いつまでもあると思うな? その路線

 2015年3月14日からのJRダイヤ改正は、例年に比べるとかなりその様相が違ってくることになります。大きなニュースは北陸新幹線が金沢まで開通することと、いよいよ北海道へ向けて新幹線が運行される計画の中、最後のブルートレイン北斗星が廃止になるということです。これまでも新しい電車が走ることにより古い列車がなくなることは当然のこととして推移して来ましたが、個人的にまだ車での旅行など考えられなかった頃にお世話になった列車や路線はことごとくなくなってしまっていて、やはり寂しさは感じます。

 それこそ、車中泊という言い方が自動車を使って車内で寝るということでなく、夜行のバスや列車の中で座席に座ったまま寝ることを指すことが多かった時にはJR(旧国鉄)には多くの夜行列車がありました。関東から東北・北海道に安く行くためには今度のダイヤ改定で全てが廃止される運命であるブルートレインはあえて使わずに、急行料金がいらないミニ周遊券を使って座席指定のない普通の客車で深夜に走る急行「八甲田」「津軽」を利用して東北に行くのがお金もなく予約も全くしない学生にはありがたかったです(当時は「夜行折り返し」と言って、周遊券で急行が乗り放題になることをいいことに、あえて夜行急行の下りに乗り込んで、上りと下りが行き交うところで乗り換えて、翌日の朝に東北にとって返すという技で宿代を浮かす輩も存在しました)。その先は北海道ですが、青函連絡船は普通列車扱いだったので青春18きっぷでも乗れたので、安く乗り継いで北海道に渡ったのはいい思い出になっています。ただ、交通費をけちっていたあまり、ブルートレインとはなかなか縁がなかったことは本当に残念です。

 当時は青森・函館には青函連絡船の深夜便があったため待合室が夜中でも開放されていたので、とにかく最終列車で両駅にたどり着けば、青春18きっぷだけでも車中泊を続けて距離をかせぐことができました。当時の18きっぷでの旅行は、西の方面でも大垣夜行や、天王寺発新宮行きの普通列車の夜行があったりして、まさに行きあたりばったりでも何とか車中泊を続けて移動できる方法があったおおらかな時代でした。すでに周遊券という言葉も聞かなくなってしまっている中、行きあたりばったりに安い旅を楽しむためには、自分で車やバイクを運転して出掛け、必要に応じて車中泊やテント泊することが必要で、車やバイクを持たず、免許もない人には大変な時代になりつつあると感じます。

 今回の改定の中で、北陸を新幹線が走ることになったことで、並行して走る在来線が第3セクター化することが決まりましたが、一枚のきっぷで新幹線を使わない旅を選択する場合、第3セクターの区間が長野新幹線開通時からできたしなの鉄道の場合のように別に購入する必要が出てきます。18きっぷを使って旅を楽しんでいる人にとっては残念なことですが、そういった個人の都合ではどうにもならないところに、公共交通機関を利用せざるを得ない人のジレンマがあるのでしょう。

 ただ、このような傾向は時代の流れとともに決まっていくので、昔を懐かしんで反対しても今のままの状態が保たれるわけではありません。これからも日本全国に張り巡らせた在来線の鉄道やバス・フェリーの路線がいつまでもあると思わないで、行ける時に乗り行くことも、車でない旅を楽しむためには必要ではないかと思います。在来線と言っても、渋滞もなくそこそこの速さで進めば、高速道路を進むよりも早く行けるのが列車の旅の良さでもあります。予報で台風がやってきたり大雪が降るとわかっている場合にはおすすめしませんが、JRが運行しているうちに乗っておけばいい思い出になると思います。先日、モバイルSuica会員用にメールが来て、2015年2月に北陸新幹線の体験乗車会が開かれるようです。個人的には新幹線にはいつか乗れると思うので、一足早く新幹線に乗るよりも、ダイヤ改正でなくなってしまうJRの在来線やブルートレインを一通り乗り通しておいた方が思い出に残ると思うのですが(^^)。


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