これならパソコン内にあるファイルを全て置いておく事ができそうです。ただ、ネット上に置いたファイルはいくら防御していても外から覗き見られてしまう危険性があるので、秘密にしておきたいファイルについては、別のメモリカードあたりに保存しておいた方がより安全ではあります。しかしながら、こうした環境を整備することによって、自らの命に関わるような極限的な状況が起こったとしても安心してパソコンやスマートフォンを捨てて自分の身一つで逃げられるという事はあるのですね。

 車の旅にパソコンやスマートフォンを持っていく人で、地震や台風など、最終的に車を捨ててでも逃げなければならなくなるような状況に陥った場合、つい大切なものということでデータの詰まったパソコン類を取りに戻りたい衝動に駆られてしまうのではないかと思われる方は私だけではないはずです。しかし、そうした一瞬の判断によって自らの命の危険が増大する可能性は0とは言えません。津波の想定だけではなく、洪水や火事など、一刻を争う状況で忘れ物を取りに戻るようなことはせず、大きな荷物が逃げる際の邪魔になるなら思い切ってその場に置いていくだけの判断は、こうしたオンラインストレージを導入し、いつでもその環境を復元できるようにしておけば簡単に出来るでしょう。アップロードするファイルの中に、自分の今使っているパソコンにインストールされているソフトや設定内容について記したものを一緒にしておけば、何もかも全く無くしてしまったとしても新たにパソコンやスマートフォンを手に入れさえすれば復旧できます。まだYahoo! ボックスには不安な点もありますし、今回こうしたサービスが出たことで、より良いサービスが安価に提供されるようになってくれば安心して使えるようになっていくことでしょうし、複数の同じようなサービスに加入できれば、それがさらなる安心感を持たせてくれるかも知れません。サーバー自体が地震でやられるという事も考えられるので、できればサーバーが離れた場所にあることが望ましいですが、海外でのサービスも含めて今後もこうしたサービスについてのニュースは追い掛けていきたいと思っています。


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震災対策としてのオンラインストレージサービス」への2件のフィードバック

  1. acefeel 投稿作成者

    なるほどぉ。みんなで 避難したのに 孫の写真を取りに 行った おじーちゃん が 亡くなったり って 実際 あったしね。ネットにあればね。
    スマホいいねぇ。 電池がすぐ 切れちゃって 通電できる環境にないと 使えないのが 問題だな。

  2. てら 投稿作成者

    ずっと残しておきたい写真だけでもネットにアップしておけば、それだけでも安心ですよね(^^)。これからここうしたサービスがもっと使いやすくなればいいのですが。
    スマートフォンは確かに便利ですが、下手をすると夕方ぐらいには電池がなくなるほど使い込んでしまいますから、よく使う場合は外部バッテリーも用意しないとだめかも知れません。でもこの間の長期停電なんてことが起きると、スマートフォンを使い続けるのは正直つらくなります。ハンドル式のラジオで充電できるのは普通の携帯電話までと考えた方がいいので、とりあえず携帯電話は残しておいた方がいいと思いますよ(^^)。

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