英仏はガソリン車の販売を禁止して大丈夫か?

☆最近のニュースでフランスに続いて英国でも2040年までに石油を原料とするガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止することが決定したようです。となると、今日本で売られている最新テクノロジーが搭載されたハイブリッド車やガソリンで発電機を回すタイプの電気自動車も駄目ということになりますから、ヨーロッパでは本格的に電気自動車の開発へと舵が切られたということになるのでしょうか。

今回の発表で気になったのは、トラックや重機まで期限を切って全て電気を動力にして動くものにするのかということと、今まで特にヨーロッパでは有害な排気ガスを少なくして環境に優しいと言われたこともある「クリーンディーゼル」の技術まで止めてしまっていいのか? ということです。私自身もすぐに電気自動車に行く前の段階としての、マツダのクリーンディーゼルの技術に期待していたところもあったのですが、主戦場のヨーロッパの一部の地域で全否定となれば、国内の車種の販売状況にも変化が出てくるのかも知れません。もっとも、クリーンディーゼル車を多く作っているドイツは英仏とは一線を画すという話ですし、そこまで脅威に感じることもないのかも知れませんが。

ただ、英仏ではニュースを見ると将来のエコカーはEVが全てというような感じも受けるのですが、社会的なインフラ整備が間に合うのかというところも少し疑問です。もし将来のエネルギーを水素として現状のガソリンスタンドを「水素ステーション」にするようにし、水素で発電機を回すタイプの電気自動車を作るようにできれば、ガソリンスタンドでは新たな設備投資が必要になるものの、ガソリンスタンド自体が全くなくなってしまうような事は起こらないでしょう。

それが、単に電気を充電するための設備だけになってしまったらガソリンスタンドを取り巻く状況も変わるでしょうし、急速充電といってもプラグから充電する方法では、全ての車が電気自動車になってしまっては、充電ができた車から動くので、多くの車が急速充電ができないと動けない場合も出てくるでしょう。冠水した道路上て立ち往生した車が自走できないような大雨などの災害時には、レッカー頼みにするしかないケースが増え、ロードサービスがやってくるまでの待ち時間は、現在のヤマト運輸が陥っているようなロードサービス業者が、ハードワークとなりそれが社会問題化する恐れもあるかも知れません。

そうした問題を解決するためには、以前にもこのブログで書きましたが、電気自動車の電池が高性能になり、できるだけ短時間な急速充電でも走れる距離が増えればいいのですが、電池性能が今とそう変わらないなら、どのメーカーの車種でも使える共通の大きさの着脱式のものにし、電池をその都度充電するのではなくスタンドで既に充電したての電池と車の防水機能を保ったままで交換するような方式にし、プラグからの充電以外でも車を動かせる方法も電気自動車に持たせるような事ができればいいのにと思います。そうすれば、急に満充電した電池を使いたい場合、今のようにスタンドに飛び込めば何とかなるわけです。スタンドでは汎用の電池を常に充電して用意し、車が来たら交換すればいいだけなので水素ステーションのような新たな設備投資もそこまで必要ないでしょう。車載の電池が消耗すれば車自体の寿命が来るような状況も変えることができます。

そういう意味では水素自動車よりも電気自動車の方が優れていると言えないこともないのですが、これから英仏の自動車メーカーが、メーカーの垣根を超えた共通の電池の規格を作ることができるのかと言われれば、電池交換に際しての破裂や爆発などの危険の問題もあり、そうは簡単に行かず、汎用の電池という意味でも全ての車種でテストを十分しないといけない分、難しい部分も多くあることは確かですが、それでも車の場合は急に長距離を走らなければならない事もあるので、わずかな時間で満充電された電池に載せ替えることのできる方式へもチャレンジをしていただきたいと個人的には思います。

また、電池に関する最近のニュースではより安価に高性能な車載用電池として、液漏れや発火事故の心配がないという「全固体電池」というものが日本の東京工業大学・菅野了次教授の元で開発されているということです。この内容が実現されるようになれば、将来においての電気自動車について、大きな希望が持てます。その内容については以下のリンクからご覧下さい。

http://www.titech.ac.jp/research/stories/faces16_kanno.html

このようなものが実用化されれば、それはそれで電気自動車がガソリン車に取って代わる状況というのも見えますし、少なくとも爆発する心配なく交換できるような汎用の自動車用交換電池の登場も見えてくるかも知れません。そうなれば既存のリフトに車を載せて、防水のパッキンを外せば比較的安全にスタンドで交換できるような汎用の電気自動車用の電池の出現も夢ではなくなるのではないでしょうか。

もちろん電池自体の性能が上がり破裂や爆発の危険がなくなるだけでもかなり電気自動車の普及にこの新しい技術が寄与するだろうと思います。日本全国どこでも同じように、いつでも誰でも利用できる電気自動車のインフラが整えば、電気自動車だからこそできる車中泊の旅というものもありますし、何より夏の車中泊でクーラーを十分効かせたまま寝られる車や、料理はIHと電子レンジで、さらに冷蔵庫も付いた安全にできるキャンピングカーが当り前になるかも知れません。どちらにしてもすぐ実現するものではないとは思いますが、新技術が新しい電気自動車に搭載されて便利に使えるようになるのは本当に楽しみです。そうした期待を込めて英仏は目標を具体的に決めて動いているのかも知れませんが、日本のように具体的な電池なりインフラ整備について実用化直前の技術があるのかということも気になります。


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英仏はガソリン車の販売を禁止して大丈夫か?」への4件のフィードバック

  1. ケイタイオタク

    電気自動車については疑問です。電気自動車について評価の高い方は多いですが、バッテリーは寒冷地だとその能力が著しく低下すると言う事に対しての対応の見地が欠けていますね。ガソリンであれば給油のタイミングは把握する事は容易だが、バッテリーだと交換のタイミングを把握する事は困難。タイミングを誤れば寒冷地では死を招きかねない。ガソリン車の販売禁止と言うのがガソリン使用車なのか。ハイブリット車も含むのかによって異なってくると思います。日本の環境保護信者をだますのは簡単ですから、内容の中身を知る必要がありますね。もう環境信者は踊らされていると言っても過言ではないでしょう。

  2. てら 投稿作成者

    今回のニュースを聞いて、ドイツはあくまでも冷静に対処しようとしているという話なので、そこまで深刻にならなくてもいいのかもしれませんが、気になるのは中国やインドという日本車が売れているところで、消費者が次世代の車としてどんな車を選ぶかということです。

    ハイブリッド車というのはあくまで未来の車が実現するまでのつなぎの技術であると思うので、個人的には水素自動車がメインになって、電気自動車については都市部などで限定的に走るような形で落ち着くのがいいのではないかと個人的には思うのですが、車の規格だけでなく広く一般に広まるフォーマット自体、理想とは違った理由によって決まっていくこともあるので、今回の英仏の発表が次世代の車が普及するにあたって悪い影響を与えないようになって欲しいものです。

  3. ケイタイオタク

    水素自動車がどのような使い心地になるのかわからないですが、発進の際は現在のガソリン車と同じような感じでアクセルを踏むのでしょうか。今ハイブリッドの車を使っているのですが、ハイブリットに浸ってしまうとガソリン車を運転するのは怖いです。電気モーターを使用して発進するのでアクセルを強く踏む必要がなく、柔らかく踏んでスタート出来ます。つまり最近多い急発進する可能性が低いと思います。水素がガソリンに代わると言うようなシステムならハイブリット(電気と水素の組み合わせ)が次世代の中心になるのではと思います。電気自動車は限界を感じますね。

  4. てら 投稿作成者

    私はまだ運転したことはないですが、日産のリーフやe-Powerのノートにはシフトレバーが無いそうで、単純にアクセルの踏み方でスピードが出たり落ちたりするとのことです。今の高速道路もモーターだけで走れるとすれば、故障の原因となるトランスミッションが不要になることで、ハードとしての信頼性はむしろ上がるような気もします。

    こういう時代の流れがある中で、水素を燃料にした水素自動車が市販されるかどうかはわかりませんが、過去には日本のメーカーマツダがロータリーエンジンを使った実験を行なっていたといいます。その場合はアクセルを踏むとロータリーエンジン独特の加速感が得られたのではないかと思いますから、今のモーター走行に慣れてしまった方には厳しいかも知れませんね。

    個人的にはガソリンでも軽油でも、エタノールでも水素でも何でもいいのですが、安定して入手できる燃料を使って発電機を回し、現在研究が進んでいる高性能な電池に蓄電して走るような自家発電のできる車になったり、発電機だけではなく車に特殊な塗装をしてボディ全体に当たる日光を電気に変える効率の良い太陽電池ボディなんてものとも組み合わさったら災害の時にも生活に必要な電力を車から取れるようになるかも知れません。問題はやはり燃料を何にするかに尽きます。その場合は極力使う人の側にとって安くて安全で使いやすいものにすべきで、誰かが得をするような政治的な決着で決めてしまうのは勘弁して欲しいです。

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