スマートウォッチは普及するか?

 Appleの記者発表が先日行なわれましたが、個人的にはiPad miniの新しいものが出たら、先日iPad mini2を購入したばかりの私としてはがっかりしてしまうところでしたが、大きな発表はiPadではなく、腕時計型のモバイル端末、スマートウォッチの「Apple Watch」でした。単体では実力を発揮できませんが、iPhoneとの連携をすることで単なる腕時計以上の能力を発揮すると思われるハードです。

 話の流れでは、Apple Watchによって腕時計が売れなくなるのではというウェブページもありますが、一番安いものでも4万円ちょっとと、それなりの腕時計が買えるくらいの価格です。その他にも多くのバリエーションがあり、10万円以上のものや、一本200万円なんてものもあります(^^;)。この価格と、満充電しての連続駆動時間が18時間というスペックを見ると、これは腕時計としてはとても使えないのではと思われる方も少なくないと思います。ただ、Appleの出した腕時計型の端末の初代機でもありますし、今後の技術革新や腕時計としての質感の出し方によっては、腕時計メーカーの脅威になる可能性はあると私は思っています。

 私自身も、現在一応スマートウォッチと言えるであろう、Bluetooth4.0接続のCASIOのG-Shockを持っています。時計としての存在感というのはベーシックなG-Shockと全く変わらないと言えますが、メールやtwitter、facebookの通知を受け取れることとは別に、もう一つ大きな特徴があります。今の時計の中で電波時計以外のものは時間がずれてしまった場合、修正が必要になります。カレンダーも付いていないアナログの時計なら手動で簡単に時刻の修正ができますが、カレンダー付きのアナログ時計を修正するのは大変な場合もありますし、デジタル表示の時計を修正するのは何回もボタンを正確に押し続けなければならないなど結構面倒なものです。唯一時刻合わせの必要のないとされる電波時計でさえも、いったん止まってしまったらきちんと電波を受信できる場所に置いてしばらく置かないと時刻は合いません。また、さまざまな付加機能を使って画面表示を変えたいと思っても、すぐに設定を変更させることは難しいでしょう。多機能化した製品の中でユーザーが操作方法を覚えられないというのが今のハイテクを駆使した腕時計の弱点の一つだと思いますが、いわゆるスマートウォッチなら、スマートフォンやタブレット端末と連携することが前提であるので、スマートフォン側でアプリを起動してその画面で設定を行ない、その情報をスマートウォッチに飛ばすことで簡単に設定や時刻修正、さらには今までの腕時計の常識を超えた複雑な動作までも対応していくことが考えられます。

 ちなみに、私の腕時計はBluetoothによる接続をすることで日時が合うので、電池の節約のため朝に接続して夜に接続を切るような使い方をしているうちは、時刻修正の作業は全く必要なくなりました。接続を続けている場合でも、専用アプリから手動(ボタンプッシュのみ)で時刻を合わせることもできます。このように、スマートウォッチに搭載された全ての機能を直感的に操作できるスマートフォン用のアプリを使ってできるようになるなら、今まで憧れつつも使えなさそうだと多機能時計を敬遠していた人も、スマートフォンとスマートウォッチをセットで使うというパターンならと、今までの腕時計から変える可能性は出てくると思います。

 さらに、これは売る側の立場としてみると、このスマートウォッチというのはスマートフォンと同様に先が見えない形での進化が見込まれるハードでありますから、今までの腕時計のように一台買ったらしばらくは使い続けるという利用パターンから、スマートフォンの進化とともに新しいモデルに買い換える消費行動が見込まれます。そうなると、ユーザーの方では今のスマートフォン業界の中のiPhoneのように、Apple Watch以外のスマートウォッチの選択肢はなくなるわけですから、この分野でAppleに先を越されないように他の時計メーカーが躍起になっているのはこのせいでしょう。今まで高価な購入費だけでなく定期的なメンテナンスに相当のお金を出していた人が、それまでの価値観を変えて腕に巻く最新のテクノロジーを求めるか否かは、やはり魅力的な製品を出し続けていけるかにかかっています。このままApple Watchが確固たる地位を築くのか、従来の時計メーカーや、今まで時計とは関係がなかったメーカーが割って入るのか、これから見ものになってくると思っています。


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