パイロット 加圧ボールペン DOWN FORCE(ダウンフォース)をシステム化する

以前のブログで、トンボから発売されていた加圧ボールペン、エアプレスについて紹介しました。普通のボールペンは地球の重力の力でインクを押し下げて書くようになっているため、寝ながら書こうとしたらインクが出なくて書けません。そこまで行かなくても、外へ出てメモするような状況の中では、常に机の上に置いた紙にメモができるわけでもなく、壁にメモを押し当てながらメモをする場合もあることと思いますが、そうした書き方を続けていると徐々にインクの出方が妨げられ、インクはあるのに書けないというトラブルに見舞われる事にもなります。

というわけで、外で使うことを前提に筆記用具を考えた場合、私がボールペンを使う時には加圧タイプのボールペンを使うことにしています。加圧の方法には2通りあり、一つはエアプレスや今回紹介する写真のパッケージ「ダウンフォース」のように、普通の替え芯(以下リフィル)にペンの方で圧力を掛けて空気を押し出します。この方法はごく一般的なリフィルを使いながら加圧するので、リフィルの単価が安く済んだり、互換性のある他社のリフィルでも利用可能な場合があるので、旅先でインク切れを起こしても何とかなりやすいということでしょう。そして、もう一つはそれ自身にかなり圧力を掛けた専用のカートリッジを使うものです。昔はそうしたリフィルは宇宙でも書けるボールペンという事で高価でしたが、今ではスタンダードタイプで普通のボールペンと変わらないくらい安く売っているな三菱鉛筆の「パワータンク」というノック式ボールペンがあります。このボールペンについては改めて詳しく紹介させていただこうと思いますので、少々お待ち下さい。

さて、今回はあくまでパイロットの加圧ボールペン「ダウンフォース」の使い方についてのお話です。前回紹介したエアプレスのウィークポイントは普通のリフィルを使ってはいるものの、本体の長さを短くしたため、芯の長さが短く、通常のリフィルでは長すぎて使えず、結局専用品を使わなければならないということです。もっとも、長めのものでもはさみで長さを揃えるようにして切ってしまえばいいのですが、新品のリフィルをその都度切るというのはあまりにも勿体無いですし、都合よく使いかけで切って使えるものがあるかどうかはわかりません。専用のリフィルが必要という点でいうなら、先述の「パワータンク」と変わらなくなってしまいます。その点このダウンフォースは、ごくごく一般的で昔からどこの文房具店にもあるリフィル「BKRF-6F」を使っていますので、入手も容易です。しかも同サイズのものなら使い回しが可能ということで、サイズ的にセットできるなら他社のリフィルでも使えるかも知れません。

つまり、パイロットのリフィル「BKRF-6F」と互換性のあるものと他のものを入れ替えることによって、全く別の書き味を持ったボールペン(しかも加圧式)に変えることができるということです。元々のリフィルは油性ボールペンですが、そうでないボールペンのリフィルに入れ替えることで、さまざまな可能性が見えてきます。

写真は、パイロットではない三菱鉛筆のジェットストリームという、従来の油性ボールペンよりもなめらかに書けると評判のインクのリフィルです。三菱鉛筆には「スタイルフィット」というシリーズがあり、外装のホルダーから中のリフィルまで、ボールペンだけでなくシャープペンのパーツまで用意されていて、自由に組み合わせできるようになっています。この中にはジェットストリームのインクの入ったリフィル「SXR-89」もあります。用意されているのは太さが0.5mm 0.7mm 1.0mmで、黒・赤・青の三色があります。普通はリフィルというと、店の奥から取り出してきて、ビニールの袋に入っているイメージですが、これはいろんな組み合わせを楽しむものだけに、頻繁に入れ替えできるよう密封できるケースに入って店頭で売っているのがミソです。

リフィルだけならかさばらないのでケースに入れたまま持っていて、必要に応じて太さや色までダウンフォースの中のリフィルと入れ替えて使い分けることができます。ホルダーの部分だけダウンフォースを使い、中味はジェットストリームという加圧ボールペンのシステム化がこれでできてしまうわけです。もちろん、こうして中味だけ入れ替えたダウンフォースでも、天井に向けて普通にスラスラと書く事ができました。

実際にそれぞれのリフィルに入れ替えて使ってみると、基本は0.7mmかと思いましたが、私の間隔でさらにスムーズにスラスラ書けるのが1.0mmの太字のものでした。弱い筆圧でスラスラ書きたい時は太字を使い、細かい文字を書く必要がある場合は細字に替えたり、色を分けたい時も簡単に取り替えられるというのは実に便利です。まだ、ジェットストリームというインクを使ったことのない方は、店頭で試してみるとその使いやすさがおわかりになるのではないかと思います。

最後に、このダウンフォースというボールペンの機能について簡単に紹介しておきます。カラフルなカラーがあり、ノック式で芯を出し、強力バネのクリップを動かすことでペン先を収納する仕組みになっています。シャツのポケットに付けておく場合、芯をノックした状態で収納してもクリップが動くことで自動的に芯が収納されるので、ポケット内部をインクで汚してしまう可能性は低くなるのが個人的には嬉しい機能です。ストラップを付ける穴がクリップにあるので、首からぶら下げて持ち歩くことができます。材質は全てプラスチックで、グリップの部分は細かく削って加工されています。ちょっとフォーマル的には見えないスタイリングが残念ではありますが、旅行に持って行ったり普段使いにするにはいいボールペンです。今使っている筆記具に不満がある方はぜひ試してみて下さいね。


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