「悩み相談」は「まずネット」ではなく別の方法で

いわゆる統計の情報ではそれほど多くない10代から20代の人生についての悩みについて、つい匿名だからと誰もが見られるネット上に公開したことにより、その叫びを巧みに利用して取り込んで犯罪者の懐に入って被害に遭う悲劇が起こってしまいました。驚くのは、一人だけではなく同じ犯罪者のところにかなりの人数が集まってしまっていたことです。

犯罪行為が明らかになったのは、被害者の兄による警察への届出でした。しかし、妹さんを助けることができなかったのは犯人の素早い取り込みがあった事は言うまでもないのですが、同時に思うことは、被害に遭った妹さんはお兄さんをはじめとした家族や友人に苦しい胸の内を相談することができず、レスポンスも早く来るSNS上に赤裸々な悩みを打ち合けてしまったことです。

ネットを見ている人は全て良い人でも悪い人でもありませんが、中には悪意をもってそうした心の叫びを犯罪に利用しようとする人がいます。当然メッセージのやり取りの間はそうした下心は隠したままで行ないますが、実際に会う約束を取り付けた時点で豹変するかも知れません。

ネットを使った犯罪行為については、若年層だけでなく成年層や高齢者も騙されるケースもあるため、もしかしたら特定の年代だけをターゲットにすること自体違うかも知れませんが、人が悩みを持っていてその悩みについて相談する相手がいないという場合、社会がその受け皿になって問題解決を目指すことは今後の日本を考える上でも大切な事になるのではないかと思います。そんな活動をしている団体の中でもネット以前から熱心にやっていたのが「いのちの電話」ではないでしょうか。

https://www.inochinodenwa.org/

上のリンクは「一般社団法人 日本いのちの電話連盟」のサイトになります。ただ、悩みを抱えていて電話をする人や、もしかしたらいたずらで電話を掛ける人もいるのかも知れませんが、かなり古い統計になりますが、2010年の毎月10日に行なっている「フリーダイヤル相談の日」には4%しか繋がらなかったという状況があるというニュースが有りました。2017年に入ってからでのニュースでも電話先の相談員が減っているという事から24時間の電話対応ができないという地域があるという話はテレビでも報道されています。今までは相談員の善意に支えられてきた「いのちの電話」も、今後は国や地方自治体、民間が一体となっての支援が必要になることは間違いないところです。

ただ最近は経費の一つとなる通信費についての状況の変化は起こってきています。携帯電話や一般電話に対して5分ないし10分、あるいは24時間通話定額で掛けられるかけ放題プランが存在したり、そもそも携帯電話からなら市内通話市外通話関係なく一律の料金で掛けられたりするので、昔よりも携帯電話から相談の電話をするハードルは下がっている可能性はあります。上記リンクでは本部および、全国の支部の電話番号が載っていますが、のっぴきならない相談内容の場合はそうした全国一律の通話料や通話定額の特性を生かして、全国どこでも電話が繋がる場所に掛けるという方もはあるということを紹介しておきたいと思います。そういう意味では月額3千円前後かけても自分の電話を24時間通話フリー状態にしておくことはあながち無駄ではないと言えるのではないでしょうか。

また、相談を受ける側の取り組みとしてお願いしたいのが、相談窓口に受付用の電話とは別に24時間掛け放題の携帯電話を置き、もし電話を受けたものの電話代を心配するような声が伝わってきたら、まずは相手の電話番号を確かめ、そこからすぐに相談相手に掛け直すことで相談する方も電話代を気にせず改めて掛かってきた電話で思いの丈を吐き出すという方法も取れます。

もう一つの問題として、今の若年層は電話よりSNSという傾向がありフリーダイヤルを設定しても電話そのものを掛けてこないというケースがあります。この問題についても、最近では若年層がスマホを持っていて気軽にコミュニケーションを取る手段としてアプリの「LINE」を使って悩み相談を受ける取り組みが始まっています。具体的には2017年9月10~23日という期間限定ながら、長野県教育委員会がLINEの相談専用アカウント「ひとりで悩まないで@長野」を開設し、相談を募集したところ2週間で1年分の相談案件を軽く超えるだけの相談を受けることができたとのニュースがありました。

この取り組みは「いのちの電話」のように24時間のサービスではなかったので時間外の問い合わせも入れすとさらに多くの問い合わせが入ったということです。この事実は、今の10代から20代におけるコミュニケーションツールとして、LINEのようなツールが使えればもっと多くの人の悩みを聞け、犯罪者の餌食にならないように青少年を守ることができる事を示しています。

とは言っても先に書いた通り、相談員は誰でもいいというわけではなく、事前の研修費用は自弁になるボランティアに頼らざるを得ないところもあるので、ここで活用していただきたいのが人工知能のアルゴリズムです。深夜から早朝に掛けての相談受付方法として、相談者の相手を最初は人間でなく機械にやらせるという事も十分に有りではないかと思うのですが。この取り組みがうまくいけば、日中でも常駐させる人数を減らせるだけでなく、相談内容は機械側の返答を含めてネット上で記録され共有したり印刷して機械から人間への引き継ぎの際の資料にもなり得ます。

さらに、どうしても文字だけの相談に限界を感じた場合には電話番号を入力してもらうことで通話による相談に変更することもできます。緊急性が高いと相談員が判断した場合には、直接LINE電話を掛けられるような仕組みがあればなおいいと思うのですが。

また、相手からお友だち登録を外されていなければ、一定期間ごとにフォローアップとして、「今現在は大丈夫ですか?」というような一律のメッセージを出しておくことで、気軽に今問題だと思われる事を相手から相談してきてくれるようになるかも知れません。こうして文字だけで解決できることが増えていけば、相談される側の仕事量も減るかも知れません。

旅に車を使って行く身としては、年間を通してまれに出てくる小さい子を車に乗せたままドライブに行き、適当なところで車ごとダイブしてしまうというような事件というのは本当にやり切れません。誰にも言えないで悩んでいる事でも、他人に話したりLINEでやり取りをしたりする中で、実はそこまで切羽詰まっていないということがわかるケースもあったのかも知れませんし、もしちゃんと解決できたのにそのままダイブを実行してしまったらある意味取り返しのつかない事にもなりかねません。テレビではずっと犯人の関係者にインタビューをしてどんな人がこんな犯行をしたのかということに多くの時間を割いているような感じですが、それだけで終わるのではなく、相談を受け付けるところがあるということと、こうした活動への関心が足りないということも一緒に報道してくれないものかなあと思います。


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