マナー違反の動画の中に映し出される中国の国内事情

現在の日本の車でのマナーについて、道の駅や高速道路の駐車スペースに車を止めるだけでなく、空きスペースにテーブルや椅子を出して休んだり、コンロまで出してバーベキューをやるという行為は現在はマナー違反という認識があると思います。過去、そうした評価が固まる前には、実際にやるだけでなくブログやSNSに写真をアップするような人もいて、そうした行為が不謹慎だと非難を受けるケースが増え、テレビなどでもそんな行為をたしなめるような感じで特集されるようになって、今ではそこまで傍若無人に振る舞う人もいなくなったように思います。

しかし、たまたま昨日テレビで見た中国の高速道路の様子を見たら、国民性の違いなのか、あまりにも早くインフラが整いすぎて国民の間でマナーという観念が育っていないのかはわかりませんが、日本国内でマナーが最悪だと思われる人よりもマナーが悪いだろうと思われるケースが続出していました。

定年後にやることがないからと、わざわざ高速道路に歩いて入り、橋の上から釣りをしているおじさんがいたり、日本と比べるとサービスエリアが少ないということで、普通に流れている車道の路肩に車を停め、家族揃ってバーベキューを路肩にテーブルを出してやっている人がいたりと(改めて調べると中国中央テレビ(CCTV)のニュース番組の流用で、貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州の高速道路での話だとわかりました)、さすがにそんな人たちは地元の警察に検挙されて罰金を払っていたのですが、中国がこれから世界に対して大国としてふるまっていくためには、このような公衆におけるマナーを徹底しないとまずいですね。路肩の一番端で止まっていたとしても事故になる可能性は高く、マナー違反をしている人が事故の原因となれば、外国人観光客の移動手段として高速道路を使いたくないという事にもなりかねません。こういうところは世界共通で変えていかなければならないところだなと思います。

ただ、他の動画も見ていると中国の高速道路の渋滞事情というのはことのほかひどいようで、事故処理や天候不良の場合の誘導が具体的にどうなっているかはわかりませんが、一度止まったら5時間6時間全く動かないのは普通だそうで、そこにもうひとつの問題が隠れています。

日本の場合、昨日も東北道で午前7時半ごろにトラックのタイヤがパンクしたことによる渋滞の中で、それから約2時間後の午前9時40分から約20分の間に、東北自動車道・下り線の大衡ICと鶴巣PAの間で、あわせて11台が絡む4件の追突事故が相次ぐというようなひどい状況になっていたようですが、お昼のテレビニュースを見た限りでは少しずつではありますが車は動いていて、迅速に事故処理および車の誘導が行なわれていると思うのですが、少なくとも早めの現場急行と誘導処理がなければ、長時間出口のない高速道路では全く動かなくなることは明らかです。

最初話題にしたテレビの話に戻りますが、番組ではもうひとつの高速道路上でのとんでもない行為として、渋滞にはまって全く動かなくなったドライバー向けにプロパンガスと中華鍋を持ち込んで作りたての炒飯を売っているおじさんや、歩いて高速道路に入り込んで桃を売るおばさん、さらに高速道路を走行中の車の中から外に出て、ダンスを踊る集団や縄跳びをする女の子を面白おかしく中国のニュースとして報道していたものの、このような渋滞で数時間全く動かなくなる事が常態化しているなら、物を売って儲けようと思う人が出てくるのは仕方ないところでもあるかも知れません。もちろんそうした行為を容認するわけではありませんが、全く止まったままの状態でドライバーが放置されていることが常態化していることで、物売りの類が入ってきてしまうということは今の中国では防ぐことはできないのではないかと思います。

高速道路上でダンスや縄跳びをする人についても同じような事が言えるかも知れません。全く動かず、いつになったら動くかがわからない車の中で下手をすると5時間以上同じ姿勢をキープしながら乗り続けることは、エコノミークラス症候群による血栓で命の危険があることは日本国内なら常識であり、車から降りて適度な運動をすることは、むしろおすすめされるべき行動でしょう。

日本の中国に対する報道の中には画面のインパクトを優先するものも多く、このケースでもダンスや縄跳びをするような人まで「民度が低い」と非難するのは少々酷ではないかと思えてしまいます。日本でも大雪でチェーンの用意のない車が立ち往生し、全く動くことができなくなったような場合には車の外に出て手足を伸ばしたり、トイレを借りるために近くに停まっているキャンピングカーまで出向いたりということは普通に起こることですので、中国だからだめだという事にはならないような気もするのです。

人々のマナーというものが問題を引き起こすことは十分に可能性があるので、最初に紹介したような高速道路の路肩にテーブルと椅子を出して食事をするような事はいかに中国でもやめて欲しいですし、安易に渋滞時を狙った物売りを物理的にシャットアウトするのではなく、事故処理と誘導をきっちりやって、現場でチャーハンを作って売るなんて行為が成立しないように前も後ろも全く動かないというような状況を頻繁に起こさないことが大切だということになると思いますが、こういう方向でニュース報道をすると、中国国内では内政批判ということになってしまうかも知れず、そうした方向での報道になっていないのではないかと思うと、何かやるせない気分になってしまいます。

(2017.11.4 追記)

今回こちらで書いた文章の中に、

「トイレを借りるために近くに停まっているキャンピングカーまで出向いたりということは普通に起こることですので」

という記述をしましたが、これは実際に長時間雪の影響で全く車が動かなくなった日本の高速道路で起こった立ち往生の際、流れたニュース映像を見て、そんなやり取りがあったという話を自分が覚えていた事を基にして書かせていただいたものです。

恐らく現在同じようにかなり長時間の立ち往生の状況が起きたら同じように立ち往生の列に停まっているキャンピングカーを見付けた人の中には、どうしてもトイレを貸して欲しいとキャンピングカーの持ち主にお願いするような事は起こると思います。しかし、キャンピングカー内にトイレを設置している方の立場としては、あくまで非常用として旅の間でも全く使わないようにしている方もいたり、他人に本来のポータブルトイレの利用方法を知らないまま内部で溶けないものを一緒に流されたりすることを恐れて利用をさせないケースもあります。

もちろん、家族で大切に使っているものを、いくら困っているとはいっても他人に使わせる事自体NGだと考えている方もいて、それは普通の事だと思います。ただ、私が見たような立ち往生の現場の映像を見た人の中には、緊急時であれば頼み込んでキャンピングカーのトイレを使わせてもらってもいいのではないかという誤った認識が広がってしまう危険性があります。今回の記述についてはこの点についての配慮がなく、多くのキャンピングカーのオーナーからすると大変困る記述をしてしまったかも知れないという点で不完全な部分がありました。ここで改めておわびさせていただきます。

今後、日本でも車が立ち往生した時や災害時において、キャンピングカーにトイレを借りることは仕方ないという考えがエスカレートすると、これからもし同様の事が起きて逆ギレするような形でトイレを使わせろというような状況も起こるかも知れません。そうした行為は間違いなくマナー違反であり、あくまで相手から利用を促されたような場合でなければ使わない方がいいでしょうし、紙などは流さないなどの使い方についても知っておくべきでしょう。

特に立ち往生が出る可能性のある天候の中で車で出掛ける場合は、自ら使うことも見越して簡易トイレの用意をしてから出掛けることか大事だと思います。


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